- 発売日
- 2024年01月10日
- 出版社
- 法律文化社
- 編著等
- 長瀬修、川島聡、石川准
障害を理由とする非自発的入院や障害児と健常児の分離教育といった従来の法政策の再考を求める総括所見。審査過程と所見の内容を総論と各論に分けて解説し、日本の国内法の課題やあるべき姿を具体的に提起。
目次
表紙
はしがき
目次
第1部 総論
第1章 障害者権利条約の初回審査と日本(長瀬 修)
1 はじめに
2 障害者権利条約批准の経緯と、批准の持つ意味
3 権利条約と審査(検討)の根拠
4 審査過程
5 総括所見の概要
6 次回審査
7 総括所見の位置づけ
8 総括所見を受けての動き
9 おわりに
第2章 人権モデルと社会モデル―日本の条約義務履行への視座(川島 聡)
1 本章の目的
2 人権モデルと社会モデルの概念
3 権利委員会の「独自の人権モデル」の意義
4 社会モデルの意義
5 人権モデルと社会モデルとの関係
第3章 国内実施と国内政策(石川 准)
1 はじめに
2 第一期の国内実施
3 第二期の国内実施
4 国内監視に関する総括所見
第2部 各論
第4章 日本における障害差別禁止を担う法制度の現状と課題(杉山有沙)
1 障害者権利条約の総括所見と差別禁止
2 日本における障害差別禁止法理の概要
3 総括所見と差別禁止の論点分析
4 「あらゆる障害差別の禁止と実効的な差別救済の保障」という課題
第5章 障害女性の権利保障をめぐる評価と課題(飯野由里子)
1 問題の設定
2 障害者権利条約と障害女性
3 一般的意見第3号以降のトレンド
4 第1回日本政府報告に対する総括所見の検討
5 総括所見の検討を通してみえてきた課題
第6章 アクセシビリティ(物理面)(関哉直人)
1 障害者権利委員会の日本審査(勧告を含む)
2 総括所見におけるアクセシビリティ(物理面)に関する各論
3 アクセシビリティ(物理面)を実質的に保障するための要素
4 権利保障の実践における視点
第7章 情報アクセシビリティ(大胡田 誠)
1 障害者の情報アクセシビリティに関する権利条約の規定と総括所見の概要
2 情報アクセシビリティに関する法制度の枠組みと展開
3 情報・通信に関する法的拘束力のある基準の整備について
4 意思疎通支援制度の拡充の必要性
5 手話言語法制定の必要性
6 終わりに
第8章 生命に対する権利(堀田義太郎)
1 はじめに
2 成立経緯と論点
3 初回審査の質問事項、政府回答、総括所見の内容と背景
4 要点の確認
5 おわりに
第9章 法的能力(新井 誠)
1 法的能力の最重要性
2 障害者権利委員会の日本審査、日本政府レポート、各界レポート
3 日本の問題状況
4 比較法の最新動向―ドイツ改正法からの示唆
5 改革の方向性
第10章 身体の自由・不可侵性(桐原尚之)
1 はじめに
2 非自発的入院廃止を求める国際的な精神障害者の声
3 障害者権利条約第14条に係る条約解釈の問題
4 政府による条約解釈
5 パラレルレポート
6 建設的対話と総括所見の読み方
7 今後の展望
第11章 自立生活と地域インクルージョン(鈴木 良)
1 はじめに
2 施設収容と予算配分
3 無期限入院
4 在宅およびグループホーム
5 脱施設化の法的枠組みと国家戦略
6 パーソナルアシスタンス
7 支給決定
8 おわりに
第12章 教育(今川奈緒)
1 はじめに
2 インクルーシブ教育に関する勧告の概要
3 「日本型インクルーシブ教育」におけるインクルージョンの位置づけ
4 障害者権利条約におけるインクルーシブ教育の定義
5 「能力の発達の必要に応じる教育」の再解釈
6 むすびにかえて―徹底的な教育システムの変革として求められること
第13章 労働と雇用(中川 純)
1 はじめに
2 障害者権利条約第27条の権利
3 日本の初回報告に対する総括所見
4 日本に対する総括所見の論点分析
資料
索引
執筆者紹介
奥付