- 発売日
- 2025年08月27日
- 出版社
- 発明推進協会
- 編著等
- 別宮智徳
サッカー選手になることを夢見ていた著者が、日本サッカーリーグの名門、三菱重工サッカー部に入部。しかし、戦力外通告を受けて挫折。その後、三菱自動車の特許課で特許の出願・権利化業務を担当し、米国駐在、知的財産部長への就任、競合他社への転職等々、数奇な人生を歩むことに……。本書は、著者の経験に基づき、これまでの自動車メーカーの合従連衡や技術提携を知財の観点から振り返るとともに、「コネクテッドカー、自動運転、カーシェアリング、電動化」をはじめとする100年に一度の大変革に直面している自動車メーカーの将来像を語る。
目次
表紙
目次
第1章 知財交渉人への道のり
1.サッカー選手から特許技術者への転身
2.海外への憧れ
3.米国駐在
4.突然、技術契約担当に
5.契約交渉と言語能力
【コラム】特許との出会い
第2章 自動車産業のグローバル化と技術ライセンス
1.世界の自動車生産の変遷
2.韓国・現代自動車の成長
3.マレーシアの東方政策(Look East Policy)
4.中国の自動車政策「三大三小二微」
【コラム】米国特許弁護士との交流
第3章 三菱自動車の中国進出
1.完成車が駄目ならエンジンから
2.ハ飛汽車への「ミラージュディンゴ」のライセンス
3.長豊汽車への「パジェロ」のライセンス
4.台湾海峡をまたぐビジネス
【コラム】特許は何のために取るのか?
第4章 ダイムラー・クライスラーと三菱自動車
1.1990年代後半の自動車業界の再編
2.三菱自動車はダイムラー・クライスラーの傘下へ
3.北京ジープとのライセンス交渉
4.スマート向けプラットフォームとエンジンの開発
5.ダイムラー・クライスラーの撤退
【コラム】ユーティリティープレーヤー
第5章 知的財産部長を拝命。そして、転職
1.立つ鳥跡を濁さず
2.競合他社への転職
3.再び知財部長に
【コラム】ある弁理士に言われたこと
第6章 ルノー・日産・三菱アライアンス
1.自動車業界の類いまれなパートナーシップ
2.パワートレインの共用化
3.コモン・モジュール・ファミリー
4.日産自動車と三菱自動車の軽自動車プロジェクト
5.共同開発における知財の扱い
6.ルノーと日産自動車の特許ポートフォリオ
7.ルノーの事業再編
【コラム】外資系サッカークラブ
第7章 ルノー・日産連合とダイムラーの提携
1.短期間でシナジー効果を狙う
2.「ルノー」と「スマート」
3.「メルセデス・ベンツ」と「インフィニティ」
4.小型ガソリンエンジンの共同開発
【コラム】メルセデス・ベンツ博物館
第8章 ブランドを支える商標
1.商標の識別力
2.特許にはない商標の面白さ
3.クルマの電動化・知能化と商標
4.「iPad」商標を巡る訴訟
5.マーチャンダイジングビジネス
【コラム】バルセロナの思い出
第9章 標準化と特許
1.なぜ標準化が重要か?
2.標準規格における特許の扱い
3.SEPライセンスの問題
4.標準と特許を賢く使う
【コラム】スポーツのルール改正
第10章 コネクテッドカーとSEP
1.コネクテッドカーを巡る異業種間ライセンス交渉
2.「アバンシ」の誕生
3.SEP保有者と自動車メーカーの交渉の顛末
【コラム】SEPと環境技術の共通点
第11章 SDV(ソフトウエア・ディファインド・ヴィークル)
1.クルマのスマホ化
2.OTAによるソフトウエアのアップデート
3.車載ECUとソフトウエア
4.ソフトウエアと知的財産
【コラム】「秘伝のタレ」と「ウイスキーの水割り」で知財を語る
第12章 自動車メーカーの行方
1.ICE時代のパートナーシップ
2.変化に最も適応したものが生き残る?
3.CASEを実現するソフトウエア
4.EVの普及に必要なこと
5.グローカリゼーションとパートナーシップ
【コラム】「憧れるのをやめましょう」
参考文献
おわりに
著者紹介
奥付