- 発売日
- 2020年01月20日
- 出版社
- 青林書院
- 編著等
- 山口斉昭、峯川浩子、越後純子、石井麦生
実務においては医療安全や事故調査、再発防止等を意識し、医療と法の相互理解へと向かうような取組みが訴訟や紛争解決等の現場にも生かされつつあること、判例においては単に患者の傷病を治療するだけでなくその意向や具体的な状況に配慮する医療者を意識した理論、結果にかかわらず、その過程において、当時の医療の水準を基に最善を尽くすべき医療者を意識した理論が見られるようになっていること――このように状況が大きく変化しつつある医療事故の法律問題に関し、実務上及び理論上の重要な論点を具体的な問題の解決に役立つように解説!
目次
表紙
はしがき
凡例
編著者・執筆者紹介
目次
第1章 医療事故理論の概要
Q1 医療事故の概念
解説
Q2 医師患者関係・医師・医療機関の義務と責任
解説
Q3 医療事故・医療訴訟の議論の現状
解説
Q4 患者の権利法・医療基本法に関する議論
解説
第2章 医療者の責任の概要及び判例理論
第1節 概要
Q5 医療者の責任の要件・特徴及び医療事故判例理論の概要
解説
第2節 注意義務・過失・医療水準・ガイドライン
Q6 判例上問題となる医療者の注意義務の種類
解説
Q7 医療水準について
解説
Q8 ガイドラインと医師の注意義務
解説
第3節 因果関係論から法益論へ
Q9 因果関係と「高度の蓋然性」
解説
Q10 結果との間に因果関係が認められない場合「相当程度の可能性」
解説
Q11 判例の認める被侵害法益について
解説
第3章 医療事故の各場面における法律相談
第1節 診断に関して
Q12 診断の誤り,遅延の場合の責任
解説
第2節 医原病等の発症に関して
Q13 医療行為によって疾患,症状が増悪した場合の責任
解説
第3節 治療に関して
Q14 ハイリスク治療,先進医療,未確立,実験的治療について
解説
Q15 治験
解説
Q16 治療方法の選択と医師の裁量
解説
Q17 転医義務
解説
Q18 患者の自己決定権
解説
第4節 療養,病院管理について
Q19 転倒・転落事故
解説
Q20 モニターの監視義務
解説
Q21 誤嚥事故
解説
Q22 褥瘡の予防・処置
解説
第5節 説明について
Q23 同意や自己決定のための説明とその内容
解説
Q24 顚末報告義務・死因究明義務
解説
Q25 患者を帰宅させる際の説明
解説
Q26 医師が行った説明によって生じた損害
解説
第6節 複数の関係者の事故
Q27 チーム医療
解説
第7節 患者側の協力義務について
Q28 患者の協力義務
解説
第4章 個別分野・紛争の多い類型についての法律相談
Q29 医薬品投与による事故
解説
Q30 出産事故
解説
Q31 乳児のケアと医療事故
解説
Q32 がん診療に関する訴訟の特徴
解説
Q33 介護施設における医療処置と過失の判断枠組み
解説
Q34 精神科医療の特殊性
解説
Q35 精神疾患患者の自殺
解説
Q36 歯科医療事故
解説
Q37 インプラント事故
解説
Q38 美容整形の特殊性
解説
Q39 レーシック治療
解説
Q40 再生医療,細胞治療,遺伝子治療について
解説
Q41 不妊治療や胎児診断,遺伝相談,避妊治療に関する訴訟
解説
Q42 肺塞栓
解説
第5章 紛争解決の実務――法律相談から訴訟まで
第1節 法律相談
Q43 法律相談
解説
第2節 調査
Q44 調査
解説
Q45 診療記録の入手
解説
Q46 診療記録の分析・検討と専門知識の獲得
解説
Q47 院内調査への対応
解説
Q48 判例等の調査
解説
Q49 調査の終了と方針の決定
解説
第3節 訴訟前の交渉・補償
Q50 交渉・ADR
解説
Q51 補償制度
解説
第4節 訴訟
Q52 損害賠償請求訴訟
解説
Q53 訴訟提起の期限
解説
Q54 提訴
解説
Q55 証拠
解説
Q56 争点整理
解説
Q57 証人尋問・当事者尋問
解説
Q58 鑑定
解説
Q59 和解
解説
Q60 控訴
解説
キーワード索引
判例索引
奥付