- 発売日
- 2023年08月30日
- 出版社
- 日本評論社
- 編著等
- 中村秀雄
実際の契約書からとられた例文を材料にして、英文法・作文法の見地から再考し、読みやすい国際契約書を作成するためのヒントを示す。
目次
表紙
はじめに
参考文献
目次
第1章 主語
1.契約書の文章に主語は必要なのか
2.実際の契約書の例
3.何を主語にすればよいのか
⑴ 主語は当事者にする
⑵ 主語は原則として義務者とする
⑶ 主語は時には権利者であることもある
⑷ 人以外の「モノ」「こと」を主語にする場合
⑸ 人か、「モノ」「こと」のどちらを主語にしてもよいこともある
⑹ 否定語が付いた語を主語に用いる
⑺ there を文頭に置く場合
⑻ 隠れた主語
第2章 動詞
1.当事者が何をするかが動詞を決める
① 売買契約
② 代理店契約
③ ライセンス契約
④ 役務提供契約
⑤ ローン契約
⑥ 企業買収契約
2.一般条項に使われる動詞
① 補償する:Indemnify
② 解除する:Terminate
③ 不可抗力(Force Majeure)条項において使われる動詞
④ 契約を譲渡する:Assign
⑤ 条項を分離する:Sever
⑥ 契約を修正する:Amend
⑦ 言語(Language)条項において使われる動詞
⑧ 見出(Captions, Headings)条項において使われる動詞
⑨ 通知(Notice)条項において使われる動詞
⑩ 準拠法(Governing Law, Choice of Law)条項において使われる動詞
⑪ 裁判管轄(Jurisdiction)条項において使われる動詞
⑫ 仲裁(Arbitration)条項において使われる動詞
⑬ 完全なる契約(Entire Agreement)条項において使われる動詞
3.能動態と受動態
⑴ 権利や義務を明確にする能動態
⑵ 受動態でも構わない場合
4 .原形の動詞の使用――Subjunctive
① declare
② demand
③ insist
④ propose
⑤ require
第3章 助動詞
1.助動詞の働き
2.‘shall’ の用法
⑴ 人が主語のとき―‘shall’ は「義務」を表す
⑵ 「モノ」「こと」が主語のとき―‘shall’ は「指示」を表す
⑶ 規則を「宣言」するための‘shall’
⑷ ‘shall not’ は何を意味するか
⑸ 一考する余地のある‘shall’ の用例
3.‘will’ の用法
⑴ ‘shall’ と同じ意味での‘will’
⑵ ‘will’ と‘shall’ の混用
⑶ ‘shall’ とは異なる‘will’ 独自の用法
4.‘must’ の用法
⑴ 「義務」を表す‘must’
⑵ 「必要」を表す‘must’
⑶ ‘must’ の使用方法に検討の余地のある場合
5.‘should’ の用法
⑴ 契約書では‘should’ を「義務」の意味で使わない
⑵ ‘should’ を使うことができる場合
6.‘may’ の用法
⑴ 権利の‘may’
⑵ 権利の‘may’ の代用表現としての‘be entitled to’ など
⑶ 裁量・許可の‘may’
⑷ 未来の‘may’
⑸ ‘may not’ は禁止を表す
⑹ 「権利」の‘may’ の否定は‘may not’ ではなく‘is not entitled to’
⑺ ‘may’ の方がよい例、‘may’ を使う必要のない例
7.契約書における‘can’
① 人に付く‘can’
② 「モノ」「こと」に付く‘can’
③ 状況を説明する文章の中での‘can’
8.契約書における‘do’
9.助動詞を使う必要のない場合
① 定義:Definitions
② 所有権、危険負担の移転:Pass, Transfer
③ 表明と保証:Representations and Warranties
④ 品質保証:Warranty, Guarantee
⑤ 補償:Indemnity
⑥ 宣言⑴―準拠法条項:Governing Law
⑦ 宣言⑵―契約期間:Term
⑧ 宣言⑶―権利・義務の放棄:Waiver
⑨ 宣言⑷―一部の条項の存続:Survival
⑩ 事実、状況を伝える動詞
⑪ 茲ここ許もと:Hereby
10.副詞節の中の助動詞
第4章 副詞
1.契約書における副詞の役割――本当に必要なのか
⑴ 必要のない副詞
⑵ 必要な副詞
2.契約書に頻繁に出てくる副詞
① accurately:「正確に」「きちんと」
② actively:「積極的に」「能動的に」
③ actually:「実際に」「現実に」
④ adversely:「不利に」「不都合に」
⑤ automatically:「自動的に」「特にほかに手続をとることなく」
⑥ commercially:「商業的に」「商売として」
⑦ commonly:「しばしば」「大抵は」「広く」
⑧ conclusively:「疑義なく」「結論として」
⑨ concurrently:「同時に」「並行して」
⑩ consistently:「一貫して」「継続的に」
⑪ constantly:「常に」「繰り返して」
⑫ diligently:「勤勉に」「たゆみなく」
⑬ directly/indirectly:「直接的に」/「間接的に」
⑭ duly/unduly:「 適時に」「正当に」「合法的に」「適切に」/「必要以上に」「受容可能な限度を超えて」「不合理に」
⑮ effectively:「 効果的に」「能率よく」または「意図は別として、現実には」「理論上そうではないとしても、事実として」
⑯ equally:「等しく」「平等に」
⑰ exclusively:「専ら」「他を排除して」「排他的に」
⑱ explicitly:「明示的に」「はっきりと」
⑲ expressly:「はっきりと」「明示的に」または「特別の目的のために」
⑳ fully:「できる限り多く」または「全面的に」「完全に」
㉑ immediately:「直ちに」「即座に」
㉒ independently:「独立して」「自分自身で」
㉓ irrevocably:「取消不能に」
㉔ knowingly:「知って」「わかって」「知りながら」
㉕ materially:「著しく」「目立つほどに」
㉖ negatively:「消極的に」「否定的に」
㉗ presently:「今現在」「現況では」
㉘ previously:「……の時より前に」
㉙ promptly:「迅速に」「速やかに」
㉚ properly:「適正に」「適切に」「適法に」
㉛ purportedly
㉜ re asonably/unreasonably:「理にかなって」「合理的に」「満足のいくように」「正当に」/「理にかなわない」「不合理に」「満足のいかない」「不当に」
㉝ respectively:「各々」「それぞれ」
㉞ separately:「分離して」
㊱ solely:「専ら」「他の人、モノの関与なく、1 人、または1 つで」
㊲ specifically:「特記して」「はっきりと」
㊳ strictly:「厳格に」「完全に」
㊴ subsequently:「その後に」
㊵ substantially:「実質的に」
㊶ timely:「適時に」「支払日に」
㊷ unanimously:「全員一致で」
㊸ validly:「有効に」「適法に」
第5章 仮定したり、条件設定をする表現
1.仮定の表現
2.契約書におけるif の文法的着眼点
3.現実の契約書中の仮定文言
4.仮定を表すunless
5.unless を使った決まり文句
⑴ unless otherwise
⑵ unless and until
6.仮定するその他の表現
⑴ in the event
⑵ on condition that
7.条件を設定する表現
⑴ provided that, providing that
⑵ as long as, so long as
8 .ただし書を導く表現―provided that, providing that
9 .「とき」と「時」―if とwhen の使い分け
⑴ 正しく使い分けられている例
⑵ 不適切な例
⑶ ‘if’ と‘when’ の両方の要素が含まれている場合
⑷ ‘if’ と‘when’ に代わる‘where’
索引(和文)
索引(英文)
奥付