- 発売日
- 2020年02月20日
- 出版社
- 中央経済社
- 編著等
- 後藤茂之
企業経営にいかに気候変動を取り込むか?国際論議の動向や関連する規制・コード・ガイダンスを整理し、ガバナンスや経営管理等を中心に企業がどのように対応すべきかを詳解。
目次
表紙
はしがき
CONTENTS
第Ⅰ章/気候変動に関連する国際論議と今後の方向性
1 国際会議のレビュー
1 気候変動と人為起源の温室効果ガス排出の論議
2 持続可能な開発と環境保全の論議
3 国際論議を困難にした要因
4 温暖化の影響と2℃目標の意味
2 気候変動のメカニズムと緩和策・適応策
1 気候変動の特徴
2 温暖化のメカニズム
3 気候モデルの特徴と進化
4 緩和策と適応策
5 国家による取組み
3 地球環境問題と企業活動
1 温暖化と企業活動
2 金融・保険市場への影響
4 自然資本の認識と評価の実施
1 自然資本に注目する理由
2 外部経済の問題
3 自然資本会計の検討
4 自然資本の評価の試み
5 経営管理情報としての非財務情報
6 非財務情報の開示
第Ⅱ章/グリーンファイナンス市場の整備
1 気候変動とインフラ投資,資金調達
1 グリーンファイナンス市場発展の必要性
2 炭素価格の論議
3 企業による資金調達ニーズ
4 グリーンファイナンス市場の発展
2 グリーンボンド発行のプロセスと留意すべきポイント
1 調達資金の充当対象プロジェクトの範囲の検討
2 グリーンプロジェクト評価・選定プロセスの検討
3 グリーンボンドによる調達資金の追跡管理
4 環境改善効果の算定,レポーティング
3 証券取引所の取組み
1 欧州の証券取引所におけるグリーンボンドの発行
2 ロンドン証券取引所のESG 情報開示ガイダンス
3 ナスダックのESG 情報開示に係る任意ガイドライン
4 香港証券取引所のESG 情報開示義務化案
第Ⅲ章/気候変動のインテグレーションのための基本事項の整理
1 ERMの補強
1 マインドセットの転換
2 ERMの枠組みに気候変動を取り込むための基本事項の整理
3 自然資本への影響分析
2 気候変動リスクをインテグレートするための準備
1 気候変動リスクへのアプローチ
2 自然資本を意識した影響の検討
3 気候変動リスクと事業との関係性
1 気候変動によって引き起こされるリスク
2 事業の特性と気候変動リスク
4 短・中期戦略と超長期戦略のすり合わせ
1 2段階アプローチ
2 Zoom out/Zoom in アプローチ
3 フォワードルッキングとバック・キャスティングアプローチ
5 マクロ情報とミクロ情報の連環
1 全球的リスク情報の企業管理への取込み
2 マクロ気候変動モデルによる分析
3 ミクロ的リスク管理との連動
6 総合的知見の活用
1 気候変動情報の活用
2 年金運用での取組み
3 2℃目標への連動管理
第Ⅳ章/気候変動と「リスクの特定」
1 気候変動の不確実性と社会経済経路シナリオ
1 不確実性対応に必要な視点
2 シナリオ分析の意味と不確実性
3 シナリオ分析の進め方とERM における位置づけ
2 気候変動のモデル化の意義とERM 体系との関連づけ
1 気候変動予測とは
2 気候変動のモデル化
3 将来シナリオの考え方とモデルの変遷
4 SSP に基づくシナリオの意味
3 緩和策・適応策と事業への影響の確認
1 緩和策・適応策とリスクの特定
2 IPCC での議論における知見
第Ⅴ章/気候変動と「リスクの評価」
1 リスク評価の意義
1 リスク評価と管理
2 リスク管理におけるリスク評価の意義
2 シナリオからインパクト分析への連動
1 監督当局のストレステスト
2 シナリオ分析からリスク管理へ
3 自然災害モデルの活用
4 ストレステストへの対応
5 モデルの妥当性
6 モデルの利用上の留意点
3 利用可能なデータ・ツール
1 各種データ・ツールの特徴
2 データ・ツールを活用する枠組み
4 金融機関による環境社会配慮確認
(1)スクリーニング
(2)環境レビュー
(3)モニタリング
第Ⅵ章/気候変動と「リスク処理」
1 企業戦略,リスク処理
1 長期戦略の検討
2 各種ワーキンググループにおける検討
3 各社の対応の特徴
2 一般事業会社の取組み
1 一般事業会社におけるERM
2 一般事業会社における気候変動リスク―TCFDの取組み
3 長期事業戦略の必要性
4 事例検討
3 機関投資家の取組み
1 ESG投融資の推進
2 気候変動のリスクのESG 投融資への反映
3 先進的な欧州企業の事例―石炭ダイベストメント
4 気候変動に関する投資の今後
5 国連環境金融イニシアティブ投資ワーキンググループにおける取組み
4 銀行の取組み
1 気候変動リスクに係る金融当局ネットワークにおける取組み
2 責任銀行原則(Principles for Responsible Banking:PRB)
3 信用リスク管理における取組み
4 国連環境金融イニシアティブ銀行ワーキンググループにおける取組み
5 ボトムアップアプローチによる事例
6 外部信用格付会社における取組み
7 欧州の規制当局の信用格付に係る意見
8 投資ポートフォリオに対する気候変動リスクのストレステスト
5 保険会社の取組み
1 保険事業の特徴と気候変動
2 自然災害の現状と気候変動
3 英国市場の動きに見る気候変動に対する取組み
4 損害保険の引受リスク管理
5 生命保険,年金の引受リスク管理
6 リスク処理に関する新たな取組み
第Ⅶ章/気候変動と「モニタリング(リスクの検証と改善)」
1 TCFD提言とTCFDステータスレポート
1 TCFD提言
2 TCFDステータスレポート
3 TCFDステータスレポートに紹介されている企業の開示事例
2 SASBなど関連の動向
1 SASBとは
2 SASBスタンダードとは
3 SASBスタンダードの内容(例示)
4 SASBとTCFDなどの他のガイドラインとの関連性
3 開示の意義と課題
第Ⅷ章/経営環境の大きな変化への対応
1 ガバナンスの意義
1 コーポレートガバナンスの変遷
2 気候変動リスクの要素を戦略に組み込むためのガバナンス強化
3 気候変動というガバナンス上の新たな要素
2 気候変動とガバナンスの変化
1 ショートターミズム論議の混乱
2 機関投資家による外部ガバナンス
3 非財務情報の開示と外部ガバナンス
3 リスクカルチャーの醸成
1 ハードコントロールとソフトコントロール
2 リスクカルチャーの重要性
4 まとめ
《付録》関連する規制・コード・ガイダンス
1 世界
2 日本
3 欧州
4 米国
あとがき
執筆者紹介
奥付