BUSINESS LAWYERS LIBRARY

憲法裁判の法理

発売日
2022年10月28日
出版社
岩波書店
編著等
渡辺康行

芦部説に代表されるような、アメリカ憲法研究を基盤とする従来の憲法訴訟論とは異なるタイプの憲法訴訟論があることを示して、学界に刺激を与えてきた著者のこれまでの研究の営為を集成。ドイツ憲法学、法理論(「法の支配」論)、判例分析、裁判官論という四つの視角から、日本における憲法裁判の現状を多角的に考察する。

目次

表紙

目次

序章 本書の関心・考察方法

1 本書の関心

2 憲法判例への接し方

3 司法制度改革と最高裁の変化

第1部 ドイツにおける憲法裁判権

第1章 ドイツ連邦憲法裁判所とドイツの憲法政治

Ⅰ はじめに

Ⅱ 憲法裁判権の歴史

Ⅲ 連邦憲法裁判所の成立

Ⅳ 連邦憲法裁判所と政治部門

Ⅴ 連邦憲法裁判所と専門裁判所

Ⅵ 結びに代えて

第2章 裁判官による法継続形成とその限界――ソラヤ決定

Ⅰ 事実の概要

Ⅱ 決定の要旨

Ⅲ 解説

第2章〔補論〕裁判判決の恣意および裁判の法と法律への拘束――連邦弁護士手数料法事件決定

Ⅰ 事実の概要

Ⅱ 決定の要旨

Ⅲ 解説

第3章 ドイツ連邦憲法裁判所研究・拾遺

Ⅰ 書評①

Ⅱ 書評②

Ⅲ 書評③

【追記】

Ⅳ 書評④

第2部 法の支配と司法権

第1章 「法の支配」の立憲主義的保障は「裁判官の支配」を超えうるか――「法の支配」論争を読む

Ⅰ はじめに

Ⅱ 戦後憲法学における「法の支配」論

Ⅲ 京都派「法の支配」論

Ⅳ 「法の支配」論争

Ⅴ 結びに代えて

第2章 司法審査の対象と限界――富山大学判決を読み直す

Ⅰ はじめに

Ⅱ 富山大学判決を支える鍵概念

Ⅲ 富山大学判決が判断しなかったこと

Ⅳ 結び

第2章〔補論〕政党の内部自治と司法審査――共産党袴田事件判決

Ⅰ 事実の概要

Ⅱ 判旨

Ⅲ 解説

第3章 団体の内部自治と司法審査――地方議会を中心として

Ⅰ はじめに

Ⅱ 判例における「部分社会」論

Ⅲ 宗教団体と司法審査

Ⅳ 地方議会の内部自治と司法審査

Ⅴ 結びに代えて

第3章〔補論1〕地方議会の自律的権能と司法審査――岩沼市市議会議員出席停止処分事件大法廷判決を機縁として

Ⅰ はじめに

Ⅱ 法律上の争訟

Ⅲ 司法権の外在的制約

Ⅳ 地方議会における「議員活動の自由」に関する近年の判例・裁判例の再読

Ⅴ 地方議会における懲罰,措置などに対する判例・裁判例の再読

Ⅵ 結びに代えて

第3章〔補論2〕地方議会議員に対する出席停止の懲罰と司法審査

Ⅰ 事実の概要

Ⅱ 判旨

Ⅲ 解説

第4章 「裁判官の市民的自由」と「司法に対する国民の信頼」の間――裁判官の分限事件から考える

Ⅰ はじめに

Ⅱ 裁判官の弾劾と分限

Ⅲ 寺西判事補事件決定

Ⅳ 古川判事事件決定

Ⅴ 岡口判事事件決定

Ⅵ 結びに代えて

【追記】

第4章〔補論〕裁判官弾劾制度少考――岡口基一裁判官の訴追を契機として

Ⅰ はじめに

Ⅱ 「司法に対する国民の信頼」と「裁判官個人に対する国民の信頼」との関係

Ⅲ 「司法権の独立」「裁判官の市民的自由」と弾劾裁判との関係

Ⅳ 今後の展望

第3部 憲法訴訟

第1章 広島市暴走族追放条例事件判決の基礎的考察――その二つの正当化審査について

Ⅰ はじめに

Ⅱ 合憲限定解釈に関する判例法理

Ⅲ 「明確性(漠然性のゆえに無効)の理論」と「過度の広汎性の理論」

Ⅳ 「法文の明確性」と「解釈の明確性」

Ⅴ 合憲限定解釈の要件と広島市暴走族追放条例事件判決

Ⅵ 表現・集会の自由に対する制約の実質的正当化審査に関する判例法理

Ⅶ 判例における比較衡量論と広島市暴走族追放条例事件判決

Ⅷ 結びに代えて

第2章 憲法訴訟の現状――「ピアノ判決」と「暴走族判決」を素材として

Ⅰ はじめに

Ⅱ 三段階審査

Ⅲ 猿払事件判決

Ⅳ 正当化審査

Ⅴ 結び

第2章〔補論〕国公法違反事件上告審判決に向けて――猿払基準の行方

Ⅰ はじめに

Ⅱ 猿払基準の基礎づけ

Ⅲ 立法目的の正当性,立法目的と禁止される行為との合理的関連性の審査

Ⅳ 利益の均衡

Ⅴ 判例状況の検討からの示唆

Ⅵ 結びに代えて

【追記】

第3章 合憲判断の方法――合憲限定解釈と憲法適合的解釈

Ⅰ はじめに

Ⅱ 合憲限定解釈

Ⅲ 憲法適合的解釈

Ⅳ 通常の限定解釈

Ⅴ 結びに代えて

第4章 憲法判例における比較衡量論――その歴史と現在

Ⅰ はじめに

Ⅱ 公務員の労働基本権――比較衡量論の登場

Ⅲ 公務員の政治的行為――猿払事件判決という変異

Ⅳ 経済的自由権――比較衡量論と立法裁量論の再結合

Ⅴ 表現・集会の自由――比較衡量論判例の本流とその幅

Ⅵ 判例法理の再検討

Ⅶ 結びに代えて

第4部 裁判官

第1章 最高裁判所判事としての団藤重光――「リベラルなタカ」の挫折と価値

Ⅰ はじめに

Ⅱ 実践の法理

Ⅲ 二つの代表的反対意見

Ⅳ 学者と裁判官

Ⅴ 最高裁判事としての前期と後期

Ⅵ 多数意見の主導

Ⅶ 結びに代えて

第2章 最高裁判所判事としての藤田宙靖――憲法事件における「適正な紛争解決」とは

Ⅰ はじめに

Ⅱ 「適正な紛争解決」

Ⅲ 両院の議員選挙における「一票の較差」訴訟

Ⅳ 「一票の較差」訴訟における藤田個別意見の多数意見への影響力

Ⅴ 他の憲法事件における藤田個別意見・管見

Ⅵ 結びに代えて

第3章 最高裁裁判官と「司法部の立ち位置」――千葉勝美裁判官の違憲審査観

Ⅰ はじめに

Ⅱ 自由権規制立法に関する違憲審査の手法

Ⅲ 平等原則適合性に関する審査手法

Ⅳ 「一票の較差」訴訟と「司法部と立法府とのキャッチボール」

Ⅴ 結びに代えて

第3章〔補論〕裁判官研究・拾遺《書評》『現代日本の司法――「司法制度改革」以降の人と制度』

1 共同研究

2 総論・各法分野と司法

3 政策形成訴訟・司法の国民的基盤

4 弁護士(像)の変化・変わりつつある東アジアの司法

5 「司法部の立ち位置」論

6 意義と期待

終章 裁判官の「積極的な政治運動」と国家公務員の「政治的行為」

1 法制度の比較

2 寺西判事補事件決定による両者の違いの説明

3 猿払事件判決と寺西判事補事件決定

4 寺西判事補事件決定と堀越事件判決

5 個別的判断なのか

初出・原題一覧

あとがき

判例索引

奥付

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