- 発売日
- 2023年09月01日
- 出版社
- 学陽書房
- 編著等
- 京野 哲也、中川 佳男、岡 直幸、沖田 翼
本書は、弁護士と依頼者とのコミュニケーションにスポットを当て、実務で直面する「困った場面」や「特に丁寧な対応が求められる場面」をピックアップし、弁護士の聞き方・伝え方・受け止め方を解説しています。各場面について、依頼者の不満が溜まってしまう「通常の対応例」と、依頼者の気持ちをしっかり受け止めた上で、スムーズに誘導する「工夫例」を徹底比較。いつもの聞き方・伝え方を少し変えて、良好な関係の構築を!
目次
表紙
はしがき
CONTENTS
第1編 この場面ではこう話す状況別にみる依頼者対応
第1章 依頼者と出会う場面
例 1-1 相談者とファーストコンタクトの場面で
例 1-2 相談者が緊張してなかなか話し出せないとき
例 1-3 相談の主題は何かを知りたいとき
例 1-4 相談者に話を始めてほしいとき
例 1-5 相談内容が難しいときの相づちの打ち方
例 1-6 相談者が「先生」と言いにくそうにしているとき
例 1-7 「時間は十分ありますか?」と言われたとき(1)
例 1-8 「時間は十分ありますか?」と言われたとき(2)
例 1-9 「お若いですね。弁護士何年目ですか?」と言われたとき
例 1-10 予約電話で法律相談時の第三者の同席を求められたとき
例 1-11 法律相談に相談者が第三者と共に来所したとき(1)
例 1-12 法律相談に相談者が第三者と共に来所したとき(2)
例 1-13 「録音させてほしい」 と言われたとき
例 1-14 弁護士の知識不足で自信がないとき
例 1-15 「生き死に」に関わる相続相談のとき(聞き取る場面)
例 1-16 相談者の話を遮りたいとき(聞き取る場面で)
例 1-17 「被告」「尋問」という言葉の使用を避けたいとき
例 1-18 相談者に繰り返しての説明が必要なとき
例 1-19 依頼者の内面に踏み込む質問をするとき
第2章 依頼者の気持ちを受け止める場面
例 2-1 相談者が弁護士に相談することに違和感を持っているとき
例 2-2 相談者が過度に心配しているとき
例 2-3 「絶対大丈夫ですよね」と言われたとき
例 2-4 相談者が自分で決められないとき
例 2-5 相談者が本当のことを隠しているとき
例 2-6 「泣き寝入りじゃないですか」と言われたとき
例 2-7 「1億円請求してほしい」と言われたとき
例 2-8 深刻な事件でとにかく聞くしかないとき
例 2-9 法的な対処が困難なとき
例 2-10 「相手のいいなりじゃないですか」と言われたとき
例 2-11 依頼者に不利な事実を確認するとき(1)
例 2-12 依頼者に不利な事実を確認するとき(2)
例 2-13 依頼者に注意しなければならないとき
例 2-14 依頼者が隠していた事実が発覚したとき(1)
例 2-15 依頼者が隠していた事実が発覚したとき(2)
例 2-16 調停委員が依頼者を説得しようとしているとき
例 2-17 依頼者が相手を「ぶん殴ってやりたい」と言うとき
例 2-18 「生き死に」の発言が出たとき
例 2-19 「生き死に」の発言が深刻なものか分からないとき
第3章 依頼者を力付ける場面
1 関係性が乏しい場合
例 3-1-1 「和解したくない」と言われたとき
例 3-1-2 相談者がなかなか提訴に踏み切れないとき(1)
例 3-1-3 相談者がなかなか提訴に踏み切れないとき(2)
2 既に関係性ができている場合
例 3-2-1 依頼者が「もううまくいかない」と悲観するとき
例 3-2-2 依頼者が仮定に仮定を重ねる質問をするとき
例 3-2-3 関係のある依頼者を久々に事務所に迎えるとき
例 3-2-4 依頼者に改めて行動をお願いするとき
第4章 依頼者が「変わる」ことを助ける場面
1 関係性が乏しい場合
例 4-1-1 依頼者の考えを変えたいとき(リフレーミング)
例 4-1-2 依頼者に「社会正義に反する」と言われたとき
例 4-1-3 依頼者が虚偽主張を要望するとき
例 4-1-4 「相手の親に請求してほしい」と言われたとき
例 4-1-5 「結果は何でもいいからお願いします」と言われたとき
例 4-1-6 依頼者が一々指示してくるとき
例 4-1-7 依頼者が裁判所に対し、怒り、不安に思っているとき
例 4-1-8 「 私と相手とどっちが悪いんですか」と言われたとき
2 既に関係性ができている場合
例 4-2-1 依頼者が真実の一部を隠そうとするとき
例 4-2-2 依頼者が有利な調停案に納得してくれないとき
例 4-2-3 依頼者が「私はどうせダメなんです」と悲観するとき
例 4-2-4 依頼者が違法行為をすると主張するとき
例 4-2-5 依頼者が嫌がらせ目的の要求をするとき
例 4-2-6 依頼者がどうしても不安になってしまうとき
例 4-2-7 「勝てますよね?」と言われたとき
例 4-2-8 「借りてる方が強い」と怒る依頼者の考えを変えたいとき
例 4-2-9 依頼者を勝ち負けの「二者択一」から変化させたいとき
例 4-2-10 プライドの高い依頼者に納得してもらいたいとき
例 4-2-11 依頼者の視点を逆にしてみたいとき
第5章 依頼者から静かに撤退する場面
1 相談だけで終了するケース
例 5-1-1 見解を述べて終了するとき
2 受任を謝絶するケース
例 5-2-1 謝絶する場合で弁護士を紹介するとき
例 5-2-2 弁護士が謝絶するかどうかを迷っているとき
例 5-2-3 相談者が同調できない意見に固執するとき
例 5-2-4 証拠の乏しい案件の受任を謝絶するとき
例 5-2-5 心療内科などの専門家への受診を勧めるとき
例 5-2-6 支配的な依頼者の受任を謝絶するとき
3 受任後に辞任するケース
例 5-3-1 事件処理の方針について意見が一致しないとき
例 5-3-2 依頼者が虚偽の証拠を使用しようとするとき
4 特別なやりとり
例 5-4-1 説得のために、少しキザなことを言うか迷ったとき
例 5-4-2 弁護士自身に逆転移が生じたとき
例 5-4-3 答えようのない問いを受けたとき
例 5-4-4 案件が成功裏に終わったとき
第2編 困った場面に応用できる抽出したスキルの再構成
第1章 信頼関係構築と受け止めて聞くスキル
スキル 1-1 再構成したスキルの概観
スキル 1-2 実践上の5つのポイント
スキル 1-3 クライアントへの初期対応
スキル 1-4 受け止める・共感する
スキル 1-5 聞く
スキル 1-6 聞く「作業」
第2章 クライアントを動かすスキル
スキル 2-1 不安に対応する(力付ける)
スキル 2-2 提案・納得してもらう
スキル 2-3 「問う」
スキル 2-4 言い方
スキル 2-5 外部化・視覚化する
スキル 2-6 「変わる」を支援する
第3章 弁護士自身と状況をマネジメントするスキル
スキル 3-1 自分のトリセツ─マネジメントモード
スキル 3-2 法律相談特有の事項
スキル 3-3 法務専門職の機能
あとがき
参考文献
索引
奥付