- 発売日
- 2022年10月04日
- 出版社
- 弘文堂
- 編著等
- 郭舜
今日、我々が生きる「グローバルな法秩序」の要としての国際法。「国際法は何か」という古く論争的な問いは、法固有の正統性原理と接続され、法実践のうちへと投げ返される。グローバルな法の支配の構想を切り拓く哲学的探究の軌跡。
目次
表紙
目次
初出一覧
序
1 奇妙な法
2 国際法の縁遠さ
3 国際法という実践的問い
4 国際法の哲学
5 本書の構成
第1章 グローバルな法秩序の中の国際法と国内法
Ⅰ はじめに―現れつつあるグローバルな法秩序
Ⅱ グローバルな法定立と国際法
1 国際法定立過程の構造変化
2 〈法秩序のグローバルな再編成〉の論理と構造
Ⅲ 〈法秩序のグローバルな再編成〉のもたらす危険
1 ナショナルな政治共同体
2 民主主義
3 法の支配
Ⅳ グローバルな法の支配の対話的基礎
第2章 「国際法は法か」という問いについての問い
Ⅰ はじめに―分析視角の設定
1 なぜこの問いか
2 問いの意味
3 三つのアプローチ
Ⅱ 理念化アプローチ
1 ジョン・オースティン
2 ハンス・ケルゼン
Ⅲ 現象記述アプローチ
1 内的視点の必要性
2 単純な形態の社会の規則としての国際法
Ⅳ 国内法は法の典型例か
1 国際社会と国内社会の構造的相違
2 後れた法としての国際法
Ⅴ 現象記述の限界
1 認識的有用性
2 道徳的価値
Ⅵ 結論
第3章 国際法実践におけるグローバルな正義の追求
Ⅰ はじめに
1 国際法についての教義的問い
2 グローバルな原理としての正義
Ⅱ 国際法定立と正義
1 正義を論ずることの不可避性
2 政治の情況
3 法の支配の理念
4 国際社会における法の支配
Ⅲ 法解釈論とグローバルな正義
1 法実証主義
2 正義をめぐる問題と法実証主義的応答
3 残される問題
4 法実証主義は不可能か
Ⅳ 規範的主張としての法実証主義
1 規範性の相対化批判
2 法実証主義をとるべき理由
第4章 国際法の正統性
Ⅰ 国際法の法性(legality)問題の性質
1 法の社会学的記述と価値判断
2 国際法の正統性をめぐる問い
3 どの国際法か
Ⅱ 法が法であるための最低限の道徳性
1 不正な法
2 国際法の不正さ?
3 国際法の不正と国家の不正
Ⅲ 国際法の正統性を論ずべき理由
1 国家による強制力行使の根拠としての国際法
2 連帯責務の射程
3 緩和義務と著明性の原理
4 著明性の原理の限界
Ⅳ 国際法の正統性のいくつかの根拠
1 文際的正統性
2 国際法定立過程
3 法の定立・適用・執行主体
4 法の権威
Ⅴ 法の支配
1 一般化可能性
2 法内在道徳
3 法内在道徳は道徳か
4 法内在道徳の制度的含意
Ⅵ 個人基底的な〈自律の相互尊重〉原理に基づくグローバルな法の支配
1 相互行為的法概念と国際法
2 個人の地位
3 個人と国家
4 国際法の歴史的展開
Ⅶ 国際法の正統性の諸帰結
1 遵法義務
2 学的探究と実践
3 国際法は法か―問い続けることの価値
あとがき
参考文献
日本語文献
外国語文献
公文書等
国際・外国判例
事項・人名索引
著者紹介
奥付