- 発売日
- 2022年03月31日
- 出版社
- 法律文化社
- 編著等
- 松尾剛行、西村友海
AI・アジャイル案件に多数関与してきた実務経験をもとに、裁判例やモデル契約など最新動向に照らし、どうすればプロジェクトの失敗を防げるかを解説。システム開発の法解釈上の論点をおさえつつ、AI・アジャイル・パッケージ開発の失敗予防を指南。
目次
表紙
はしがき
目次
凡例
序論
1 はじめに
2 AIとその開発
2-1 はじめに
2-2 学習型
2-3 ルールベース型
2-4 本書の記述
3 情報システムとその開発
3-1 はじめに
3-2 ウォーターフォール型開発
3-3 アジャイル開発
3-4 パッケージ開発
4 システム開発の特徴
4-1 はじめに
4-2 二重の専門性
4-3 対象物の抽象性
5 ML型AIを利用したシステム開発
5-1 はじめに
5-2 ガイドライン
5-3 OIモデル
6 ルールベースAIを利用したシステムの開発-RPAを例に
7 トラブルとその原因
7-1 はじめに
7-2 システム開発一般のトラブル
7-3 AIを利用したシステム開発のトラブル
第1編 ウォーターフォールシステム開発法
第1章 システム開発の目的
1 「システム開発の目的」とは何か
1-1 システム開発の目的とは
1-2 システム開発の目的を論じる必要性
1-3 民法を踏まえた「システム開発の目的」
1-4 民法改正と「システム開発の目的」
2 「システム開発の目的」ではないもの-「投資案件の目的」
2-1 投資案件の目的とは何か
2-2 投資案件の目的がシステム開発の成功には重要な役割を果たすこと
2-3 投資案件の目的とシステム開発の目的が異なること
2-4 具体例
3 各フェーズの「システム開発の目的」の役割と投資案件の目的の果たす役割
3-1 契約フェーズ
3-2 プロジェクト遂行フェーズ
3-3 紛争解決フェーズ
4 「システム開発の目的」に関係する事項-As-Is型・To-Be型/BPR
4-1 As-Is型開発とTo-Be型開発
4-2 業務改革・BPR(Business Process Reengineering)
5 実務対応
5-1 契約フェーズ
5-2 プロジェクト遂行フェーズ
5-3 紛争解決フェーズ
第2章 協力義務/PM義務
1 総説:二重の専門性及びベンダの義務とユーザの義務
1-1 二重の専門性
1-2 ベンダの義務とユーザの義務
1-3 役割分担
1-4 協力義務・PM義務の法的位置づけ
1-5 民法改正の影響
2 協力義務/PM義務
2-1 前史
2-2 東京土建国保事件
2-3 協力義務
2-4 PM義務
2-5 両義務の関係性
3 協力義務/PM義務の内容
3-1 総論
3-2 フェーズごとの整理
4 役割分担
4-1 具体的な役割分担が決定的に重要であること
4-2 役割分担が決まっている場合
4-3 役割分担に存在しない業務
4-4 データ移行
4-5 マスタ整備
4-6 肩代わり
4-7 その他
5 義務違反の効果
5-1 ユーザの義務違反の効果
5-2 ベンダの義務違反の効果
5-3 双方に責任があることの意味
6 各論
6-1 仕様変更/追加開発要望の問題
6-2 ユーザの能力に鑑みた義務の変動
6-3 マルチベンダ方式プロジェクトにおけるユーザのPM義務とベンダの協力義務
6-4 引き継ぎ案件
6-5 提案とその拒絶
7 実務対応
7-1 契約フェーズ
7-2 プロジェクト遂行フェーズ
7-3 紛争解決フェーズ
第3章 完成/引渡し/納期遅延
1 総論
1-1 問題の所在
1-2 完成とは
1-3 引渡しとは
1-4 履行遅滞とは
2 完成の効果
2-1 問題の所在
2-2 旧民法における「完成」の効果
2-3 現行民法における「完成」の効果
3 「完成」の基準
3-1 旧民法下の議論
3-2 現行民法と完成
3-3 「完成」の対象
3-4 いくつかの例外
4 完成を推認させる諸事情
4-1 はじめに
4-2 検収
4-3 みなし検収
4-4 ユーザからベンダへの補正の依頼(補正要求)
4-5 次段階への移行
4-6 条件付検収
4-7 報酬支払
4-8 その他ベンダの行為
4-9 その他のユーザの態度
4-10 「真意ではなかった」との主張
5 引渡しと受領遅滞
5-1 引渡し
5-2 弁済の提供と受領遅滞
6 履行期(納期)
6-1 履行遅滞の基本
6-2 何が「履行期」であるか
6-3 履行期の合意の認定
6-4 履行期の変更
6-5 履行期が存在しない場合
7 帰責性
8 準委任
8-1 準委任と完成
8-2 準委任と業務期間の延伸
9 実務対応
9-1 契約フェーズ
9-2 プロジェクト遂行フェーズ
9-3 紛争解決フェーズ
第4章 機能・仕様/契約不適合(瑕疵)
1 はじめに
1-1 担保責任と民法改正
1-2 要件・機能・仕様
1-3 契約不適合責任の基礎
1-4 準委任について
2 仕様の確定プロセスと仕様の認定
2-1 なぜ仕様のトラブルが多いのか
2-2 仕様確定のプロセス
2-3 仕様の認定
2-4 「現行どおり」という仕様の合意方法について
2-5 仕様の変更
3 瑕疵(契約不適合)の認定
3-1 瑕疵(契約不適合)認定の一般論
3-2 バグ等と瑕疵(契約不適合)
3-3 その他の瑕疵(契約不適合)
3-4 仕様どおり/仕様誤り
3-5 瑕疵の認定に関するその他の問題
4 瑕疵/契約不適合が存在することの帰結
4-1 瑕疵担保責任/契約不適合責任の起点
4-2 帰責性・指図
4-3 除斥期間・消滅時効
4-4 修補請求権・追完請求権
4-5 損害賠償請求権
4-6 報酬減額請求権
4-7 同時履行の抗弁
4-8 解除
5 実務対応
5-1 契約フェーズ
5-2 プロジェクト遂行フェーズ
5-3 紛争解決フェーズ
第5章 解除
1 解除の基本
1-1 解除とは
1-2 請負と準委任
1-3 解除当事者
2 解除に関する基本的な概念
2-1 帰責事由
2-2 解除の意思表示
2-3 催告
2-4 現行法の解除要件
2-5 担保責任と解除
2-6 一部解除
2-7 解除に関する特約
3 催告による解除
3-1 旧法
3-2 現行法
4 無催告解除(催告によらない解除)
4-1 旧法
4-2 現行法
5 解除の原因
5-1 履行不能
5-2 履行遅滞
5-3 瑕疵担保責任/契約不適合責任による解除
5-4 民法641条による解除
5-5 信頼関係破壊
6 解除の効果
6-1 基本的効果=原状回復
6-2 解除の効力の限定
7 解除に関するその他の問題
7-1 解除自体が債務不履行/協力義務違反となる場合等
7-2 解除の意思表示の方法
7-3 時期の問題
7-4 信義則や権利濫用による解除制限
7-5 合意解除
8 準委任と解除(告知)
8-1 準委任では解除(告知)が将来効であること
8-2 任意解除
8-3 債務不履行解除
9 実務対応
9-1 契約フェーズ
9-2 プロジェクト遂行フェーズ
9-3 紛争解決フェーズ
第6章 損害
1 はじめに
1-1 旧法
1-2 現行法
1-3 損害と因果関係
2 因果関係
2-1 民法改正と損害賠償の範囲
2-2 因果関係のある損害が立証できることが極めて重要であること
2-3 因果関係の問題と帰責性の問題の交錯
2-4 民事訴訟法248条
3 システム開発と損害にかかる具体的問題
3-1 はじめに
3-2 主にベンダの損害として問題となる類型
3-3 主にユーザの損害として問題となる類型
3-4 いずれの当事者であるかに関係なく発生する費用
4 責任制限
4-1 はじめに
4-2 制限
4-3 個別契約か総額か
4-4 解釈
5 違約金
5-1 違約金
5-2 帰責性を不要とする特約
5-3 違約金の過大性
6 過失相殺・損害軽減義務
6-1 はじめに
6-2 協力義務違反にならない場合と過失相殺
6-3 有償調査の拒否
6-4 過失相殺に関する立証の問題
6-5 損害軽減義務
7 損害に関するその他の問題
7-1 不法行為
7-2 金銭債務不払いと損害
7-3 損益相殺
8 実務における損害の算定のポイント
8-1 総論
8-2 契約段階
8-3 プロジェクト遂行段階
8-4 トラブル対応段階
第7章 報酬
1 はじめに
1-1 旧法
1-2 現行法
1-3 実務上の報酬に関するポイントと本章の記述
2 報酬合意
2-1 はじめに
2-2 相当報酬
2-3 概算合意
3 報酬支払の条件
3-1 請負契約
3-2 顧客の承認
3-3 準委任
4 割合的報酬・出来高報酬
4-1 割合的報酬が認められる要件
4-2 割合報酬の計算方法
4-3 日割り
4-4 検収関係
5 危険負担
6 報酬に関するその他の問題
6-1 値引き等
6-2 不安の抗弁
6-3 損害賠償請求等による実質報酬請求
6-4 不法原因給付
7 実務上の留意点
7-1 契約段階
7-2 プロジェクト遂行
7-3 紛争
第8章 契約
1 契約の存否
1-1 はじめに
1-2 基本的な考え方
1-3 契約書
1-4 契約の存在を推認させる事情
1-5 契約の不存在を推認させる事情
1-6 その他の事情ないし問題
1-7 黙示合意
1-8 先行着手確認書(先行着手依頼書)
2 契約締結上の過失と商法512条
2-1 はじめに
2-2 商法512条
2-3 契約締結上の過失
3 契約の当事者
3-1 はじめに
3-2 個人か法人か
3-3 元請け・下請け関係
3-4 その他
4 契約の内容と解釈
4-1 はじめに
4-2 署名押印した契約どおりの合意が存在しないとの主張
4-3 契約書に記載のない内容
4-4 消費税
4-5 関連書類
5 契約の個数
5-1 はじめに
5-2 基本契約・個別契約・基本合意書
5-3 契約方法に関する争い
5-4 複数契約の場合の完成義務
5-5 複数契約と債務不履行
5-6 複数契約と別契約の解除の影響
5-7 複数契約と損害
5-8 複数契約と変更
6 契約の追加・変更と追加報酬
6-1 契約の変更
6-2 追加報酬
7 実務対応
7-1 契約段階
7-2 プロジェクト遂行段階
7-3 トラブル解決
第2編 AI開発・アジャイル開発・パッケージ開発等
第1章 AI開発
1 はじめに
1-1 AI開発の種類
1-2 AI開発の特徴
1-3 「失敗」リスクが高いこととその捉え方
1-4 IT戦略、データ戦略・AI戦略の観点
1-5 本書の叙述
2 ML型AI開発契約に関する諸問題
2-1 はじめに
2-2 AI開発契約のモデル
2-3 契約の方式について
2-4 契約の法的性質について
2-5 ML型AIにおける品質とその保証
2-6 ユーザとベンダの義務
2-7 変更可能性
3 ML型AI開発プロジェクト推進
3-1 AI開発の「目的と手段」
3-2 AI開発失敗の理由
3-3 従来型システム・非ML・ML・人の組み合わせ
3-4 運用による対応
3-5 運用の前提となるユーザの知見
3-6 相互協力
4 ML型AIを利用したシステムの開発に関する紛争とその解決
4-1 実務上のトラブルとその対策
4-2 協力義務、PM義務、善管注意義務、説明義務
4-3 完成・仕様と瑕疵・バグ
4-4 報酬
5 非ML型AIシステム(ルールベースAIシステム)
5-1 ルールベースAI
5-2 ルールベースAIシステム開発
第2章 アジャイル開発
1 はじめに
1-1 はじめに
1-2 アジャイル開発にまつわる契約と紛争
1-3 アジャイル開発の特徴
2 アジャイル開発契約に関する諸問題
2-1 はじめに
2-2 契約の方式について
2-3 契約の法的性質について
2-4 契約書にどこまでを盛り込むか
2-5 ユーザとベンダの義務
2-6 債務の履行
2-7 変更可能性
2-8 信頼関係
2-9 その他の留意事項
3 アジャイル開発紛争とその解決
3-1 はじめに
3-2 チェックポイントから浮かび上がるトラブルとその対策
3-3 協力義務とPM義務
3-4 仕様と瑕疵・バグ
3-5 債務不履行
3-6 追加報酬
3-7 納期の遅延と履行遅滞
3-8 プロジェクトの中止と報酬請求
3-9 まとめ
第3章 パッケージ開発
1 他の開発手法と比較したパッケージ開発の特徴
1-1 はじめに
1-2 「既製服」であること
1-3 適合率の重要性
1-4 パッケージ開発を選択すること自体が一種のリスクテイクであること
1-5 パッケージ開発の進め方
2 契約締結時の留意点
2-1 目的との関係
2-2 ベンダの義務
2-3 ユーザの義務
3 プロジェクト進捗時の留意点
3-1 ベンダの対応
3-2 ユーザの対応
3-3 役割分担
4 紛争対応
4-1 パッケージと仕様・瑕疵
4-2 PM/協力義務
おわりに
事項索引
判例索引
著者紹介
底本奥付
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