- 発売日
- 2020年10月27日
- 出版社
- 弘文堂
- 編著等
- 佃克彦
「個人情報」概念と「プライバシー」概念とが混同され、本来、保護されるべき領域を超えて肥大化する「プライバシー」。表現の自由とのバランスを図るために「プライバシー権」とは何かをあらためて問い直す必要に迫られています。また、いつでもどこでも誰でも簡単に写真撮影ができるようになり、人々の肖像やプライバシーに対する脅威が増大している時代でもあります。「名誉権」と同様に人格権として並び称される「プライバシー権」と「肖像権」に関わる法律上の諸問題を、最新かつ重要な判例や学説を盛り込んで、詳細に解説した決定版。
目次
表紙
はじめに
大目次
目次
第1編 プライバシー侵害の成立要件に関する諸問題
第1章─ 射程範囲
第1節 問題の所在
第2節 本書の進め方
第3節 プライバシーはなぜ保護されるべきなのか
第2章 ─ プライバシー概念に関する諸見解
第1節 ウォーレンとブランダイスのプライバシー権
第2節 プロッサーによるプライバシー権の整理
第3節 「宴のあと」事件判決の定義
第4節 情報コントロール権説
第5節 自己イメージのコントロール権説
第6節 社会的評価からの自由説
第7節 プライバシー概念不要説
第8節 竹田稔説
第9節 最高裁判例
第3章─ 下級審のプライバシー概念と要件の整理
第1節 定義
第2節 要件
第4章─ プライバシー権の定義・要件に関する私見
第1節 論点の整理
第2節 私見のまとめ
第5章─ プライバシー侵害の具体的事例
第1節 内容においてプライバシー侵害を構成するもの
第2節 プライバシー侵害の態様
第6章─ 名誉毀損との比較
第1節 法的性質(人格権としての性質の有無)
第2節 両者の関係
第3節 “公表” 要件の要否
第4節 論評による侵害
第5節 要件事実
第7章─ 隣接する権利
第1節 成りすまされない権利
第2節 氏名、出自、国籍を正しく認識してもらう権利
第3節 考察
第8章─ プライバシー感情
第9章─ プライバシー侵害の被害者側に関する諸問題
第1節 法人・団体のプライバシー
第2節 死者のプライバシー
第3節 著名人のプライバシー
第10章─ 情報提供者の責任
第11章─ 一旦公表された事実とプライバシー
第12章─ 時の経過とプライバシー
第1節 問題の所在
第2節 「逆転」事件判決の論理
第3節 「エロス+虐殺」事件の決定内容
第4節 この問題の考え方
第13章─ 論評によるプライバシー侵害
第14章─ 推測によるプライバシー侵害
第1節 問題の所在
第2節 私見
第15章─ 「公開」に関わる問題
第1節 「公開」性の要件の要否
第2節 「公開」該当性が問題となった事例
第16章─ 実名・匿名問題の新たな局面(京アニ事件を契機に)
第17章─ モデル小説によるプライバシー侵害
第1節 はじめに
第2節 問題の所在
第3節 先駆的事例──「宴のあと」事件
第4節 「名もなき道を」事件
第5節 「捜査一課長」事件
第6節 「石に泳ぐ魚」事件
第7節 モデル小説に関するその後の裁判例
第8節 小説にプライバシー侵害を認めることは小説表現の自由を侵害するか
第18章─ 管轄・準拠法
第1節 国際裁判管轄
第2節 準拠法
第3節 国内裁判管轄
第19章─ 要件事実
第2編 プライバシー侵害の効果論
第1章─ 損害賠償請求
第1節 はじめに
第2節 プライバシー侵害における「損害」
第3節 慰謝料
第4節 参考となる裁判例
第2章─ 謝罪広告その他の回復処分
第1節 問題の所在
第2節 判例
第3節 論点の整理と私見
第3章─ 放送法に基づく請求
第4章─ 事前差止め(侵害予防請求)
第1節 問題の所在
第2節 差止請求権の肯否(排他性の有無)
第3節 事前差止めの要件
第4節 裁判例以外の見解
第5節 事実の真実性の有無は差止めの要件に影響を与えるか
第6節 出版の前か後かは差止めの要件に影響を与えるか
第7節 私見
第8節 差止請求にあたり現実に記事が存在することを要するか
第5章─ 削除・撤去請求(侵害排除請求)
第1節 はじめに
第2節 削除の要件
第3節 撤去に関する裁判例
第4節 削除・撤去の要件
第3編 プライバシー侵害の免責要件に関する諸問題
第1章─ 表現の自由との調整の法理
第1節 問題の所在
第2節 最高裁判例
第3節 2003(平成15)年最判後の下級審の判断事例
第4節 定義的衡量を用いた事例
第5節 事実の真実性は免責要件か(免責要件に関する私見)
第6節 立証責任の転換
第7節 取材によるプライバシー侵害の場合の免責法理
第8節 取材行為の合法性の限界
第9節 表現の自由との調整の判断事例
第10節 記者発表した捜査当局の責任
第11節 公正な論評の法理
第2章─ 被害者の承諾
第1節 総論
第2節 裁判例
第3章─ 著名人の法理
第1節 概説
第2節 参考裁判例
第4章─ 訴訟行為における免責法理
第1節 総論
第2節 裁判例
第5章─ その他の正当行為
第6章─ 非表現行為事案における衡量の手法
第4編 肖像権侵害の成立要件に関する諸問題
第1章─ 肖像権の権利性
第1節 定義・法的性質
第2節 判例の状況
第3節 肖像権の類型
第4節 プライバシー権との関係
第2章─ 肖像権侵害の具体的事例
第1節 方法による分類
第2節 内容による分類
第3章─ 他の権利を侵害したとされた事例
第4章─ 写真を取り違えた場合
第1款 自分の写真を他人と取り違えられた場合
第2款 他人の写真を自分と取り違えられた場合
第5章─ 死者の肖像権
第1節 総論
第2節 敬愛追慕の情の侵害の判断例
第3節 遺体の肖像権
第6章─ 他人の所有物の撮影
第1節 初期の裁判例(気球事件)
第2節 最高裁判例
第3節 最高裁判決後の動きとまとめ
第7章─ パブリシティ権
第1節 はじめに
第2節 問題の所在の提示としての3つの裁判例
第3節 ピンク・レディー事件最高裁判決
第4節 物に関するパブリシティ権
第8章─ 要件事実
第5編 肖像権侵害の効果論
第1章─ 損害賠償請求
第1節 はじめに
第2節 肖像権侵害における「損害」
第3節 慰謝料
第2章─ 謝罪広告その他の回復処分
第3章─ 事前差止め
第1節 学説と最高裁判例
第2節 下級審裁判例
第3節 本案訴訟において差止めが認められた事例
第4節 合意に基づく差止めを認めた事例
第5節 表現物の差止めに関するその他の事例
第6節 パブリシティ権に基づく差止めの事例
第7節 事前差止めの要件についての私見
第4章─ 侵害排除請求
第6編 肖像権侵害の免責要件に関する諸問題
第1章─ 表現の自由との調整の法理
第1節 最高裁判例
第2節 最高裁判例後の下級審の判断例
第3節 定義的衡量のアプローチを用いる見解
第4節 様々な判断事例
第5節 免責要件に関する私見
第6節 記者発表した捜査当局の責任
第7節 ニュース配信サイトの責任
第2章─ 被害者の承諾
第1節 はじめに
第2節 初期の裁判例
第3節 「撮影」と「公表」
第4節 承諾の範囲
第5節 承諾の有無の判断
第6節 承諾の性質
事項索引
判例索引
奥付