- 発売日
- 2023年09月30日
- 出版社
- 日本評論社
- 編著等
- 尾崎一郎
個人と社会の関係を深く掘り下げてきた著者渾身の論文集。現代社会と法の有り様を浮かび上がらせ、法社会学の普遍的テーマに迫る。
目次
表紙
目次
序章 始まる前に終わる
1 法社会学の存在理由
2 作法と拡散
第I部 解体する社会
第1章 近隣騒音紛争の処理過程
はじめに
1 紛争発生
2 紛争の特徴
3 警察・役所の介入
4 国家法システムへの持ち込み
5 司法による「解決」の限界
第2章 マンションにおける生活と管理
はじめに
1 居住者間の日常的コミュニケーション 親交と自治
2 管理問題の自治的処理 混乱への対処
第3章 生き甲斐としてのコミュニティ 1990年代のひとつの回顧
1 「共」的領域?
2 現代の日本における地域社会の一側面
3 1990年代の「構造変容」?
第4章 マルチチュードの(不)可能性 ネグリ=ハート『〈帝国〉』について
はじめに
1 〈帝国〉という非・場
2 非・場における闘争/抵抗
3 存在の新たな意味
第5章 「ネットワーク社会」における「都市コモンズ」について
1 都市の「集合的利益」あるいは「共同利益」
2 都市コモンズ
3 ネットワーク社会における都市
4 都市コモンズの陥穽
第6章 複合的分断と法
はじめに
1 複合的分断とはなにか
2 応答の困難さ
3 法的応答の可能性と限界
第Ⅱ部 閉塞する法/道具化する法
第7章 グローバル化と司法制度改革の法道具主義的展開 2005年の小括
1 司法制度改革の二つのベクトル
2 法idealism批判の勃興 制度の脱理念化
3 司法制度改革の法道具主義的展開
4 空転する「法の支配」
5 グローバル化と法化の二つの途
第8章 法のクレオールを阻むもの
はじめに
1 問題の確認 法のクレオールの探究とはなにか
2 法のクレオールの阻害条件⑴ 法の言語的特性
3 法のクレオールの阻害条件⑵ 法の文化的特性
第9章 トートロジーとしての法(学)? 法のインテグリティと多元分散型統御
1 The Nature of the(Common)Law
2 法が法であると識別されること インテグリティ①
3 法が正統性を有している(とみなされている)こと インテグリティ②
4 法が実効的に社会的機能を果たしている(とみなされている)こと インテグリティ③
5 Pragmatism, Democratic Experimentalism, Daring System
第10章 トイブナーの社会理論と法律学
1 トイブナー理論の特徴
2 論文の要約
3 トイブナーの法社会学 アクチュアリティと法の優位
4 トイブナーの社会学的法律学 不可能を可能にする
第11章 自然の摂理と法的正義 法学の生物科学化をめぐって
1 究極の摂理?
2 法社会学の問い
3 原初的道徳性とその現れ
4 法治原理と人間科学
5 法的コミュニケーションの特徴 社会規範からの飛躍
6 法と正義
7 結論:法学の生物科学化のために
第Ⅲ部 法を選ぶ/法に関わる
第12章 都市の公共性と法主体
はじめに
1 共同性と法の基本構造
2 現代社会における法と共同性
3 公共性の再構築と制度
4 規範コミュニケーションと法主体
5 自己欺瞞的法主体
第13章 紛争行動と法の主題化
はじめに
1 法の主題化の概念
2 法の主題化の効果
3 法の主題化の経験的把握
第14章 司法への市民参加と文化ギャップ ベルギーと台湾の調査からの問い
1 「市民参加」の正統性
2 法廷と社会
3 法廷における文化ギャップ
第15章 紛争行動/法使用行動と法文化について
1 折衷説?
2 「文化」概念再考
3 最新の実証研究を読み直す
第16章 相互監視と分散的制裁
1 問題関心
2 情緒的反応
3 社会的次元
4 効果
あとがき
索引
初出一覧
奥付