- 発売日
- 2012年09月15日
- 出版社
- 日本評論社
- 編著等
- 金井高志
民法の基礎理論からその応用として知財法を解説する好評の書が平成20・23年特許法等の改正を受けて改訂! 楽しく学べるコラムも新設。
目次
表紙
[第2版]はしがき
[初版]はしがき ― 本書の使い方のガイダンス
目次
序章 なぜ知的財産法を民法でみるのか
第1章 民法から知的財産法へ
1 民法の三大原則
(1) その1 ― 権利能力平等の原則
(2) その2 ― 所有権絶対の原則
(3) その3 ― 契約自由(私的自治)の原則
(4) 過失責任の原則
(5) 知的財産法との関係
2 物権と債権の峻別論
(1) 物権と債権
(2) 物権行為 ・ 債権行為 ・準物権行為
3 所有権絶対の原則の応用
4 契約自由の原則の応用
(1) 契約自由の原則の具体的内容
(2) まとめ
COLUMN ①軍事目的で開発された?―インターネットの歴史とその普及
第2章 知的財産法とはなにか
1 「知的財産権」の用語の由来
(1) Intellectual propertyの和訳
(2) 英米法におけるpropertyとフランス法におけるpropriété
2 知的財産権の分類 ― 創作法と標識法
(1) 創作法と標識法の意味
(2) 創作法と標識法の区別の理由
(3) 創作法における文化的創作と産業的創作の区別
(4) 文化的創作と産業的創作の差異
(5) 創作法と標識法の分類の例外
3 法律を中心とした知的財産法の分類
(1) 産業財産権法(工業所有権法)
(2) 知的財産権の要素(広義の産業財産権+著作権)
COLUMN ②パッケージソフトの購入は何を買っている?―「情報財」の取引を考える
第3章 知的財産権の法的性質
1 概論
(1) 有体物を客体とする所有権の性質
(2) 法政策的保護の差異による知的財産権の性質
(3) まとめ
2 客体の違いから認められる性質上の差異について
(1) 物権的請求権
(2) 権利の存在および存続の不安定性
(3) 権利客体の範囲の不明確性
(4) 共有について
3 公共上の政策的制限について
(1) 権利の存続(保護)期間
(2) 権利行使に関する義務
(3) 公共の福祉に基づく公共利用上の制約
(4) 相続人不存在による権利消滅
4 まとめ
COLUMN ③「ミッキーマウス」の延命術?―著作権の保護期間
第4章 所有権と知的財産権の発生
1 民法における権利の発生・取得原因
(1) はじめに
(2) 所有権の特殊な発生・取得原因の分類
(3) 無主物先占
(4) 添付
2 知的財産権の発生手続総論
(1) 無主物先占と知的財産権の発生要件・手続との比較
(2) 創作を保護するために認められている権利
(3) 標識等を保護するために認められている権利
3 知的財産権の発生要件の個別的検討
(1) はじめに
(2) 著作権の発生要件
(3) 特許権の登録要件
(4) 実用新案権の登録要件
(5) 意匠権の登録要件
COLUMN ④フランス?ドイツ?先進国にならえ!―民法の歴史と民法を作った人々
第5章 知的財産権の移転
1 民法における権利の移転 ― 財産権の自由譲渡性
(1) 物権について
(2) 債権について
2 権利の一部譲渡
(1) 所有権の一部譲渡
(2) 債権の一部譲渡
3 物権の移転について
(1) 物権変動における意思主義と公示の原則・対抗要件主義
(2) 不動産・動産についての対抗要件
(3) 狭義の対抗要件主義と広義の対抗要件主義
(4) 債権変動における意思主義と公示の原則・対抗要件主義
4 知的財産権の譲渡性と登録制度
(1) 知的財産権における財産権と人格権
(2) 特許権の譲渡性と登録制度
(3) 商標権の譲渡性と登録制度
(4) 特許の実施権および商標の使用権の譲渡性と登録制度
(5) 著作権の譲渡性と対抗要件
第6章 知的財産権担保
1 民法で規定される担保物権
(1) 分類
(2) 動産質権
(3) 抵当権
(4) 権利質権(権利質)
2 知的財産権担保概論
(1) 民法上の担保物権と知的財産権担保
(2) 知的財産権担保の特殊性と問題性
3 特許権・専用実施権・通常実施権を対象とする担保権
(1) 特許権等と質権
(2) 特許権等と判例法上の担保
4 著作権・著作隣接権を対象とする担保権
(1) 著作権等と質権
(2) 著作権の特殊性
5 まとめ
COLUMN ⑤資金の工面はつらいよ…―「男はつらいよ」放送許諾料請求権など
第7章 賃貸借・地上権設定契約とライセンス契約
1 賃貸借契約
(1) 有体物の使用収益に関する契約 ― 賃貸借と使用貸借
(2) 賃貸借契約とは
2 地上権
(1) 意義
(2) 地上権設定の理論構造
(3) 地上権の対抗力
(4) 地上権者の登記請求権 ― 賃借権との違い
(5) 二重の地上権設定契約
3 特許権のライセンス(実施許諾・実施権)
(1) 実施権の種類
(2) 許諾実施権
4 特許権の通常実施権
(1) 通常実施権の内容
(2) 通常実施権および通常実施権許諾契約の性質
(3) 二重の通常実施権許諾契約
(4) 通常実施権の譲渡・通常実施権許諾契約上のライセンシーの地位の譲渡と対抗要件
(5) 通常実施権の侵害に対する救済
(6) 特許権者が有する差止請求権の代位行使について
5 特許権の専用実施権
(1) 専用実施権と地上権
(2) 専用実施権の登録 ― 成立要件か効力発生要件か
(3) 未登録の専用実施権の内容
(4) 専用実施権の範囲
(5) 専用実施権の譲渡・専用実施権設定契約上のライセンシーの地位の譲渡
(6) 専用実施権者の差止請求権・損害賠償請求権
6 著作権の利用許諾(ライセンス)契約 ― 利用許諾と利用権の意義
(1) 「権利」の「専有」
(2) 「利用」概念
(3) 「利用」許諾の種類
7 著作権の債権的な利用許諾
(1) 著作権法63条
(2) 債権的な利用許諾の種類
(3) 利用許諾行為の性質
(4) 利用許諾契約違反行為
(5) 許諾利用権と利用許諾契約の性質
(6) 二重の利用許諾(ライセンス)契約
(7) 利用権の譲渡・利用許諾契約上のライセンシーの地位の譲渡
(8) 第三者による著作権侵害についての損害賠償請求権・差止請求権の行使
8 著作権の準物権的な利用許諾(出版権)
(1) 出版の意義と出版に関する契約の多様性
(2) 出版権の意義と性質
(3) 出版権設定契約の成立と対抗要件
(4) 出版権設定契約の効力・内容
(5) 出版権の譲渡と対抗要件
(6) 出版権者の義務
(7) 著作者・複製権者の権利
9 知的財産の活用 ― ライセンス契約の安定性強化
COLUMN ⑥シュワッチ!ぼくは誰のもの?―「ウルトラマン」とライセンス契約
第8章 民法709条と知的財産権侵害
1 有体物を客体とする所有権の侵害 ― 不法行為の一般原則
(1) 不法行為(民法709条)の一般的要件
(2) 過失概念
(3) 権利侵害または利益侵害
(4) 被侵害権利と被侵害利益の類型化
(5) 損害の意義
(6) 権利侵害または利益侵害と損害発生の間の因果関係(相当因果関係)
2 特許権侵害の損害賠償請求と差止請求
(1) 特質
(2) 特許法における損害額算定の特則規定
(3) 特許法における侵害停止請求権と侵害予防請求権
3 著作権侵害の損害賠償請求と差止請求
(1) 損害賠償請求
(2) 著作権、出版権および著作隣接権侵害の場合―著作権法における損害額算定の特則規定
(3) 著作者人格権・実演家人格権侵害の場合の損害賠償と原状回復
(4) 差止請求
第9章 人格権と知的財産法
1 民法上の人格権の保護
(1) 権利の種類
(2) 人格権の定義
(3) 人格権の法的性質
2 精神的人格権
(1) 氏名権
(2) 肖像権
(3) 名誉権
(4) プライバシー権
3 特別法なく知的財産権として扱われる人格権
(1) パブリシティ権
(2) 個人情報保護法におけるプライバシー権
4 知的財産法上の人格権
(1) 特許法における人格権―発明者名誉権(発明者掲載権)
(2) 著作権法上の著作者人格権
(3) 商号権の意義と人格権的性質
COLUMN ⑦勝手に使わないで!―芸能人などのパブリシティ権
終章 民法と知的財産法のこれから
1 民法のこれから
2 知的財産法のこれから
(1) 知的財産立国をめざして
(2) 特許法の改正の方向
(3) 著作権法の改正の方向
3 おわりに
資料① 民法を中心とした法律の条文の解釈方法
1 はじめに
2 法的三段論法
3 法律要件と法律効果
4 条文解釈の身近な具体例
(1) 「犬」以外の動物を連れて入れるか ― 反対解釈と類推解釈
(2) なぜ公園に「犬」を連れて入ってはいけないのか ― 条文の趣旨・制度趣旨
5 条文解釈の一般理論
(1) 条文解釈の全体構造
(2) ステップ1 ― テキストの文理解釈(文言解釈)と論理解釈
(3) ステップ2 ― 条文の立法趣旨
(4) ステップ3 ― 解釈の技法
(5) 典型論点での具体的な検討
資料② ロジカルシンキングの手法 ― 法律学におけるロジカルシンキング
1 はじめに
2 ロジカルシンキングとは
3 ロジカルシンキングの思考方法
(1) ゼロベース思考
(2) フレームワーク思考
(3) オプション思考
4 ロジカルシンキングの図表作成手法
(1) ロジックツリー手法
(2) マトリックス手法
(3) プロセス手法
5 おわりに
事項索引
奥付