- 発売日
- 2023年10月08日
- 出版社
- 日本法令
- 編著等
- 中野公義
本書は、労災を起点として、それに関連する被災労働者と労災保険との関係や、事業主の補償ないし賠償義務、行政への対応といった権利関係、それを実現するための一連の手続き等、基本的な知識を、元労働基準監督官で弁護士の著者がわかりやすく解説。“監督官って逮捕することがあるの?”といった疑問に答えてくれる内容です。
目次
表紙
はしがき
目次
第1章 雇用と労災
第1節 労災を起点とした行政と司法による労働法の全体像
第2節 労働法の適用がない場合
第2章 労災保険の基本(補償・徴収)
第1節 根拠(労働者災害補償保険法)
第2節 労災の定義
第3節 労災の要件たる「業務上」とは
第4節 業務上の疾病(労働基準法75条2項・同法施行規則35条(別表1の2))
第5節 補償の内容
第6節 各種認定基準
第7節 デスクワークによる肩こりは労災となるか?
第8節 従業員の暴行による怪我は労災となるか?
第9節 労働保険料
第10節 保険料率とメリット制
第11節 特別加入制度
第12節 特別加入者への補償の対象
第13節 その他の保険給付等
第14節 不正受給と詐欺罪
第15節 労災保険の社会保障化
第3章 労災と労働安全衛生
第1節 安衛法の概要
第2節 安衛法と各省令
第3節 労基法と安衛法との関係
第4節 労災件数の推移
第5節 労災隠し
第4章 労災と行政活動等
第1節 調査と監督
第2節 司法処分と行政指導
第3節 是正勧告と是正報告
第4節 使用停止・変更命令処分
第5節 寄宿舎の使用禁止
第6節 支給・不支給決定に対する不服
第7節 平均賃金(給付基礎日額)についての不服
第8節 取消訴訟
第9節 審査請求および取消訴訟の期間
第10節 支給決定前の事業主による不服の主張
第11節 支給決定後の事業主による不服の主張
第5章 労災と司法(刑事)
第1節 労災と司法処分
第2節 法違反と労災発生の因果関係の必要性
第3節 捜査の端緒
第4節 任意処分と強制処分
第5節 強制捜査(強制処分)
第6節 捜索・差押え
第7節 労災と業務上過失致死傷との競合
第8節 逮捕と取調べ
第9節 逮捕・勾留と送検手続
第10節 検察庁による終局処分と裁判(正式と略式)
第11節 まとめ
第6章 労災と労働契約
第1節 解雇制限
第2節 労災と休職との関係
第3節 労災の症状固定後の解雇
第4節 打切補償による解雇
第7章 労災と司法(民事)
第1節 損害賠償義務の根拠(債務不履行と不法行為)
第2節 安全配慮義務ないし注意義務の内容
第3節 予見可能性
第4節 使用者責任と安全配慮義務
第5節 元請業者の下請労働者に対する安全配慮義務
第6節 役員の責任(会社法429条)
第7節 通勤災害に対する責任
第8節 安衛法上の義務と民事上の注意義務
第9節 証拠としての労災資料
第10節 行政の認定および認定基準と司法判断
第11節 損害(過失相殺と損益相殺)
第8章 労災と民事賠償責任との調整
第1節 労基法上の補償の義務と労災と民事上の義務との調整
第2節 第三者行為災害
第3節 求償差控え
第4節 控除
第9章 労災「超」基礎知識
第1節 業務起因性
第2節 テレビの影響
第3節 特別加入の全部労働不能
第4節 未払賃金の立替払い制度の財源
第5節 遅れて提出された労働者死傷病報告と自首の成否
第6節 監督署等で用いられる略称
第7節 送検手続の名義
第8節 使用停止命令
第9節 不思議な使用停止命令書
第10節 一般司法警察員による労基法違反事件等
第11節 「労働」の位置付け
第12節 業務上過失傷害と労働関係法令の比較
第13節 労基法違反で逮捕されるか
第14節 道路上での検問
【参考】認定基準一覧
著者略歴
奥付