- 発売日
- 2023年06月23日
- 出版社
- 慶應義塾大学出版会
- 編著等
- 明石 欽司、韓 相煕
「国際法の普遍化過程」を再考し「欧州中心主義」を問い直す。国際法は、多様な価値体系や宗教が共存する現代国際社会に適用されるべき法規範であり、欧州中心主義の影響を受けて普遍化してきた。しかし、その普遍性や欧州中心主義ははたして正しい認識なのか。
目次
表紙
普遍化と地域化のはざまで ――はしがきにかえて
目次
第一部 近代国際法の普遍化の実相――地域の包摂
戦間期東アジアにおける国際法研究の諸段階――日本・中国・朝鮮半島・台湾・ベトナムで出版された著作を中心に
序論
第一章 日本
第二章 中国
第三章 植民地支配を受けた諸国
結論
一九世紀国際法における「承認」と「文明」――東アジア諸国による「受容」をめぐる覚え書き
序論
第一章 一九世紀後半の学説状況
第二章 日本における国際法の「受容」を巡って
むすびにかえて
一八世紀後半から一九世紀初頭のインドにおける割譲条約の実像――インド領通行権事件(国際司法裁判所)判決を手がかりに
序論
第一章 インド領通行権事件判決
第二章 インドの伝統的政治体による割譲条約の締結――マラーターと英国の条約
結論
国際法における低潮標の利用の始まりとその普遍化
序論
第一章 戦時における陸と海を隔てる基準としての低潮の登場
第二章 海と陸を隔てる基準としての低潮標の普遍化
結論
一九世紀国際法規範の普遍化の実相――米国と「外国人遺産取得権」の関係を題材として
序論
第一章 米国国際法概説書における外国人遺産取得権
第二章 米国を当事国とする条約における外国人遺産取得権関連規定
結論と若干の考察
第二部 近代国際法の普遍化と地域的偏差――普遍化に内在する地域化
伝統的東アジア秩序下における「領土」――「版図」概念の活用とその近代的変形を中心に
序論
第一章 伝統的東アジア秩序下における「領土」概念
第二章 伝統的東アジア秩序化における「版図」概念:「統馭寰區」の理念と非対称的相互性の実情
第三章 伝統的「版図」概念の近代国際法上の「領土」としての「翻訳」
結論に代えて
近代国際法学の形成における「ドイツ国際法」論の位相――ライン同盟期の国家結合論を素材として
序論
第一章 ライン同盟規約と関連する国家実行
第二章 ライン同盟公法論における「ドイツ国際法」論
結論と若干の考察
一九世紀エジプトの知識人による国際法の使用――ムスタファ・カーミルのスーダン協定批判を題材に
序論
第一章 スーダン協定と国際法
第二章 ムスタファー・カーミルによるスーダン協定批判
結論
トマス・ベイティが果たした役割――不戦条約や戦争に対する見解の変化に着目して
序章
第一章 略歴と評価
第二章 不戦条約についての見解
第三章 満州事変についての見解
結論
いわゆる「サン・ステファノ条約」再考――国際法上の抗議における実効性の担保
序論
第一章 外交文書から見たサン・ステファノ予備平和を巡る各国の行動
第二章 サン・ステファノ予備平和の概説書における取扱い
結論
著者略歴
奥付