- 発売日
- 2021年04月01日
- 出版社
- 日本評論社
- 編著等
- 吉開多一、緑 大輔、設楽あづさ、國井恒志
法曹三者と研究者による徹底的にわかりやすいテキスト。4つの「基本事例」と具体的な「設問」、問題の所在と判例・学説の理解から当てはめまで明快に解説。(※本書は、最新版[第2版]の掲載があります。)
目次
表紙
はしがき
本書の使い方
本書の構成と手続理解編との関係
目次
凡例
基本事例
第15講 捜査⑴ ── 総説・強制と任意の区別
1 捜査の違法とその影響
⑴ 問題の所在
⑵ 違法捜査への対処方法
2 捜査の適法・違法の判断方法
⑴ 基本的な考え方
⑵ 検討の順序
3 「強制の処分」の意味
⑴ 問題の所在
⑵ 判例・学説
⑶ 設問の検討
4 「強制の処分」の具体例
⑴ 基本的な考え方
⑵ 通信・会話傍受
⑶ 写真・ビデオ撮影
⑷ エックス線検査
⑸ GPS捜査
⑹ 任意同行と逮捕
⑺ 同意・承諾と強制処分
コラム 新強制処分説
コラム 法律の根拠を要する処分
第16講 捜査⑵ ── 任意捜査の限界
1 基本的な考え方
⑴ 任意捜査の適法性判断基準──比例原則
⑵ 比例原則の理解
2 写真・ビデオ撮影
⑴ 問題の所在
⑵ 任意捜査としての適法性
⑶ 設問の検討
3 秘密録音
⑴ 問題の所在
⑵ 任意捜査としての適法性
⑶ 設問の検討
4 おとり捜査
⑴ 問題の所在
⑵ 任意捜査としての適法性
⑶ 違法なおとり捜査への対処
⑷ 設問の検討
5 任意取調べ
⑴ 宿泊を伴う任意取調べ
⑵ 長時間・徹夜の任意取調べ
コラム 捜査の違法と権利・利益の侵害・制約
コラム コントロールド・デリバリー
コラム 任意取調べの限界と捜査環境の変化
第17講 捜査⑶ ── 捜査の端緒
1 捜査との関係
⑴ 刑事手続上の位置づけ
⑵ 行政警察活動における強制の禁止
⑶ 行政警察活動における比例原則
⑷ 基本的な考え方──捜査との類似性
2 職務質問のための停止
⑴ 問題の所在
⑵ 判例・学説
⑶ 設問の検討
3 職務質問のための停止以外の措置
⑴ 問題の所在
⑵ 判例・学説
⑶ 設問の検討
4 所持品検査
⑴ 問題の所在
⑵ 判例・学説
⑶ 設問の検討
⑷ 所持品検査が違法とされた例
5 自動車検問
⑴ 問題の所在
⑵ 判例・学説
⑶ 設問の検討
コラム 権限創設規定か確認規定か
コラム 予測的警察活動
第18講 捜査⑷ ── 証拠の収集と令状主義
1 令状による証拠物の収集
⑴ 基本的な考え方
⑵ 「捜索する場所および押収する物」の明示
⑶ 捜索が許される範囲
⑷ 差押目的物と被疑事実との関連性
⑸ 「必要な処分」の範囲
⑹ 報道機関に対する捜索・差押え
⑺ 捜索・差押え時の写真撮影
2 令状によらない証拠物の収集
⑴ 逮捕に伴う捜索・差押え
⑵ ごみの領置
3 証拠の収集に関するその他の論点
⑴ 強制採尿
⑵ 採尿場所までの連行
⑶ 強制採血・嚥下物
コラム デジタル・フォレンジックが関連性の判断に及ぼす影響
コラム 逮捕に伴う捜索・差押えの実務
コラム 強制採尿令状の請求と留め置き
第19講 捜査⑸ ── 身体の拘束
1 現行犯逮捕の適法性
⑴ 現行犯人であることの認定
⑵ 準現行犯人であることの認定
2 逮捕の違法と勾留
⑴ 問題の所在
⑵ 裁判例の理解
⑶ 設問の検討
3 再逮捕・再勾留
⑴ 同一被疑事実での再逮捕・再勾留
⑵ 先行する逮捕が違法な場合の再逮捕・再勾留
4 一罪一勾留の原則
⑴ 問題の所在
⑵ 裁判例の理解
5 別件逮捕・勾留と余罪取調べ
⑴ 問題の所在
⑵ 別件逮捕・勾留に関する諸見解
⑶ 設問の検討
コラム 取調べ受忍義務との関係
第20講 接見交通権
1 接見指定
⑴ 接見指定の適否と指定時の措置を検討する視点
⑵ 「捜査のため必要があるとき」の意義
⑶ 「防御の準備をする権利」への「不当」な制限の意義
⑷ 起訴後の余罪捜査の必要性を理由とする接見指定
2 秘密交通権
⑴ 秘密交通権の制約の適否を検討する視点
⑵ 取調べにおける接見内容の聴取
⑶ その他、秘密交通権が問題となりうる場面
コラム 接見国賠
コラム 秘密交通権・刑事施設の運用をめぐる争いへ?
コラム 一般面会における接見等禁止の当否
コラム 検察庁にいる被疑者との面会
コラム 再審請求権者と弁護人との秘密交通権
コラム 接見室への再生機の持込み
第21講 公訴の提起
1 公訴権の濫用
⑴ 問題の所在
⑵ 判例・学説
⑶ 設問の検討
2 訴因の設定と審判の範囲
⑴ 問題の所在
⑵ 判例の理解
⑶ 設問の検討
3 訴因の明示・特定
⑴ 問題の所在
⑵ 判例の理解
⑶ 設問の検討
4 起訴状における余事記載──予断排除の原則との関係
⑴ 問題の所在
⑵ 判例の理解
⑶ 設問の検討
5 親告罪の告訴
⑴ 問題の所在
⑵ 告訴の主観的不可分
⑶ 告訴の客観的不可分
⑷ 告訴の追完
6 起訴後の捜査
⑴ 問題の所在
⑵ 判例の理解
⑶ 設問の検討
第22講 審判・防御の対象とその変動⑴── 訴因変更の可否
1 訴因変更が問題となる場面
⑴ 訴因変更の可否──可能性
⑵ 訴因変更の要否──必要性
⑶ 訴因変更の許否──許容性
2 訴因変更の可否──可能性
⑴ 問題の所在
⑵ 公訴事実の単一性
⑶ 狭義の同一性
3 訴因変更の許否──許容性
⑴ 訴因変更の時機的な限界
⑵ 公判前整理手続と訴因変更
4 訴訟条件と訴因変更
⑴ 訴訟条件を判断する基準時と訴因変更
⑵ 訴訟条件を欠く訴因と訴因変更
⑶ 公訴時効の成立時期と訴因変更
コラム 非両立性の判断方法
第23講 審判・防御の対象とその変動⑵── 訴因変更の要否
1 訴因変更の要否──必要性
⑴ 訴因変更の要否を考える視点
⑵ 訴因変更の要否に関する判例の判断枠組み
⑶ 縮小認定
2 訴因・罰条変更命令
⑴ 裁判所の心証と訴因変更
⑵ 訴因変更命令の意義と効果
⑶ 裁判所の訴因変更命令義務
3 罰条変更の要否──必要性
コラム 争点顕在化措置
コラム 具体的防御説と抽象的防御説
第24講 証拠法⑴ ── 関連性
1 証拠の関連性の検討の視点
⑴ 関連性にかかる概念
⑵ 関連性の有無の判断
2 悪性格証拠
⑴ 前科事実による犯人性立証
⑵ 類似事実による犯人性立証
⑶ 前科事実と主観的要素の立証
3 科学的証拠
⑴ 科学的証拠の特徴
⑵ DNA型鑑定
⑶ 犬による臭気選別
⑷ その他の科学的証拠
コラム DNA 型鑑定の証明力
コラム 法律的関連性と証拠調べの必要性
コラム 取調べの録音・録画記録媒体の証拠としての使用
第25講 証拠法⑵──違法収集証拠排除法則
1 違法収集証拠排除法則の前提知識
⑴ 排除の根拠と基準
⑵ 判例の判断枠組み
2 違法収集証拠排除法則の検討の視点
⑴ 排除の根拠と判断枠組みの関係
⑵ 違法行為と証拠の間の因果性
3 違法収集証拠排除法則の諸問題
⑴ 証拠排除における考慮要素
⑵ 排除法則と同意
⑶ 証拠排除の申立適格
⑷ 私人による違法収集証拠
4 毒樹の果実論の諸問題
⑴ 違法承継論
⑵ 毒樹の果実論と一次証拠
⑶ 毒樹の果実論と二次証拠
第26講 証拠法⑶──自白法則
1 自白法則の検討の視点
⑴ 自白法則の趣旨に関する諸見解
⑵ 自白法則と違法収集証拠排除法則の分担
2 自白の任意性の諸問題
⑴ 約束による自白
⑵ 偽計による自白
⑶ 任意性が問題となったその他の事例
3 不任意自白と派生的証拠
⑴ 問題の所在
⑵ 裁判例の理解
⑶ 設問の検討
4 反復自白
⑴ 問題の所在
⑵ 判例の理解
⑶ 設問の検討
コラム 取調べの録音・録画義務違反と自白の証拠能力
第27講 証拠法⑷ ── 伝聞法則
1 伝聞法則の検討の視点
⑴ 伝聞証拠性の判断
⑵ 要証事実(立証事項)と伝聞証拠性
2 伝聞証拠の判断
⑴ 体験事実を含む供述か──発言が行為の一部である場合
⑵ 内容の真実性が問題となるか①──犯罪事実の一部を構成する発言である場合
⑶ 内容の真実性が問題となるか②──発言の存在自体が間接事実である場合
⑷ 内容の真実性が問題となるか③──発言の存在から当該発言を聴いた第三者の認識を推論する場合
⑸ 伝聞過程に誤りが入る危険が類型的に低いか①──現在の精神状態に関する供述
⑹ 伝聞過程に誤りが入る危険が類型的に低いか②──自然反応的になされた供述
3 共謀の立証と伝聞証拠
⑴ 謀議の際の発言
⑵ 犯行計画メモ
4 現場写真・その他の記録媒体
⑴ 現場写真
⑵ 供述証拠としての録音・録画
コラム 立証趣旨の拘束力をめぐる議論と伝聞証拠性
コラム 証人審問権保障と直接主義
第28講 証拠法⑸ ── 伝聞例外⑴
1 伝聞例外の検討の視点
⑴ 伝聞例外が問題となる場面
⑵ 伝聞例外を検討する際の留意点
2 第三者の供述を録取した書面──321条1項各号
⑴ 供述不能──321条1項各号
⑵ 相対的特信情況──321条1項2号後段
⑶ 国際捜査共助要請と供述録取書
⑷ 退去強制と検察官面前調書
3 検証調書・実況見分調書
⑴ 検証調書・実況見分調書の特徴
⑵ 検証調書・実況見分調書における立会人の指示説明
⑶ 被害・犯行再現状況報告書等
⑷ 実況見分調書等の公判廷における使用
4 鑑定書──検証調書・実況見分調書との区別
⑴ 問題の所在
⑵ 判例の理解
⑶ 設問の検討
コラム 相反供述と反対尋問
コラム 明文規定なき刑事免責的行為による供述の採取
コラム 最高裁平成7年判決後の下級審裁判例の展開
コラム 321条1項各号で要件が異なる理由
第29講 証拠法⑹ ── 伝聞例外⑵
1 特殊な伝聞例外または非伝聞
2 特信文書
⑴ 問題の所在
⑵ 裁判例の理解
⑶ 設問の検討
3 伝聞供述──再伝聞
⑴ 問題の所在
⑵ 判例の理解
⑶ 設問の検討
4 同意書面
⑴ 同意の方法
⑵ 同意の効力
⑶ 同意の撤回
5 証明力を争うための証拠
⑴ 自己矛盾供述──弾劾証拠
⑵ 回復証拠
6 複数の被告人の証拠の取扱い
コラム 同意と立証趣旨
コラム 328条の趣旨に関する学説
第30講 裁判
1 補強法則
⑴ 補強証拠の解釈上の問題
⑵ 補強証拠の範囲と程度
⑶ 補強証拠適格
⑷ 共犯者・共同被告人の供述と補強証拠
2 択一的認定
⑴ 択一的認定を検討する視点
⑵ 同一構成要件の場合
⑶ 異なる構成要件の場合
⑷ 単独犯と共同正犯の場合
3 一事不再理効の及ぶ範囲
⑴ 一事不再理効の範囲を検討する視点
⑵ 一事不再理効の客観的範囲──訴訟条件を欠く事実との関係
⑶ 一事不再理効の客観的範囲──特に常習一罪の関係にある事実
コラム 常習犯と常習性の認定
事項索引
判例索引
執筆者
奥付