- 発売日
- 2018年08月20日
- 出版社
- 日本法令
- 編著等
- 中野公義
労働裁判例から実務をひも解く形で、会社側の勝因・敗因となった事実認定のポイント、会社が行った対応(労働時間管理・割増賃金に関する労務管理、証拠収集など)のポイントを解説。会社側から見た労務管理のポイントを効率よく押さえることができます。裁判や裁判例に馴染みのない社会保険労務士や、労働分野に関心のある弁護士にもおすすめの一冊!初めての事業所に訪問するなどし、就業規則や給与形態を確認したときに、社長や担当者に対して「裁判になると○○○となる可能性が高いですね」と説明できるための基本的な文献として役立ちます。
目次
表紙
目次
第1章 労働時間・割増賃金の基本的な考え方
1 労働時間 ~所定労働時間と法定労働時間の関係~
コラム 勤務間インターバル制度
2 時間外労働 ~残業を命じることの可否とその場合に必要なこと~
3 割増賃金 ~残業代の基本的な計算方法~
コラム 算入しない賃金の相違
4 その他 ~付加金って何?遅延損害金って何?~
コラム 「解決金」?
第2章 労働時間の設定
1 法定労働時間 ~所定労働時間の規定が無効とならないためには~
コラム 行政と司法の違い
2 特例事業場 ~週44時間の適用が認められるためには~
3 変形労働時間制 ~変形労働時間制の採用が否定されないために~
コラム 労働基準法32条違反と1年単位の変形労働時間制
4 事業場外労働に関するみなし労働時間制 ~「労働時間を算定し難いとき」の考え方は?~
コラム 証明責任1
5 裁量労働制 ~裁量労働制の導入を否定されないためには?~
コラム 社会保険労務士の懲戒と手続規定
6 休憩時間 ~「休憩がなかった」と言われないために~
(1) 休憩時間に仕事をしてもらった場合
(2) 休憩時間の規定方法
7 休日 ~法定休日を特定しておいたほうが良いか?~
8 仮眠時間 ~労働時間と評価されないためには?~
コラム 法改正のきっかけ
9 手待ち時間 ~休憩時間が手待ち時間とならないために~
コラム 証明責任2
10 労働基準法上の労働時間 ~「労働時間」と言われないために~
(1) 定義
(2) 業務開始前のラジオ体操
(3) 黙示の業務命令
11 残業の許可制 ~事前申請・許可制の具体的な運用方法~
第3章 賃金の設定
1 割増の基礎となる賃金 ~手当の名称等について気を付けるべきこと~
コラム 伝家の宝刀104条の2?
2 割増賃金の算定根拠 ~法令と異なる計算方法をとることの可否~
コラム 最低賃金日額の必要性
3 固定残業手当 ~残業手当としての趣旨を否定されないために~
(1) 適法性
(2) 導入にあたっての同意
(3) 固定残業手当の名称
(4) 明確区分性
(5) 基本給に対して割合等で示す区分方法の可否
(6) 計算式による区分方法
(7) 相当時間数
(8) 基本給の減額の可否
4 年俸制 ~年俸制を採用することで残業代は抑制されるか?~
コラム 東京100に対して福井1
5 歩合給・出来高払制 ~歩合給と残業代との関係は?~
コラム 許可基準
第4章 具体的な労務管理及び裁判における事実認定等
1 労働時間 ~残業代が請求される裁判の最大の争点~
(1) タイムカードにより労働時間が認定される理屈
(2) タイムカードにより認定されない場合
(3) タイムカード設置の目的
(4) タイムカードの信用性
(5) タイムカードと始業時刻
(6) PC内の情報
(7) 施錠・警備の解除等の記録
(8) 日報が存在する場合
(9) 労働者のメモの取扱い
(10) 休憩時間の開始時刻・終了時刻の記録の要否
(11) 休憩時間に関する証拠が存在しない場合
(12) 休憩は一切取れなかったという主張
(13) 所定終業時刻後の休憩
(14) 残業の許可制がとられていた場合
(15) 労働時間の記録が残されていない場合
2 賃金 ~有効な残業代の支払いと認められるには~
(1) 固定残業手当① 口頭による同意
(2) 固定残業手当② 同意書とそれについての説明
(3) 固定残業手当③ 支払い趣旨の否定
(4) 固定残業手当④ 不足額の支払い
(5) 割増の基礎となる賃金
3 その他
(1) 賃金債権の放棄
(2) 管理監督者性
(3) 労働者性
(4) 遅延損害金
(5) 付加金として認められる額
(6) 付加金の支払命令が取り消されるためには
〈巻末資料〉
労働契約法(抄)
労働基準法(抄)
労働基準法施行規則(抄)
賃金の支払の確保等に関する法律(抄)
賃金の支払の確保等に関する法律施行規則(抄)
参考裁判例一覧
奥付