- 発売日
- 2022年12月12日
- 出版社
- 日本評論社
- 編著等
- 高林龍先生古稀記念論文集編集委員会
高林龍教授の古稀を記念する論文集。知的財産法の各分野の論点を鋭く論じる論文を掲載。
目次
表紙
献呈の辞
父の古稀にあたって
目次
第Ⅰ部 特許法・商標法・不競法・意匠法分野
第1章 発明者認定基準再考──日米比較法の観点から 竹中俊子
はじめに
1 化学・バイオテクノロジー分野の発明の特色
2 アメリカ法
3 日本法
4 比較法からの提言
むすび
第2章 先出願の承継人による後出願(PCT出願)と優先権主張 KWON Chihyun
1 はじめに
2 先出願の承継人と優先権主張
3 判例・実務上の優先権主張の判断基準
4 優先権主張認定要件の争点と対応案
5 おわりに
第3章 中国における特許ライセンスに対する独禁法による規制 秦玉公
はじめに
1 中国における特許ライセンスに係る特許法と独禁法の相互関係
2 特許ライセンスに係る独占協定に対する独禁法による規制
4 特許ライセンスに係る市場支配的地位の濫用に対する独禁法による規制
おわりに
第4章 インドネシアにおける特許発明の国内実施義務について 大熊靖夫
1 はじめに
2 国内実施義務規定の変遷
3 国内実施義務を指向する背景
おわりに
第5章 日本における査証制度の比較法的考察 Christoph Rademacher
はじめに
1 ドイツ査察制度の展開
2 実体的要件
3 手続的執行
4 日本における査証制度の展開
5 日本の査証制度の比較法的検討
おわりに
第6章 新しいタイプの商標としての色彩の商標の保護の展開 Roberto Carapeto
はじめに
1 商標法改正前の色彩の保護
2 商標法改正およびその実績について
3 米国と欧州の状況
4 日本への示唆──結びに代えて
第7章 商標法3条1項1号にいう普通名称について 三村量一
はじめに
1 設例
2 普通名称該当性の判断
3 海外における普通名称と商標登録
4 海外における普通名称が商標登録されることによる弊害
5 問題解決への提言
6 結語
第8章 中国商標法における悪意の出願──新設された「使用の意図」要件を中心に 謝晴川
はじめに
1 「使用の意図」要件の意図
2 「商標ためこみ」に関連する他の登録要件
3 二元的要件の適用における問題
4 今後の改革の方向──日本からの示唆
結びにかえて
第9章 欧州連合(EU)における商標権に係る真正商品の並行輸入 Mirshod Kuchkorov
はじめに
1 EU基本法(条約)と並行輸入
2 EU二次法(商標規則、商標指令)と並行輸入
むすびにかえて
第10章 医療用医薬品における不正競争防止法2条1項1号の適用について 足立勝
はじめに
1 過去の裁判例
2 医療用医薬品特有の論点
おわりに
第11章 意匠法の目的に関する一考察 五味飛鳥
序
1 需要増大
2 整理
3 試論
むすび
第12章 パブリック・ドメインの保護という観点からの意匠の新規性理論 加藤幹
1 はじめに
2 意匠の新規性理論の検討の方向性
3 権利行使段階における意匠の類否判断の手法
4 権利化段階における意匠の類否判断の手法25)
5 権利化段階での公知意匠の保護を実現するための方法
6 権利化段階における類否判断の手法を現行判断手法に対応させるにあたっての問題
7 派生するいくつかの論点
8 おわりに
第Ⅱ部 著作権法・その他の知財分野
第13章 いわゆる「著作権の相対性」について 富岡英次
はじめに
1 著作権の「相対的」な性格
2 「著作物」概念の意義
3 相対性の諸相
最後に
第14章 ノンフィクション作品における事実と表現上の創作性 前田哲男
1 はじめに
2 「事実」と「思想又は感情」との区別
3 体験した本人の執筆か、第三者による執筆か
第15章 金魚電話ボックス事件と美術の創作性 小川明子
はじめに
1 金魚電話事件
2 著作権上の表現と美術における表現
3 美術の著作物性要件
第16章 図面等に描かれたデザインと著作権保護をめぐる一考察 末宗達行
はじめに
1 日本法
2 イギリス法
3 若干の検討
第17章 イギリス著作権法における著作物性に関わる基本的概念──著作物の分類、固定性、オリジナリティについて 今村哲也
はじめに
1 イギリス著作権法の現在位置
2 著作権の種類と分類
3 固定要件
4 オリジナリティ
おわりに
第18章 放送権と自動公衆送信権の交錯──日中著作権法の比較を踏まえて 蔡万里
1 はじめに
2 日本の著作権法における「放送」と「放送の同時配信」
3 中国の著作権法における放送と放送の同時配信の位置付け
おわりに
第19章 著作者・実演家の契約法的保護 上野達弘
1 問題の所在
2 諸外国に見られる「著作権契約法」
3 日本法の状況
おわりに
第20章 カナダ著作権法における復帰権制度に関する一考察──著作者に契約のチャンスは2度必要か 安藤和宏
はじめに
1 復帰権制度の概要
2 日本法への若干の示唆
むすびに代えて
第21章 著作権契約の事後調整──韓国における「著作者の追加補償請求権」導入の議論 張睿暎
1 クリエイターへの適切な報酬問題
2 韓国における著作権契約に関する紛争事例
3 韓国における追加補償請求権の導入の動き
4 韓国における追加補償請求権導入の妥当性
第22章 ドイツ著作権法におけるライセンスの排他性の時間的制限──著作権契約法の選択肢としての一考察 志賀典之
はじめに
1 2002年ドイツ著作権契約法改正
2 2016年40a条の成立まで
3 2016年40a条──保護期間と利用権の排他性の切り離し
4 2013年法38条4項──オープンアクセス実現のための強行規定による単純利用権の発生
5 日本法への示唆
第23章 公衆人物氏名の商品化権について 兪風雷・姚夢媛
1 問題の提起
2 氏名商品化権の帰属
3 主体:公衆人物の具体的な範囲
4 客体:氏名商品化権の範囲
5 氏名商品化権の侵害と救済措置
おわりに
高林龍先生略歴および業績一覧
執筆者一覧
奥付