- 発売日
- 2013年06月28日
- 出版社
- 信山社
- 編著等
- 加納雄大
外交力、資金力、技術力など様々な手段を駆使して、駆け引きが繰り広げられる「気候変動交渉」。近年の気候変動交渉を臨場感を持って紹介し、外交戦略の実態に迫る。国際社会の構造変化と、あるべき将来の国際枠組みの全体像について考察した一冊。
目次
表紙
はしがき
目次
プロローグ―2009年冬 コペンハーゲン―
第1章 気候変動交渉20 年:コペンハーゲンへの道
はじめに
1 気候変動交渉20年の歴史
(1) 国連気候変動枠組条約の成立(1990~1992)
(2) 京都議定書の成立(1995~1997)
(3) 京都議定書実施ルールの策定と米国の方針転換(1998~2001)
(4) 京都議定書の発効と新たな枠組みの模索(2005~2008)
(5) オバマ政権発足とコペンハーゲン合意(2009)
2 国際政治の縮図としての気候変動交渉
(1) 気候変動問題の国際枠組みを巡る各国の立場
(2) 武器なき環境戦争:気候変動交渉は21世紀型の総力戦
コラム① 横文字略語の飛び交う気候変動交渉
第2章 カンクンCOP16:京都議定書「延長」問題を巡る攻防
はじめに
1 主要各国にとってのコペンハーゲンCOP15の意味
2 年前半(1月~5月)の動き
(1) マルチラテラリズムの立て直し
(2) 国際交渉の動き
(3) 日本政府の対応
3 年後半(6月~11月)の動き
(1) 国際交渉の動き
(2) 主要各国の対応
(3) 日本政府の対応
4 COP16本番
(1) 第1週(2010年11月29日~12月5日)
(2) 第2週(2010年12月6日~11日)
5 COP16の結果(カンクン合意)
6 所感
コラム② COPの開催地について
第3章 3/11の衝撃とダーバンCOP17:“Down but not out”
はじめに
1 「3/11」前
2 「3/11」後
(1) 日本の対応:攻めの姿勢の維持
(2) 議長国南アフリカとの協議
3 夏以降本番直前まで(9月〜11月)
(1) 日本の立場の対外発信
(2) 小島嶼国,アフリカ,EUへの働きかけ
(3) 国内プロセス
4 COP17本番
(1) 第1週(2011年11月28日〜12月3日)
(2) 第2週(2011年12月5日〜11日)
5 COP17の結果(ダーバン合意)
(1) 成果の概要
(2) 各国にとっての意味
(3) 日本にとっての意味
6 所感
補論:ドーハCOP18についての若干の考察と所感
コラム③ 各国気候変動交渉官の横顔
第4章 気候変動交渉の舞台裏
はじめに
1 気候変動交渉の1年
(1) COP本番第1週(11月末~12月第1週)
(2) COP本番第2週(12月第2週)
(3) COP終了
(4) 交渉序盤:東京会合(3月)
(5) 交渉中盤:国連交渉(4月~8月)
(6) 交渉中盤:国連以外の会合(4月~8月)
(7) 国連総会(9月)
(8) 交渉終盤:プレCOPなど(10月~11月)
2 Who’s Who in climate change negotiation:気候変動交渉のプレーヤー達
(1) 市民社会(NGO)
(2) メディア,経済界,各国議会関係者など
(3) 各国政府代表団
コラム④ COPの風物詩?「化石賞」イベント
第5章「悪魔は細部に宿る」:気候変動交渉の修辞学
はじめに
1 COP15:コペンハーゲン合意ハイライト
(1) 先進国の排出削減目標
(2) 途上国の緩和行動
2 COP16:カンクン合意ハイライト
(1) COP決定とCMP決定
(2) 各国の目標の固定(anchor)
3 COP17:ダーバン合意ハイライト
(1) 将来枠組みの設定に向けたプロセス
(2) 京都議定書「延長」に向けた合意
コラム⑤ 気候変動交渉シミュレーション
第6章 ポスト「リオ・京都体制」を目指して
はじめに
1 外交の主要課題としての気候変動問題
(1) 第1の理由:「マルチの中のマルチ」外交としての気候変動交渉
(2) 第2の理由:複数の政策分野にわたる交渉
(3) 第3の理由:様々なステークホルダーの参画
(4) 第4の理由:科学,イデオロギーの役割
(5) まとめ
2 「リオ・京都体制」の限界:主要国の問題と日本の課題
(1) 「米国問題」―自国を制約する国際枠組みに対する抵抗感
(2) 「中印問題」―欧米主導の既存の国際枠組みに対する不信感
(3) 「欧州問題」―欧州ルールを世界に拡大しようとする焦燥感
(4) まとめ
(5) 日本の「課題」
3 気候変動問題対処のためのグローバル・ガバナンス:3つの視点
(1) 長期的な(long term)視点
(2) グローバルな(global)視点
(3) 実際的な(pragmatic)視点
4 気候変動対策における様々なアプローチ
5 まとめ
コラム⑥ 東アジア低炭素成長パートナーシップ
第7章 ポスト「リオ・京都体制」と日本
はじめに
1 ポスト「リオ・京都体制」のイメージ
(1) 全ての国に適用される(applicable to all Parties)こと
(2) 法的拘束力(legally binding)のあり方
(3) 透明性(transparency)
(4) 長期目標との整合性の確保
(5) 重層的構造(multi-layered structure)
(6) 資金,技術,市場の総動員による実際的協力の推進
2 日本の提案:「世界低炭素成長ビジョン」
3 日本の取り組み(1):東アジア低炭素成長パートナーシップ
4 日本の取り組み(2):アフリカにおける低炭素成長・気候変動に強靱な開発戦略
5 日本の取り組み(3):2国間オフセット・クレジット制度
6 日本の取り組み(4):切れ目ない排出削減と途上国支援
(1) 排出削減目標
(2) 途上国支援
コラム⑦ セット・クレジット制度はモンゴルからスタート
エピローグ―2013年初夏 東京―
【資料】コペンハーゲン合意(全文)
参考文献
索引
奥付