- 発売日
- 2021年03月31日
- 出版社
- 日本評論社
- 編著等
- 廣江倫子、阿古智子
逃亡犯条例改正案から国家安全維持法の制定へ、大きな岐路に立たされている香港。一国二制度の今後と、法制度と社会への影響を読み解く。
目次
表紙
はじめに
目次
第1部 いま香港で何が起こっているのか?---香港法のもとでの中国に対する抗議運動の意味
1 法曹界の反応はどのようなものだったか
1 裁判所の反応
2 バリスタ協会の反応
3 ソリシタ協会の反応
2 香港の法・司法制度はどのようなものか
1 香港の法・司法制度の発展
2 香港返還
3 香港の法制度
4 香港の裁判制度
5 終審法院
6 中国法の影響
第2部 香港国家安全維持法への流れをつくった逃亡犯条例の改正
1 逃亡犯条例改正案はどのような内容か
はじめに
1 現行法の引渡制度
2 逃亡犯条例改正案
3 香港法曹界からの懸念
おわりに
2 香港のデモ行進・集会の自由に対する規制の歴史をみる──公安条例
はじめに
1 第二次世界大戦以前の規制
2 公安条例
3 公安条例における犯罪
おわりに
3 警察等の公権力行使に対する規制はどうなっているか
はじめに
1 警察の権限
2 警察の権限への規制──内部規約
3 警察の権限への規制──実体法
4 警察の権限への規制──刑事訴訟・民事訴訟
5 警察の権限への規制──行政による苦情処理
おわりに
4 覆面禁止法と違憲審査の実態──Judicial Review とは何か
はじめに
1 「覆面禁止法」とは
2 「司法審査(judicial review)」とは
3 覆面禁止法全部違憲判決(第一審)の内容
4 覆面禁止法一部違憲判決(控訴審)の内容
おわりに──判決の評価と今後の見通し
5 「米中新冷戦」下の香港
はじめに
1 危機への前奏
2 「逃亡犯条例」改正問題と米中関係
3 「国安法」と米中関係
おわりに──香港をめぐる「米中新冷戦」のゆくえ
第3部 香港国家安全維持法とは何か
1 香港国家安全維持法はどのような内容か
はじめに
1 香港国家安全法制の導入
2 香港国家安全維持法の条文と問題点
おわりに
2 香港国家安全維持法は実務にどう影響を与えるか
1 言論活動への影響
2 香港での労務管理への影響
3 香港におけるグーグルなどの利用への影響
4 ビジネスへの影響は限定的
3 香港と中国の刑事法の差異はどこにあるか
1 港中の刑事法概論
2 港中における罪刑法定主義
3 港中における無罪推定原則と証拠主義
4 港中の身柄拘束とその解放
おわりに
4 比較法的視点から見た香港国家安全維持法──域外適用規定および中国国家安全法・マカオ国家安全維持法との比較検討
はじめに
1 「域外適用」に関する規定と日本の不敬罪との比較検討
2 中国国家安全法との比較検討
3 マカオ国家安全維持法との比較検討
おわりに
5 違憲立法審査権に限界はあるか──香港基本法と国家安全維持法の関係
はじめに
1 国安法は香港基本法違反ではないかとの疑問
2 国安法と香港基本法の優劣関係
3 国安法の司法審査対象性
4 香港の裁判所による今後の国安法運用の可能性
おわりに
6 通識教育から愛国教育へ──教育を通して考える香港の「法の支配」の行方
はじめに
1 香港の教育制度
2 公民教育から通識教育へ
3 通識教育をめぐる論争
おわりに
おわりに
執筆者紹介
奥付