- 発売日
- 2025年06月15日
- 出版社
- 日本評論社
- 編著等
- 水野紀子、深町晋也、石綿はる美
家族に公的関与を求める社会の声が高まるなか、法はどうあるべきか。児童虐待や子の養育の場面にフォーカスし、理想の姿を探る。
目次
表紙
目次
はじめに
序章
Ⅰ 本書の構成
Ⅱ 第1章 家族への公的介入
Ⅲ 第2章 児童虐待の総合的検討
Ⅳ 第3章 子の養育をめぐる総合的検討
第1章 家族への公的介入
家族への公的介入――第1章の企画趣旨
1 家族観の多様化――相続法改正の論点
2 家族紛争に関する日本的制度設計
3 行政的介入の設計
4 法治国家としての家族法をめざして――「家族依存社会」からの脱出
家族への法的介入と憲法――夫婦同氏強制を素材として
序
一 憲法論
二 立法論
跋
【追記】
婚姻への公的介入
1 婚姻という契約への介入
2 婚姻制度は必要か
3 日本民法における婚姻への介入の特徴と課題
4 結びにかえて
【追記】
親子関係と公的介入――生殖補助医療の立法に向けて
1 はじめに
2 ドイツ法の内容と問題点
3 ドイツ法における立法論
4 検討
【追記】
家事事件手続における諸問題
1 はじめに
2 家事事件手続の沿革と現状
3 問題点の指摘とその検討
4 おわりに
【追記】
児童虐待への国家介入――析的考察
1 はじめに
2 子ども及び親の法的地位
3 国家介入の基本構造
4 立法による一般的介入
5 司法による後見的介入
6 行政による保護と支援
7 刑事法システムとの協働
【追記】
精神保健福祉法に基づく非自発的入院における本人と家族
1 問題設定と考察対象
2 非自発的入院における家族等の関与
3 本人―家族関係と法の期待
4 結びに代えて――“隘路”と“操作”
【追記】
社会主義国家ソ連と家族――法による自由、援助、介入
1 はじめに
2 革命と家族
3 社会主義国家の成立と政策変更
4 社会主義下の自由:多様性と予定調和
5 むすびに代えて
【追記】
死と臓器移植への公的介入
1 はじめに
2 「死」に関する判断
3 臓器移植に関する判断
4 結び
第2章 児童虐待の総合的検討
児童虐待の刑法的規律――児童の健全成長・発達との関係を中心に
1 問題の所在
2 監護者性交等・わいせつ罪における児童の健全成長・発達の視点
3 暴行・傷害罪における児童の健全成長・発達の視点
4 おわりに
刑事訴訟法から見た児童虐待
1 はじめに
2 性的虐待事案の公訴時効
3 児童からの供述の獲得
【追記】
児童虐待への民事法的対応――親権法改正について
1 はじめに
2 児童虐待対応のための親権法改正の経緯
3 児童虐待への対応のための親権法改正の経緯に見られる特徴
4 令和4年要綱の要点
5 児童虐待対応のための法改正の一般親権法上の意義又は課題
6 まとめ
民法における体罰禁止とその課題――体罰禁止のそのあとに
1 はじめに
2 日本法における体罰等の禁止――改正法の概要
3 フランス法における日常的な教育的暴力の禁止――2019年法の概要
4 おわりに――日本法の今後の課題
社会保障法からみた児童虐待
1 はじめに
2 子育て支援と児童虐待予防
3 保護・介入
4 おわりに
アメリカにおける児童虐待への対応――家族への介入と支援の視点から
1 アメリカにおける児童虐待の状況
2 家族への介入の原理
3 児童虐待への対応の構造
4 支援への動機づけ
5 虐待防止のための支援
6 児童虐待「法化」の光と影
児童虐待と司法面接
1 はじめに
2 日本での司法面接
3 英国での司法面接
4 司法面接の課題
5 最後に
児童虐待の法的実務
1 本稿の概要
2 弁護士の関わり
3 児童虐待への対応の枠組みについて
4 裁判所(司法)の関わりについて
5 改革の方向性について
第3章 子の養育をめぐる総合的検討
親権についての理論的検討――父母の双方か一方かの決定について
1 問題意識
2 親権者は誰かに関する規律の構造と双方か一方かの問題
3 双方か一方かの父母の協議による決定
4 裁判所による双方か一方かの判断と親権喪失審判
5 双方か一方かの判断基準の具体化のために
父母による子の監護のあり方
1 共同の監護の拡大
2 共同親権下での単独行使(824条の2)
3 監護者の定め・監護事項の分掌(766条)
4 監護者の権限の明確化(824条の3)
5 父母による監護の前提
養育費についての理論的検討
1 はじめに
2 親の子に対する扶養義務の根拠規定としての817条の12第1項
3 子の監護に要する費用の分担の定めがない場合の特例制度(法定養育費制度)
4 先取特権の付与
5 改正法の枠組みと課題
子の養育と民事手続法
1 はじめに
2 履行確保制度
3 強制執行制度の改革と限界
4 令和6年改正
養育費の不払いと刑事罰
Ⅰ はじめに
Ⅱ ドイツ法
Ⅲ アメリカ法
Ⅳ 若干の整理・検討
Ⅴ おわりに
「人格の尊重」の一般性と子の養育における特殊性
1 はじめに
2 新法における「人格の尊重」の内実
3 旧法における「人格の尊重」との対比
4 おわりに
夫婦間のDVと子の養育
1 はじめに
2 DVを巡る現状
3 各段階別の対応における諸課題
4 おわりに
子どもの意見表明権の保障――令和6年民法改正を契機に
1 はじめに――声を聴かれない子どもたち
2 子どもの意見表明権――どのような権利か
3 子どもの声を聴く――子どもの手続代理人の活動
4 子どもにやさしい家事司法をめざす――令和6年民法改正を契機に
5 おわりに――子どもの権利を守る司法への展望
執筆者
奥付