BUSINESS LAWYERS LIBRARY

信託法務大全 第3編 民事信託

発売日
2025年01月27日
出版社
清文社
編著等
田中和明、西片和代

民事信託(高齢者の「財産管理」と「財産の承継」を目的とする信託)を中心に取り上げて、その法的又は実務上の問題点を整理するとともに、解決策についても示唆。また民事信託のアドバイザー業務・支援業務の担い手としてのあり方についても、弁護士、司法書士の立場からそれぞれ整理・解説。

目次

表紙

目次

第1章 民事信託の現状認識と問題点

民事信託の現状認識と問題点

1. 二つの「民事信託」から

2. 受託者の素人性

3. 財産の管理・承継目的

4. 民事信託の受託者像の追究と民事信託法の制定

第2章 高齢者の財産管理

第1節 高齢者の財産管理

高齢者の財産管理に関する法制度

第2節 法定後見制度と任意後見制度

1. 法定後見制度の概要

2. 任意後見制度の概要

3. 法定後見制度・任意後見制度と民事信託の比較

第3節 高齢者の財産の運用

1. 高齢者の信託財産の運用ルールの必要性

2. アメリカのプルーデント・インベスター・ルール

3. わが国における従前からの信託財産の運用ルール

4. わが国の高齢者の資金運用の問題点

第4節 高齢者の財産管理における民事信託の活用と課題

1. 受託者に対する監督

2. 受託者の確保

3. 任意後見との使い分け・併用

4. 受益者による受益債権の行使

第3章 財産の承継

第1節 遺言・死因贈与と信託

1. 民法における財産の承継の方法

2. 信託による財産の承継

第2節 遺言代用信託・後継ぎ遺贈型受益者連続信託

1. 遺言代用信託

2. 後継ぎ遺贈型受益者連続信託

第3節 生命保険と遺言代用信託

1. はじめに

2. 生命保険契約と契約により設定する信託

3. 保険契約者と保険金受取人が異なる生命保険契約と他益信託の契約の効力

4. 保険金受取人・信託の受益者の変更方法

5. 保険契約者・委託者の相続人による保険金受取人・受益者の変更

6. 遺言による保険金受取人・受益者の変更

7. 債権者代位による保険金受取人と受益者の変更

8. 保険金受取人・受益者の変更と詐害行為取消権・破産管財人による否認権

9. 生命保険契約者の債権者による保険契約の解除と信託の債権者による信託の終了

10. 生命保険契約と信託契約における遺留分侵害額請求と特別受益の持戻し

11. 生命保険の保険金受取人及び遺言代用信託の第二受益者を「相続人」とする場合で当該「相続人」が複数であるとき

12. 生命保険の保険金受取と信託の受益の税制

第4節 事業承継と信託

1. 事業の承継の方法

2. 種類株式等を活用した事業の承継

3. 信託を活用した事業承継

4. 遺言代用信託を活用した事業承継

5. 本件遺言代用信託の法的問題点

6. 後継ぎ遺贈型受益者連続信託を活用した事業承継

第5節 高齢者の財産承継における民事信託の活用と課題

1. 問題意識

2. 受益権の相続

3. 残余財産の帰属に関するルール

4. 帰属先を指定する場合

5. 帰属先が指定されていない場合

6. 帰属先が未定の場合

7. 帰属先の事後的な変更

第4章民事信託における利益相反

民事信託における利益相反

1. はじめに

2. 信託法と利益相反行為

3. 実務上の対応

第5章 民事信託における信託財産の独立性

第1節 信託口口座と信託口口座論

1. 信託法上の位置づけ

2. 実務上の位置づけ

3. 信託口口座論の意義―何のための議論なのか

第2節 信託口口座の開設手続

1. おおよその手順

2. 金融機関による信託契約書のチェックポイントの例

第3節 「信託口口座」とは何か

1. 「信託口口座」とは何なのか

2. あるべき信託口口座

3. 信託口口座の定義

4. 期待される機能―信託財産の独立性保全機能

5. 信託財産の独立性保全機能の法的根拠の検討

第4節 信託口口座の苦難―乗り越えるべき課題

1. 請求債権識別不能問題―信託口口座の危機

2. 信託口口座の内容不明問題―信託口口座の危殆!?

第6章 信託の登記

第1節 民事信託の実務のための信託の登記の仕組み

1. 信託登記における信託目録の実際例の抜粋

2. 信託登記制度の創設―信託証書の公示

3. 旧不動産登記法の構造と信託法成立に伴う不動産登記法一部改正

4. 登記事項の列挙主義と概括主義とは何か

5. 果たしてフランス式の証書の公示が試みられたのか

6. ドイツ方式とフランス方式

7. 不動産登記制度における信託目録の位置づけ

8. 現行不動産登記法

9. 現行不動産登記制度における信託登記の枠組み

10. 民事信託の契約書について

11. 選択作業と要約作業の密接不可分性

12. 信託目録の起案力(要約力)の重要性

13. 公示の作法に即した「要約」

14. なぜ信託の内容の公示が必要なのか

15. 登記の形式主義

16. 福祉型信託における信託登記と受益者保護

17. 受託者の権限外行為の蓋然性と受益者の同意の実質

18. 売却処分に関する受託者権限の定め

第2節 民事信託のための信託登記の実務(―家族信託の登記に固有な申請構造を巡る初めての登記先例―)

1. 登記先例の意義本年

2. 令和6年1月10日登記先例の事案

3. 「信託目録の記録から…明らか」という表現の意味

4. 本登記先例で示唆される登記申請の申請構造

5. 照会文の後段から判明する前提条件と照会の内容

6. 報告形式の登記原因証明情報

7. 本登記先例の事案における登記記録のイメージ

8. 帰属権利者=「みなし受益者」の旨の登記の申請は義務なのか?

9. 「みなし受益者」の登記

10. 受益者変更登記の登記原因

11. 委託者変更の登記申請の要否

12. 相続による委託者変更登記の要否

13. 不動産登記法104条の2第2項の変更登記申請のための前提登記

14. 受益者の登記が省略されている場合はどうなるのか

15. 不動産登記法104条の2第2項の登記の申請構造

16. 所有権移転なのか、変更なのか

17. 不動産登記法104条の2第2項の変更登記申請の登記原因

18. 受託者における利益相反性と「委付」という登記原因

19. 不動産登記法104条の2第2項の登記申請の申請人

20. 受益者の相続人が登記申請権を承継するという考え方

21. 遺言執行者と受遺者が同一人の場合における登記申請構造との比較

22. 登録免許税の特例適用のポイント

23. 本登記先例の事案の分析

24. 受託者=帰属権利者の場合の利益相反性

25. 登記識別情報の通知の有無

26. 本登記先例で残された論点

第7章 信託銀行・信託会社における高齢者の財産管理・財産承継

第1節 ニーズ

1. わが国の高齢者をめぐる状況

2. 超高齢社会の課題(高齢者のニーズ)

第2節 信託業者が提供する高齢者向け信託商品

1. 財産の管理・運用

2. 死後の対応

3. 承継

第3節 今後の課題

第8章 アメリカにおける民事信託

第1節 はじめに

1. アメリカにおける民事信託を論じる意味

2. アメリカの民事信託に関する法源

第2節 アメリカの民事信託の特長

1. エステートプランニングの主要ツールとしての信託

2. 高齢化対策、後見制度との関係

3. 信託設定の動機の最たるものは「プロベートの回避」

4. 信託の9割以上は信託宣言で設定される自益信託

5. 撤回不能の他益信託も活用されている

第3節 専門家の役割と責任

1. エステートプランニングに関わる弁護士の役割、責任、倫理

2. 裁判所は、委託者の意思決定の自由を尊重する判断によって、意思決定を促進する

3. 受託者の責任、信認義務(FiduciaryDuty)は厳格に解釈される

第4節 信託の中核を担う受託者の概況

1. 家族、友人が受託者になるケースが多い

2. プロ受託者(銀行の信託部門、信託会社)の広まり

3. 小規模信託の受託者確保が現代的課題になっている

第9章 民事信託における規制法上の問題点

第1節 民事信託における信託業法及び金融商品取引法における問題

1. 信託の設定時における問題

2. 信託期間中における信託業法・金融商品取引法上の問題

第2節 信託銀行による民事信託に関するアドバイザー業務に関する信託業法の規制

1. 信託銀行における民事信託とのかかわり

2. 信託銀行による家族信託のアドバイス業務

第3節 民事信託における宅地建物取引業

1. 宅地建物取引業法の規制

2. 民事信託における宅地建物取引業法上の規制

第10章 民事信託におけるアドバイザリー業務

第1節 弁護士におけるアドバイザリー業務

はじめに

1. 前提とするアドバイザリー業務

2. 法律専門家と民事信託(図1)

3. 法律専門家の職務に関する法律

4. 令和3年9月17日東京地裁判決

5. 弁護士会の取組

6. 最後に

第2節 司法書士における民事信託支援業務―業務としての法的根拠論を中心として―

1. はじめに

2. 民事信託支援業務の定義

3. 民事訴訟の陥穽と民事信託の陥穽

4. なぜ司法書士が先行したのか

5. 不動産信託中心の展開

6. 司法書士試験と信託法

7. 信託登記実務の急増

8. 本人訴訟支援業務の存在

9. 成年後見人本稿業務の活発化

10. 弁護士と司法書士

11. 司法書士は、報酬を得る目的で、民事信託の設定のための他人間の信託契約書の作成を業とすることができるのか

12. 信託契約書の作成について報酬を得る目的で業とすることは、誰にでも許容されるのか?

13. 契約書作成業務を巡って弁護士法72条が禁止の対象とすることの二つの要件

14. 弁護士法72条における「事件性」の範囲、程度、態様等に関する規範を示した裁判例群

15. 法務省による弁護士法72条違反の要件に関する見解

16. 産業競争力強化法7条2項の規定に基づくグレーゾーン解消制度における法務省の回答(2020年~2022年)

17. 法務省による事件性必要説の再確認

18. リーガルテックガイドラインの公表

19. 最判平成22年7月22日における規範との差異

20. リーガルテックガイドラインにおける「鑑定…その他の法律事務」要件の解釈

21. 契約書の作成という意味

22. 誰でもできる業務となるのか

23. 信託契約書は行政書士法1条の2の権利義務書類なのか

24. 行政書士法による禁止規定

25. 最判平成22年12月20日から見ると信託契約書は権利義務書類に該当するのか

26. 行政書士法上の共管事務

27. 橋谷教授の見解

28. 七戸教授の見解

29. 司法書士と行政書士の間における付随業務論

30. 司法書士業務としての法的根拠論

31. 法的根拠論の必要性が顕在化する契機─成年後見業務との差異

32. 司法書士法3条業務

33. 規則31条業務論―規則31条に関する議論の始まり

34. 規則31条業務論の三段論法

35. 規則31条業務論と弁護士法72条

36. 民事信託推進団体による法的根拠論

37. 規則31条の文言を読む

38. 規則31条1号の検討

39. 規則31条2号の検討

40. 5号の検討

41. 規則31条の法的効果論に関する見解の対立

42. 依頼者は誰なのか

43. 信託の民主化に向けて

第11章 民事信託における税務・会計

第1節 民事信託の税務

1. はじめに

2. 原則的な取り扱い

3. 受益者が存在しない場合の課税関係

4. 法定調書

第2節 民事信託の会計

1. 帳簿等の作成等、報告及び保存

2. 信託会計

第12章高齢者の財産管理と財産承継における民事信託の今後のあり方

高齢者の財産管理と財産承継における民事信託の今後のあり方

1. 「第1章 民事信託の現状認識と問題点」から

2. 「第2章 高齢者の財産管理」から

3. 「第3章 高齢者の財産承継」から

4. 「第4章 民事信託における利益相反」から

5. 「第5章 民事信託における信託財産の独立性」から

6. 「第6章 信託の登記」から

7. 「第7章 信託銀行・信託会社における高齢者の財産管理・財産承継」から

8. 「第8章 アメリカにおける民事信託」から

9. 「第9章 民事信託における規制法上の問題点」から

10. 「第10章 民事信託におけるアドバイザリー業務のあり方」から

11. 「第11章 民事信託における税務・会計」から

12. 最後に

索引

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