- 発売日
- 2022年03月31日
- 出版社
- 日本評論社
- 編著等
- 山野目章夫
初学者に向け、豊富な例題を交えながら、物権法の基本を明快に解説する。社会や経済、実務を踏まえた大きな視野で、民法を繙く。
目次
表紙
はしがき
目次
凡例
第1講 物権変動の基本原則
第1講のガイド
1 学び方
2 概念を知る
(1) 物権
(2) 物権変動
3 法文を読む
(1) 176条の「意思表示のみ」が大切
(2) 177条を読む
4 例題
5 原告や被告になったという想定で考える
6 登記がされないと誰が困るか?
第2講 不動産物権変動(1)
第2講のガイド
1 学び方
2 法文を読んで考える
(1)「初めから無効であったものとみなす」と定める121条の意義
(2) 取消し以後に出現した第三者と121条
3 判例を読む
(1) 復帰的物権変動というものの発見
(2) 判例理論の実際的な帰結
4 例題──契約解除と登記
(1) 契約解除の効力から考える
(2) 判例を読む
(3) ちらりと見ると似た規定であるけれど
5 例題──時効取得による物権変動の対抗
(1) 当事者の関係
(2) 時効完成前に出現する第三者
(3) 時効完成後に出現する第三者
(4) 再度の時効取得
(5) 起算時の選択の可能性
6 登記されるべき物権変動とは何か
7 法定代理人のいない制限行為能力者
第3講 不動産物権変動(2)
第3講のガイド
1 学び方
2 登記を実現するには、どうすればよいか?
3 登記が実現されると、どうなるか?
(1) 対抗要件という登記の役割
(2) 対抗要件でない登記の役割
4 登記が実現していると、どうなるか、さらに考える──裏返しの対抗問題
5 例題
6 住んでいない者に対する明渡請求はヘンか?
7 登記官とのコミュニケーション
第4講 動産物権変動
第4講のガイド
1 学び方
2 法文を読む準備
3 178条を読む
(1)「動産に関する」
(2)「物権の譲渡」
(3)「引渡し」
(4)「第三者」
4 192条を読む
(1)「平穏に、かつ、公然と」
(2)「動産の」
(3)「取引行為によって」
(4)「占有を始めた」
(5)「善意であり、かつ、過失がないとき」
(6)「動産について行使する権利」
(7)「取得する」
(8) 盗品・遺失物の特則
5 例題
6 訴訟における攻撃防御
7 刑事事件と即時取得
第5講 物権的請求権と占有訴権
第5講のガイド
1 学び方
2 手かがりとなる法文を読む
3 物権的請求権
(1) 物権的請求権の形態──所有権に基づく請求権の類型
(2) 物権的請求権の性質
4 占有訴権
5 物権的請求権と占有訴権の関係
6 例題
7 昭和──戦後の混乱期
8 平成から令和──災害が頻発する時代へ
第6講 所有権
第6講のガイド
1 学び方
2 基本から問う──所有権とは何か
3 相隣関係──209条を読む
4 原始取得
(1) 添付──243条・244条を読む
(2) 不動産の付合──242条を読む
(3) 無主物の帰属──239条を読む
5 共有
(1) 共有者の使用権──249条を読む
(2) 共有物の管理──251条・252条を読む
(3) 共有物の分割──256条・258条を読む
6 例題
第7講 土地利用と各種の物権
第7講のガイド
1 学び方
2 民法が定める4つの用益物権
(1) 地上権
(2) 永小作権
(3) 地役権
(4) 入会権
3 物権法定主義
4 相隣関係
(1) 相隣関係の考え方
(2) 隣地の迷惑な樹木
(3) 境界近傍の建築
(4) 公道に至るための他の土地の通行権
5 例題
6 借地権の概念を正しく理解する
7 土地の管理という課題の出現
第8講 抵当権(1)
第8講のガイド
1 学び方
2 法文を読みはじめる──抵当権の基本規定としての369条1項
3 抵当権の法律関係の当事者
4 非占有担保という特徴
5 抵当権と被担保債権との関係
6 担保に供した不動産
7 優先弁済の効力
(1) 言葉を知る── 一般債権者と後順位担保権者
(2) 抵当権の順位の変更
(3) 抵当権またはその順位の譲渡
(4) 抵当権またはその順位の放棄
(5) 転抵当
8 例題
9 根抵当権こぼればなし
第9講 抵当権(2)
第9講のガイド
1 学び方
2 法文を読む
3 物上代位
4 担保不動産収益執行
5 抵当不動産の賃貸借
(1) 賃借人のための明渡猶予
(2) 抵当権者の同意に基づく賃貸借の対抗の制度
6 法定地上権
7 例題
8 西洋法制史への誘い
第10講 抵当権(3)
第10講のガイド
1 いくつかの抵当権の発展問題
2 共同抵当──392条を読む
3 同時配当の場合の解決
4 異時配当の場合の解決
5 すこし寄り道をしよう──弁済による代位
6 異なる話題──時効の166条・396条を読む
(1) 抵当権の消滅時効の可能性
(2) 物上保証人との関係における時効の法律関係
7 例題
8 担保保存“義務”と人はよぶけれど
第11講 典型担保の全体像
第11講のガイド
1 学び方
2 留置権──留置が認められる法定担保
(1) 留置権の成立要件
(2)「物に関して生じた債権」の考え方
(3)「物に関して生じた債権」の具体例
(4) 留置権者の占有の適法性の要請
(5) 留置権の効力
3 先取特権──優先弁済が認められる法定担保
4 質権──留置が認められる約定担保
(1) 動産質
(2) 不動産質
(3) 権利質
5 抵当権──優先弁済が認められる約定担保
6 例題
7 明朝に帰らなければ警察へ
第12講 非典型担保
第12講のガイド
1 学び方
2 不動産の譲渡担保
(1) 譲渡担保の設定
(2) 譲渡担保の実行
(3) 譲渡担保の法的構成
3 流動集合動産譲渡担保
(1) 流動集合動産譲渡担保の設定
(2) 流動集合動産譲渡担保の対抗要件
(3) 流動集合動産譲渡担保の効力
4 流動集合債権譲渡担保
5 仮登記担保
6 所有権留保
7 例題
8 令和の不動産登記制度改革へ
番外編 相続と登記
番外編のガイド
1 相続の基本的なしくみ
2 協議による遺産の分割
(1) 相続開始後の時間の経過と協議による遺産の分割
(2) 協議による遺産の分割と登記
(3) 協議による遺産の分割と第三者
3 特定財産承継遺言
4 遺贈をめぐる法律関係
5 共有物分割
6 遺産の共有と共有物分割
(1) 相続開始から10年が経過するまで
(2) 相続開始から10年が経過した後
7 相続の放棄と登記
8 相続と登記の学び方
事項索引
判例索引
奥付