BUSINESS LAWYERS LIBRARY

医療事故・ペイシェントハラスメント 紛争予防・解決の実践的手法

発売日
2023年08月20日
出版社
日本法令
編著等
福﨑博孝

病医院の医師・看護師・スタッフなどを悩ませる、患者とのトラブル。医療機関では、患者による嫌がらせ(いわゆる「ペイシェントハラスメント」)についての調査が進められ、その対応策が望まれています。本書は、患者側・医療者側の双方の弁護経験がある著者が、病医院でのペイシェントハラスメントへの対応、紛争の予防、内部体制の整え方、医療関係紛争回避等について、自身の経験から実践的な具体的方法を解説します。

目次

表紙

まえがき

1 いま医療機関はハラスメントトラブルに苦慮している

2 患者・家族の“誤解や悪感情”が医療関係紛争を惹起する

3 医療者は“常識ある言動”によって医療関係紛争を回避しなければならない

4 本書において明らかにしたいこと-紛争回避の手法

もくじ

序章 臨床医療現場での具体的な体験によって形成された〝医療関係紛争に関する私の考え方〞

1 私の弁護士としての履歴(自己紹介)

2 “患者・家族側の弁護士だった過去の履歴”と、それに影響された“私の考え方”

⑴ “患者・家族の感情”に結論が左右された2つの医療事故事案について

⑵ 医療事故事案の紛争の背景は“判決書”を読むと理解できる場合がある

3 A病院の医療安全管理委員会で学んだ“患者・家族との向き合い方”

⑴ 医療の現実を知って(患者・家族と医療者の)双方の考え方を理解できるようになった

⑵ A病院の医療安全管理委員会が私の思考を鍛えてくれた!

⑶ 当時(平成16年頃)の病院ではペイハラトラブルが急増していた

⑷ 当時のペイハラトラブルへの対応は“職員個人の力量”に任されていた

⑸ 職員個人の力量に任されたペイハラ対応は“その職員を精神的に追い詰める”

⑹ 当時の私(弁護士)には何もできなかった

⑺ ペイハラトラブルに対し“病院全体で組織的対応”を行うようになった!

⑻ ペイハラ担当職員への“後方支援”が可能になった!

⑼ 原則的に弁護士(私)は患者・家族と直接対峙しない(ようにしている)

⑽ ペイハラトラブル対応にはいくつかの重要な原則があることに気が付いた!

第1章 医療事故紛争、〝その患者・家族との向き合い方〞(医療事故紛争の回避の仕方)

1 医療事故紛争を防ぐインフォームド・コンセント

⑴ インフォームド・コンセントの欠如(説明不足)が惹起する医療事故紛争

⑵ “想定外の事態”をめぐる認識のズレが惹起する医療事故紛争(例えば「合併症」)

⑶ 説明不足とならないための看護師の役割(看護師に求められるインフォームド・コンセント)

⑷ まとめ(医療事故紛争を回避するためのインフォームド・コンセント)

2 医療事故紛争を防ぐ“診療記録への十分かつ正確な記載”

⑴ 診療記録による真実性の担保-その裁判例-

⑵ 診療記録への記載・不記載-その裁判例-

3 医療事故発生“直後”における患者・家族との向き合い方(ボタンの掛け違いをなくすために)

⑴ 医療事故発生直後における“患者・家族への謝罪の在り方”(真摯な謝罪)

⑵ 医療事故発生直後における説明責任

⑶ 患者・家族から診療記録の開示を求められたときの“医療者の対応”(診療記録の速やかな開示)

⑷ 遺族から要求される “医療事故調査”

4 まとめ(6つの対応における紛争回避機能・紛争増幅阻止機能)

第2章 ペイシェントハラスメント、〝その患者・家族との向き合い方〞(ペイシェントハラスメントへの対処法)

はじめに

1 長崎県のペイハラアンケートに見られるハラスメントの実態

⑴ 長崎県看護協会の報告書に見られる被害実態

⑵ 長崎県医師会の報告書に見られる被害実態

⑶ ペイハラアンケートに見られる “病院側の対応”

2 “ペイシェントハラスメント”という考え方(“モンスターペイシェント”と呼ぶべきではない理由)

⑴ モンスターペイシェントは患者・家族の「性格」が問題なのか、それとも「言動」が問題なのか?

⑵ いわゆる「モンスターペイシェント」について

⑶ いわゆる「モンスターペイシェント」は“ハラスメント”であり、その中でも“ペイシェントハラスメント(ペイハラ)”に分類される

3 ペイハラの違法性を考える

⑴ 違法性その1(パワハラから見るペイハラの違法性)

⑵ 違法性その2(カスハラ対策企業マニュアルに見るペイハラの違法性)

⑶ 違法性その3(ペイハラは患者・家族に課せられた診療協力義務に違反し違法である!)

4 カスハラ対策企業マニュアルから見る“ペイハラ対策”

⑴ ペイハラ対策の必要性とそのメリット

⑵ パワハラ防止指針で求められるペイハラへの“病院の取組”と、その法的責任

5 ペイハラへの対処法

⑴ ペイハラのタイプを考える

⑵ ペイハラへの組織的対応

⑶ ペイハラへの現場対応

⑷ 医師・病院の応招義務の可否(診療の拒絶は許されるのか)

⑸ 担当職員の基本姿勢

⑹ 事実経過の記録の仕方

資料

資料1 診療情報の提供等に関する指針(厚生労働省)

資料2 医療事故に係る調査の流れ(厚生労働省)

資料3 ペイシェントハラスメントアンケート(長崎県看護協会・長崎県医師会)の調査報告書

資料4 各都道府県医師会及び医療機関との連携の推進等について(警察庁)

資料5 応招義務をはじめとした診察治療の求めに対する適切な対応の在り方等について(厚生労働省)

資料6 絶対に許しません! 暴言・暴力・迷惑行為(長崎県医師会・長崎県警察)

あとがき

奥付

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