- 発売日
- 2021年03月01日
- 出版社
- 日本加除出版
- 編著等
- 浜辺 陽一郎
基礎から実務まで、この一冊で国際ビジネス法がわかる!基本をマスターしたい方、苦手を克服したい方に最適の書。国際取引法の分野に精通した著者が、基礎から実務まで幅広く解説。この一冊で国際ビジネス法がわかる!図解・判例・コラムを多数用いて、複雑な国際ビジネスの仕組みをわかりやすく解説。国際ビジネスを取り巻く法的リスクを取り上げ、その対処法も含めて解説。インコタームズ2020、USMCA、暗号資産、経済外交の進展など、国際ビジネスに大き な影響を与える最新のテーマに対応!
目次
表紙
目次
第1部 総論編
第1章 国際ビジネス法とは、どういうものか
1 国際ビジネスを規律する法─ 国内法と国際法
2 国際ビジネスの意義─ 豊かな社会の構築に向けて
3 グローバリゼーションに伴うビジネスの変化─ ビジネスの複雑化・高度化に伴う洗練された法的リスク・マネジメント
4 国際ビジネス・リスクの高まり─ 戦略なき事業展開の危険性
5 国際取引を促進する国際的枠組み─ WTO、国際連合、複数国家間、民間団体等による多元的な取り組み
6 国際ビジネスの言語─ ビジネスの共通言語としての英語
第2章 国際ビジネスを規律する法的枠組み
1 国際ビジネス法に関するルール適用の構造─ あらゆる法令が関係してくる重層性が特徴
2 国際私法(抵触法)─ 法性決定から導かれる連結点によって準拠法を特定し、適用する法が定まる
3 法の適用に関する通則法─ 国際ビジネスにおける日本での法の適用に関する基本的ルール
4 国際取引契約における準拠法の選択─ 合意がなければ法廷地の国際私法で導かれる準拠法を適用
5 国際ビジネスに対する公法的規制─ 属地的適用の原則と各種の規制
6 国際ビジネスの統一法─ 経済合理性を基礎とした市場関係者に共通のルール明確化を目指す
7 レクス・メルカトリア─ 国際取引に直接に適用される非国家法規範
8 ユニドロワ─ 世界一流の学者が法体系間の調和を図る一般的準則を考案
9 外国法が準拠法となるとき─ 国内法を適用する場合と異なる問題が生じる
10 英米法─ 国際ビジネスに圧倒的影響力を有する
11 外国法令違反のリスク─ 海外における厳しい法規制を遵守するための内部統制の重要性
12 外国法令の域外適用─ 海外での行為も規制する必要があれば制裁金も課される
13 グローバル化に対応した企業の社会的責任─ 地球環境に配慮した健全で持続可能な世界の構築を目指し、説明責任を果たす
第3章 国際ビジネスの主体
1 外国人の地位─ 内国人とは異なる特別の取扱いルール
2 国家・公的団体─ 主権免除のままではビジネスに参加できないので民事裁判権に服する
3 会社とパートナーシップ─ 国際ビジネスにおいて、より多様化する事業主体の選択肢
4 外国会社の規制─ 国内の債権者を保護するための外国会社に対する特別の規律
5 擬似外国会社─ 日本で主たる事業活動を行うだけで外国では何もしない会社の規律
6 法人格否認の法理─ 多国籍企業の親会社に対する責任追及のための理論
7 外国法人との取引─ 取引の安全のための基本的概要の公示制度の活用
8 代理の準拠法─ 本人のために第三者が代理行為をする場合の各法律関係の準拠法は別々に検討
9 国際ビジネス弁護士─ 国際ビジネスに精通する法律専門家の活用による法的リスクのチェック
10 外国弁護士─ 外国で資格のある弁護士を活用して海外の法制にも的確に対応
11 会計・税務その他の専門家─ 国際的案件を多角的に検討できる豊富な人材が求められる
第4章 国際取引の紛争解決手続
1 紛争解決手続の選択─ 国境を越えた紛争解決手続
2 国際商事仲裁の優位性─ 手続地における審理方法から強制執行の可否が問題
3 国際商事仲裁に関するルールとガイドライン─ IBAガイドラインの活用
4 国際商事仲裁の特徴─ 当事者間の合意を最大限尊重する紛争解決システム
5 仲裁条項─ 仲裁の合意で、どこまで定めるべきか
6 外国仲裁判断の承認と執行─ ニューヨーク条約と国内民事手続法
7 国際裁判管轄─ 国際的条約がない中で国際慣習法等から導かれるルール
8 国際訴訟競合─ 外国で提訴された紛争案件について自国でも逆提訴ができるのか
9 米国の民事訴訟─ 陪審制度を軸として徹底した証拠開示制度と複雑な証拠法が規律する
10 国際司法共助─ 国境を越えた文書の送達や証拠収集に向けた国際的な連携の枠組み
11 外国の民事判決の承認・執行─ 日本では民事訴訟法118条と民事執行法24条の要件充足で執行可能
12 国際ビジネスに伴う不法行為─ 事業活動の過程で発生した事件・事故に対する損害への対応
13 国際倒産と清算─ 債権者を平等に扱うための国際的な法的倒産手続
14 事業撤退における諸問題─ 巨額の補償金を要求されるケースも
第5章 国際ビジネスの規律をめぐる国家の役割
1 投資協定─ 投資対象国の協定違反を救済して投資企業を保護する仕組み
2 WTOの紛争解決手続─ 当事者間だけでは埒があかない貿易に関する国際紛争の解決手続
3 国際税務紛争─ 国家間の税金の取り合いを調整するための仕組み
第2部 各論編
第1章 国際ビジネスの発展過程
1 グローバルなビジネス展開の手法─ 海外ビジネス戦略からスキームを選択
2 駐在員事務所の開設─ 営業活動を行う前の段階における準備的な活動の拠点
3 外国における支店─ 同じ会社名を使用する本国法人と同じ法人格での海外事業展開
4 国際ビジネスの地域的拡大─ 未知の領域の開拓
第2章 国際売買契約
1 国際物品売買─ 目的物の海外運送と国際的な支払の決済が必要
2 ウィーン統一売買条約(CISG)─ 統一的な国際物品売買契約に関するルール実現に向けた取り組み
3 インコタームズ─ 貿易条件の集大成
4 米国統一商事法典─ 世界的に影響を与えるモデル法
5 物品の引渡し─ 期日又は合意された期間内に本船上で物品を引き渡して危険負担が移転
6 代金の支払方法─ 国際取引における代金決済リスクを抑制する荷為替手形と荷為替信用状
7 信用状の仕組み─ 独立抽象性の原則や書類取引の原則等によって支払確保
8 国際物品運送─ 国境を越えて物品を運送する際に適用される各種の国際的規律
9 国際航空運送─ 航空運送人の責任と国際裁判管轄に関する条約がある
10 エスクロー─ 金銭や取引の目的物等を条件付きで第三者に預けて契約の履行を担保
11 国際取引における保険─ 国際取引における貨物運送のリスクから非常危険や信用危険も填補
12 基本契約と個別売買契約─ 継続的に取引する場合は基本契約書を締結して個別の取引を省力化
第3章 国際的な継続的取引
1 販売店契約─ 他国で自社の製品を流通させるため対象製品を売却して販売店が再販売する
2 代理店契約─ 他の事業者のために取引の代理又は媒介
3 独占的権利の付与─ 所定の領域内で唯一の独占的・排他的な権利を取得する
4 国際フランチャイズ契約─ 強力なイメージ戦略の下にフランチャイザーの指導・援助で事業展開
5 国際ライセンス契約─ 知的財産権の効果的活用をめぐる利害対立を克服する国際的な取り組み
6 国際OEM契約─ 製品を企画して製造を委託して製品を買い取る生産業務提携契約
7 国際業務提携契約─ 自社だけでの限界を打破するためにリスクの分散と業務の拡大を狙いとする
8 ジョイント・ベンチャー(共同事業契約)─ 共同して事業をコントロールすることに伴うリスクを踏まえて運営
9 役務提供契約─ 海外から専門的な能力・技能に裏づけられた各種の役務を提供してもらう
10 電子商取引からネットビジネスへの転換─ コストの削減と効率的な事業運営
第4章 国際金融取引
1 間接金融の仕組み─ 貸付金額が巨額となる場合に工夫されたシンジケートローン
2 国際リース取引─ 動産や売掛債権等を金融取引によって活用
3 国際ファクタリング取引─ 売掛債権の管理・回収や依頼企業への融資を行う
4 金融デリバティブ取引─ 変動相場制と金利の自由化によるリスクに対応するための国際金融
5 スタンドバイ信用状─ 債務不履行があった場合に備えて履行保証のために使われる信用状
6 外国債券─ 海外の事業体が資金調達をする直接金融の手法
7 プロジェクト・ファイナンス─ 資金調達対象である一定の事業からの収益で返済していく大型スキーム
第5章 国際的な事業再編とグローバル企業の事業展開
1 国際M&A─ シナジー効果を発揮させるための事業再編の活発化
2 三角合併・三角株式交換─ 外国の親会社が日本で設立した完全子会社に親会社株式を移動させる組織再編
3 海外子会社の運営─ 重要な海外子会社等は企業集団内部統制の管理・モニタリングの対象
4 多国籍企業の事業展開─ 欧米流の経営手法によるグローバルな戦略の導入と発展
5 敵対的買収の脅威─ 市場による上場企業に対するコントロールの功罪
第3部 実務編
第1章 国際取引の一般的な契約手法
1 契約書の重要性─ 自由だからこそ自己責任の原則に留意
2 国際取引契約書の仕組みと構造─ 英米法の影響を受けた英文契約書に原型がある
3 英文国際契約書作成の基本姿勢─ 客観的に論理的かつ合理的な権利・義務内容を確実に盛り込む
4 国際契約交渉の進め方─ 甘えの許されない真剣かつ徹底的な議論を通して信頼関係を構築する
5 国際契約交渉の手法─ 将来のビジネスの成功に向けられた共同作業を契約内容に結実
6 契約締結交渉における法的リスク─ 契約交渉にかかるコストとエネルギーが無駄となった場合の損失処理
第2章 国際取引契約の実務的諸問題
1 基本合意書等の取り交わし─ 短期間に基本的な方向性だけを定め、詳細は正式契約で
2 秘密保持契約─ 情報の重要性を踏まえた必須のリスク・マネジメント
3 デューディリジェンス─ 多角的に徹底的に精査することによってリスクへの対応に結びつける
4 表明保証─ 契約の対象・前提を契約書に明記することで取引による利益確保を目指す
5 補償条項─ 虚偽、不正確又は不完全な情報開示によって負担した損失をカバーする
6 取引の条件設定─ 誓約事項等が履行できなかった場合にはクロージングに至らない
7 最終確定契約の締結からクロージング─ クロージングで当事者が所定の債務を履行することで取引目的を達成
第3章 英文契約書作成の作法と現実
1 英文契約書の典型表現─ 定型的な表現を使いこなす重要性
2 定義規定の重要性─ 長文の契約書を一貫して論理的かつ正確にドラフトしていく工夫
3 付随的義務の定め─ 本質的な事項ではなくともビジネスの成否に重大な影響を及ぼす
4 解除条項と終了条項─ 契約を無事終わらせるためにも締結当初の段階から十分な工夫と対策が必要
5 継続的契約の終了をめぐる紛争─ 金銭的清算から賠償問題や知的財産権等の取扱いまで
6 一般条項の重要性─ すべての場合に一般原則として適用される条項は応用範囲が広い
7 不可抗力条項とハードシップ条項─ 想定外の事態で契約の履行を強制することが不適切な場合の対処を定める
8 完全合意条項─ 契約書が従前のすべての合意に代わる完全な合意であることを明示する
9 変更修正条項─ 変更のための手続・要件を定めることで不用意な契約変更を防ぐ
結びに代えて~健全な国際ビジネスの発展のために
奥付