- 発売日
- 2022年06月10日
- 出版社
- 有斐閣
- 編著等
- 泉水文雄
独禁法がある行為をなぜ規制するのか、その行為はどうして競争を制限することとなるのかから出発し、事実を丁寧に検討した上で、一般的な解釈がどうなっているのかを、経済学の考え方も交えながら体系的に論じる。エンフォースメントにも目配りが行き届いた研究者・実務家にとって必携の一冊。
目次
表紙
はしがき
略目次
目次
凡例
第1章 総論
第1節 独禁法の位置
第1項 市場と独占禁止法,経済法
第2項 日本と世界の動き
第3項 市場の失敗・限界と法の役割
第2節 独禁法の目的,体系,歴史
第1項 独禁法1条
第2項 独禁法の目的
第3項 独禁法の体系
第4項 法改正の概要
第5項 SCPパラダイムとその変遷,Theory of harm
第3節 基本概念
第1項 事業者
第2項 事業者団体
第3項 「により」(行為要件と効果要件)
第4項 一定の取引分野における競争を実質的に制限する
第5項 公正競争阻害性
第6項 公共の利益
第7項 競争制限,競争促進効果,合理性(合理的理由)
第2章 企業結合
第1節 はじめに
第1項 企業結合とは
第2項 企業結合の特徴と規制方法
第3項 企業結合の種類ーー水平型,垂直型,混合型
第2節 「企業結合」
第1項 定義等
第2項 結合関係
第3項 結合関係とガンジャンピング
第3節 一定の取引分野(概論)
第4節 市場画定における需要の代替性,供給の代替性
第1項 需要の代替性
第2項 供給の代替性
第3項 実際の事例
第5節 仮定的独占者テスト
第1項 仮定的独占者テストとは
第2項 企業結合ガイドライン
第3項 仮定的独占者テストの実際
第4項 市場画定における様々な主張方法
第5項 国境を越えた地理的市場
第6項 重層的市場画定の可否
第7項 二面市場・多面市場,重層的市場
第8項 セロファン・ファラシー
第9項 市場画定はつねに必要か,市場支配力の直接測定,経済分析
第10項 東宝スバル事件と市場画定
第6節 水平型企業結合と競争の実質的制限
第1項 競争の実質的制限の意義
第2項 競争の実質的制限の判断方法
第3項 東宝スバル事件と競争の実質的制限,その後
第4項 単独行動による競争の実質的制限
第5項 協調的行動による競争の実質的制限
第6項 典型事例と競争の実質的制限
第7項 少数株式の並行的取得と競争の実質的制限
第7節 垂直型企業結合
第1項 ASML・サイマー経営統合事例を参考に
第2項 その後の展開と企業結合ガイドライン
第8節 混合型企業結合
第1項 混合型企業結合
第2項 組合せ供給
第3項 潜在的競争者の消滅等
第9節 デジタル・プラットフォーム,データ,スタートアップ企業の企業結合,イノベーション
第10節 問題解消措置
第1項 構造措置と行動措置
第2項 構造措置
第3項 行動措置
第4項 事例
第11節 手続
第1項 手続の内容
第2項 届出基準と審査対象
第3項 緊急停止命令
第4項 報告等の受理の時期,届出前相談
第5項 「重要な事項」と排除措置命令等
第12節 一般集中規制
第1項 一般集中規制の意義
第2項 事業支配力の過度集中規制(9条)
第3項 金融会社の株式保有規制(11条)
第13節 独占的状態の規制
第1項 企業分割制度
第2項 定義と発動要件(弊害要件)
第3章 不当な取引制限
第1節 総論
第1項 不当な取引制限
第2項 2条6項の定義
第3項 多摩談合(新井組)事件最高裁判決
第2節 価格カルテル
第1項 共同して,相互拘束
第2項 一定の取引分野,競争の実質的制限
第3項 不当な取引制限の成立時期(始期)
第3節 価格カルテル等
第1項 公共の利益に反して
第2項 価格カルテルの発展問題
第3項 数量制限カルテル,取引先制限カルテル,市場分割カルテル
第4節 入札談合
第1項 入札談合と不当な取引制限
第2項 多摩談合事件最高裁判決と行為要件,効果要件
第3項 確実に受注できる者がいる場合と不当な取引制限
第4項 入札談合と遂行説,不当な取引制限の成立時期と公訴時効
第5節 不当な取引制限の終期および離脱
第6節 官製談合
第7節 垂直的制限
第1項 販売地域の制限等
第2項 流通・取引慣行ガイドライン
第3項 社会保険庁シール談合事件
第4項 その後の入札談合事件と相互拘束,競争関係(再論)
第8節 非ハードコア・カルテル
第1項 非ハードコア・カルテルと不当な取引制限
第2項 弁護士会による懲戒処分
第3項 レジ袋の有料化と料金の決定
第4項 東日本大震災,新型コロナウイルス感染症と共同行為
第5項 高速バスの共同運行
第6項 相互OEM供給
第7項 共同購入
第8項 移籍制限
第4章 事業者団体
第1節 8条の規制
第2節 事業者団体に対する規制と事業者に対する規制
第1項 両方の規制ができる場合とできない場合
第2項 3条の規制と8条の規制の比較
第3節 競争の実質的制限(1号)
第4節 国際的協定・契約(2号)
第5節 事業者の数の制限(3号)
第6節 構成事業者の機能・活動の不当な制限(4号)
第7節 不公正な取引方法の勧奨(5号)
第8節 ガイドライン,相談事例集
第5章 私的独占
第1節 2条5項
第1項 行為要件
第2項 効果要件
第3項 市場支配力の行使と私的独占
第4項 「私的」独占
第2節 排除型私的独占
第1項 排除行為と「人為性」,「排除効果」
第2項 NTT東日本私的独占事件最高裁判決と各要件
第3項 JASRAC事件最高裁判決
第4項 排除型私的独占ガイドライン
第5項 差別対価,不当廉売,取引拒絶
第6項 他の事例
第3節 支配型私的独占
第1項 支配行為とは
第2項 株式取得,役員兼任,事業分野の制限
第3項 販売地域,販売先,販売価格等の制限
第4項 入札談合,官製談合と類似行為
第5項 間接支配?
第6章 不公正な取引方法
第1節 不公正な取引方法の規制の概要
第1項 2条9項
第2項 条文の読み方と公正競争阻害性
第3項 公正競争阻害性の3類型
第4項 おそれ
第5項 自由競争減殺と流通・取引慣行ガイドラインの判断基準
第2節 共同の取引拒絶
第1項 2条9項1号,一般指定1項
第2項 行為要件
第3項 効果要件,公正競争阻害性,正当な理由
第4項 私的独占,不当な取引制限
第5項 不公正な取引方法
第3節 単独の取引拒絶
第1項 一般指定2項
第2項 単独の直接取引拒絶ーー流通・取引慣行ガイドラインに示される「例」
第3項 ②(ⅲ)の射程ーー新規取引の拒絶,単独かつ一方的な取引拒絶
第4項 単独の取引拒絶の発展問題
第5項 単独の間接取引拒絶
第4節 差別対価
第1項 差別対価の定義,分類
第2項 2条9項2号,一般指定3項ーー差別対価はどのような場合に違法なのか
第3項 取引拒絶類似型差別対価
第4項 不当廉売型差別対価
第5項 ハイブリッド型差別対価
第6項 買い手段階の差別対価
第5節 不当廉売
第1項 2条9項3号と一般指定6項
第2項 2条9項3号
第3項 一般指定6項
第4項 排除型私的独占における「商品を供給しなければ発生しない費用を下回る対価設定」
第5項 事例
第6項 発展問題
第6節 不当顧客勧誘・取引強制
第1項 ぎまん的顧客誘引
第2項 不当な利益による顧客誘引
第7節 抱き合わせ販売
第1項 抱き合わせの要件
第2項 公正競争阻害性
第3項 正当な理由
第4項 アフターマーケットと自由競争減殺
第5項 流通・取引慣行ガイドラインの「抱き合わせ販売」
第8節 排他条件付取引
第1項 一般指定11項
第2項 公正競争阻害性
第3項 不当でない場合(正当化理由,競争促進効果)
第4項 行為類型と市場閉鎖効果
第5項 他の規定との適用関係
第9節 再販売価格の拘束
第1項 2条9項4号
第2項 行為要件
第3項 公正競争阻害性
第4項 正当な理由
第5項 適用除外
第6項 発展問題
第10節 拘束条件付取引
第1項 一般指定12項
第2項 市場閉鎖効果型と価格維持効果型
第3項 市場閉鎖効果型
第4項 価格維持効果
第5項 価格拘束,価格の広告・表示の制限
第6項 販売地域の制限
第7項 帳合取引の義務付け
第8項 仲間取引の禁止
第9項 安売り業者への販売禁止
第10項 需要者による供給者の取引の拘束
第11項 販売方法の制限
第12項 選択的流通,インターネット販売の禁止
第13項 非係争条項
第14項 最恵待遇条項・同等性条件
第15項 輸入総代理店契約,並行輸入阻害
第11節 優越的地位の濫用
第1項 2条9項5号
第2項 優越的地位
第3項 濫用行為(不利益行為)
第4項 公正競争阻害性
第5項 他の事例
第6項 フリーランス等と優越的地位の濫用
第7項 消費者と優越的地位の濫用
第8項 下請法
第12節 競争者に対する取引妨害
第1項 一般指定14項
第2項 物理的妨害等
第3項 威圧,妨害,偽計
第4項 契約の奪取
第5項 部品の取引拒絶・供給遅延
第6項 協同組合等によるアウトサイダー,新規参入者に対する取引妨害
第7項 並行輸入の阻害
第8項 その他自由競争減殺と一般指定14項の射程
第7章 国際適用
第1節 独禁法の域外適用
第1項 はじめに
第2項 域外適用とは
第3項 適用範囲の問題と手続上の問題
第4項 法律の適用範囲ーー属地主義と効果主義
第5項 効果主義
第6項 具体例
第7項 手続上の問題
第8項 外国における送達・公示送達
第2節 国際カルテルなど
第1項 国際市場分割協定
第2項 国際カルテル
第3節 独禁法6条の存在意義
第1項 6条
第2項 学説
第3項 レーヨン糸国際カルテル事件
第4項 他の事例
第5項 独禁法6条の現代の役割?
第4節 国際企業結合・ジョイントベンチャー
第5節 国際ライセンス契約
第6節 並行輸入と知的財産権
第7節 競争政策の国際協力
第1項 域外適用と国家主権の対立
第2項 消極礼譲と積極礼譲
第3項 国際執行協力
第8章 個別分野と競争
第1節 はじめに
第2節 知的財産権と独禁法21条
第1項 独禁法21条の解釈
第2項 不当な取引制限,私的独占
第3項 不公正な取引方法
第4項 技術標準
第3節 組合の行為と独禁法22条
第1項 独禁法22条
第2項 「組合の行為」
第4節 再販売価格の拘束と独禁法23条
第5節 事業法と独禁法
第1項 電気通信事業法と独禁法
第2項 認可運賃・料金と独禁法
第3項 地銀・バス特例法
第6節 デジタル・プラットフォームと競争
第1項 プラットフォームの特性
第2項 プラットフォームと独占禁止法
第3項 二面市場と市場画定,競争の実質的制限の判断
第4項 単独行為
第5項 企業結合
第6項 優越的地位の濫用
第7項 競争法の補完規制
第7節 消費者保護と競争政策
第1項 競争政策から見た消質者保護の役割
第2項 景品表示法と課徴金制度
第3項 まとめ
第8節 不当顧客誘引と「不当需要喚起行為」
第1項 不当需要喚起行為
第2項 狭義の不当需要喚起行為
第3項 不当供給量増大行為
第4項 不当供給量増大行為と需要の減少
第5項 まとめ
第9章 エンフォースメント
第1節 排除措置命令
第1項 不当な取引制限,私的独占
第2項 不公正な取引方法
第3項 手続
第4項 執行停止請求,記録の閲覧・謄写
第2節 課徴金納付命令
第1項 はじめに
第2項 不当な取引制限,事業者団体
第3項 私的独占
第4項 不公正な取引方法
第3節 確約手続
第1項 制度の概要
第2項 意義と課題
第3項 事例
第4節 緊急停止命令
第5節 差止請求
第1項 はじめに
第2項 第8条第5号又は第19条の規定に違反する行為
第3項 違反する行為によつてその利益を侵害され,又は侵害されるおそれがある者
第4項 これにより著しい損害を生じ,又は生ずるおそれがあるときは
第5項 その侵害の停止又は予防を請求することができる
第6節 損害賠償請求
第1項 民法と独禁法25条に基づく損害賠償請求
第2項 行為類型ごとの問題
第7節 私法上の効力
第1項 問題の状況
第2項 違反行為自体と無効説
第3項 違反行為に基づく契約
第8節 刑事罰
第1項 不当な取引制限の罪
第2項 官製談合と刑事罰
事項索引
判決・審決等索引
奥付