- 発売日
- 2025年04月21日
- 出版社
- 発明推進協会
- 編著等
- 佐々木 眞人
米国の重要判例から自明性(Obvious)の歴史をひもとく! 米国における特許要件の一つに「自明性」があります。これが米国特許法に規定されたのは1952年ですが、それ以前の裁判においても自明性に相当する要件の判断は下されていました。本書は、自明性に関する重要判例を時系列で整理し、自明性(103条)の立法化に至る経緯や、立法化後に裁判所がどのような判断を下してきたのか、分かりやすく解説しています。また、米国特許審査便覧(MPEP)で紹介されている103条の理論的根拠や判例にも言及しています。
目次
表紙
はしがき
凡例
目次
第1章 序章
第1節 判例法主義
第2節 判例法と制定法
第3節 103条の立法前の判例
1 Hotchkiss判決
2 Reckendorfer判決
3 Smith判決
4 Atlantic Works判決
5 Phillips判決
6 Concrete Appliances判決
7 Electric Cable Joint判決
8 Cuno Engineering判決
9 Great Atlantic判決
第2章 103条の立法
第1節 1952年特許法改正まで
第2節 1952年改正特許法における103条
第3節 103条の立法趣旨
第4節 2011年特許法改正までの103条の改正
1 1984年特許法改正
2 1995年特許法改正
3 1999年特許法改正
4 2004年特許法改正
5 2011年特許法改正(AIA改正)
第3章 103条の立法後KSR 判決までの判例
第1節 自明性の判断手法を示した判例
1 Graham判決の概要
2 Graham判決で判示された自明性の判断の際の事実認定
3 関連する技術分野における技術レベル
4 二次的考慮事項(Secondary considerations)
第2節 Graham判決以降KSR 判決より前までの最高裁判例
1 Adams判決
2 Calmar判決
3 Andersonʼs-Black Rock判決
4 Sakraida判決
5 Dann判決
第3節 KSR判決
1 KSR判決の概要
2 KSR判決において引用された3つの最高裁判決
3 TSMテスト
4 KSR判決において示された自明性判断
第4章 KSR判決後の判例
第1節 USPTOによる自明性判断のための審査ガイドライン
1 2007年審査ガイドライン
2 2010年審査ガイドライン
3 2024年審査ガイドライン
第2節 MPEP 2141における103条に基づく自明性判断のための審査ガイドライン
1 KSR判決と自明性の法の原則
2 Graham判決による基本的事実認定
3 103条による拒絶を裏付ける理論的根拠
第3節 MPEP 2143一応の自明性の基礎的要件の事例
1 一応の自明性
2 一応の自明性の確立
3 各理論的根拠に対応する事例
第5章 二次的考慮事項に関するMPEPの解説及び近年の判例
第1節 予期せぬ効果(Unexpected results)
1 予期せぬ効果の主張
2 予期せぬ効果の証拠
3 出願人の立証責任
4 予想される効果と予期せぬ効果の証拠の比較検討
5 クレーム発明の範囲と相応する予期せぬ効果
6 予期せぬ効果について判断を示した近年の事例
第2節 商業的成功(Commercial success)
1 クレーム発明と商業的成功の証拠との間で要求される関連性
2 クレーム発明の範囲と相応する商業的成功
3 クレーム発明に基づく商業的成功
4 商業的成功について判断を示した近年の事例
第3節 長年未解決の課題(Long felt but unsolvedneeds)
1 長年未解決の課題の要件
2 長年未解決の課題の判断時
3 長年未解決の課題の存在に寄与する他の要因
4 長年未解決の課題について判断を示した近年の事例
第4節 専門家による懐疑論(Skepticism of experts)
第5節 他人による模倣(Copying)
第6章 近年の自明性に関する判例
第1節 成功の合理的期待(Reasonable expectationof success)
1 Merck判決
2 Teva Pharm.判決
第2節 類似の技術(Analogous art)
1 Klein 判決
2 Donner Tech判決
第3節 先行技術を組合せる際の動機付け
1 Ivera Medical判決
2 Outdry Technologies判決
3 PersonalWeb判決
4 Elekta 判決
第4節 常識(Common sense)の適用
1 Arendi判決
2 Van判決
3 BE Aerospace判決
第5節 先行技術の適用の阻害要因(teach away)
1 Allergan判決
2 Brandt判決
3 UCB判決
第6節 先行技術の適格性等
1 Raytheon Technologies判決
2 Qualcomm判決
3 Parus Holdings判決
索引
判例索引
事項索引
著者紹介
奥付