- 発売日
- 2013年09月20日
- 出版社
- 日本能率協会マネジメントセンター
- 編著等
- 西村 仁
実務で即・使える、「どう材料を選定するか?」「材料知識を設計や調達にどう活かすか?」を解説した、材料の基本をしっかり理解できる入門書です。
なじみのない方でも取っ付きやすいよう、専門用語はその意味を都度わかりやすく紹介しますので、予備知識は必要ありません。
また、本来加工法の一種である「熱処理」は、重要なテーマであるためあえて掲載するなど、実務に必要な知識が1冊で身につく本です。
目次
表紙
はじめに
モノづくりに必要な材料知識
難しさを解決するために
この本を読んでいただきたいみなさん
本の構成と読み方
本書で紹介する各種材料
単位について
専門用語について
目次
第1章 材料知識の全体像
材料と熱処理の全体像をつかむ
材料の全体像
熱処理の全体像
主な材料の特徴をつかむ
材料の選定で大切な要素
品質・コスト・納期の視点
品質のばらつき
加工のしやすさと製造原価
形状と寸法のバリエーションが揃っていること
入手しやすいこと
第2章 材料の性質と機械的性質
材料に何を求めるのか
日常と同じ感覚
性質を大きく3つの切り口で見る
強さとは何か
機械的性質の全体像
力を加えたときに起こる弾性・塑性・破断
弾性・塑性・破断の各活用例
構造部品の設計基準は弾性範囲で使うこと
強さを「剛性」と「強度」に分けて理解する
剛性と強度のイメージをつかむ
剛性の度合いは縦弾性係数から読む
引張りによる変形量は簡単に計算できる
強度は「降伏点(耐力)」と「引張り強さ」から読む
応力とひずみ(応用編)
応力─ひずみ線図を読む(応用編)
「剛性」は形状と寸法で対応する
一般的な使用条件での「強度」は検証不要
硬さと粘り強さ
第3章 物理的性質と化学的性質
重さと導電率と磁性
静的な物理的性質
重さの度合いを表す密度
電気の流れやすさを表す導電率
磁性のある材料
熱の影響を考える
熱による伸びと伝わるスピード
伸びは線膨張係数を読む
熱による伸び量を計算する
図面に指示されている寸法は20℃が条件
熱の影響による伸びを減らすには
熱の伝わるスピードを表す熱伝導率
化学的性質のさびについて
化学反応に対する性質
さびは本来のあるべき姿
さびの発生メカニズム
悪性の赤さびと良性の黒さび
ステンレスやアルミニウムもさびている
赤さびへの対策
赤さびをうまく利用した使い捨てカイロ
Column 穴あけ加工で材料の違いを体感する
第4章 鉄鋼材料
鉄鉱石から鉄鋼材料をつくりだす
なぜ鉄は多く使われているのか
あらゆる産業で使われる鉄
鉄を生みだす製鉄と製鋼
圧延機で鋼材をつくる(熱間圧延)
さらに圧延して薄板をつくる(冷間圧延)
鋳物用の鋳鉄
高炉メーカーと電炉メーカー
鉄鉱石から鉄鋼材料が生まれるまで
鉄鋼材料の大局をつかむ
鉄の性質は炭素量で決まる
炭素量による性質の各特徴
主要な5大元素
炭素鋼と合金鋼の区分け
鉄鋼材料の分類
熱間圧延の黒皮材と冷間圧延のミガキ材
材料記号の見方
炭素鋼
炭素鋼の全体像
市販品の形状
SPC材(冷間圧延鋼板)
SS材(一般構造用圧延鋼材)
S-C材(機械構造用炭素鋼鋼材)
SK材(炭素工具鋼鋼材)
その他の炭素鋼(SM材とSB材)
合金鋼
合金鋼の全体像
ステンレス鋼(SUS材)の概要
各種ステンレス鋼(SUS材)
合金工具鋼鋼材と高速度工具鋼鋼材(SK*材)
機械構造用の炭素鋼と合金鋼の違い
機械構造用合金鋼(SCr、SCM、SNC、SNCM材)
超硬合金
ハイテン鋼(高張力鋼)
その他の合金鋼(SUP材、SUJ材)
鋳鉄
鋳鉄は鋼と加工方法が異なる
圧縮に強く引張りに弱い鋳鉄
FC材(ねずみ鋳鉄品)
第5章 非鉄金属材料と非金属材料
アルミニウムとアルミニウム合金
鉄のつぎによく使われるアルミニウム
アルミニウムのJIS記号
アルミニウムの特徴を鉄と比較する
品種ごとの特徴
銅と銅合金
銅の歴史は鉄よりも古い
銅のJIS記号
銅の特徴を鉄と比較する
品種ごとの特徴
その他の非鉄金属材料
チタンとチタン合金
マグネシウムとマグネシウム合金
プラスチック
プラスチックの概要
プラスチックの分類
プラスチックの全体像
汎用プラスチック(アクリル樹脂とポリ塩化ビニル)
エンジニアリングプラスチック(ポリカーボネート)
熱硬化性樹脂(ベークライト)
セラミックス
セラミックスとは焼き物
セラミックスの分類
ニューセラミックス
Column 切削性と溶接性から材料の特徴を見る
第6章 熱処理
何のために熱処理をおこなうのか
熱処理の目的と全体像
加熱と冷却の4つの要素
熱処理ごとの温度制御
焼入れ焼戻し
「硬さ」と「粘り強さ」を向上させる
焼入れ効果は炭素量0.3%以上
焼戻しで「硬さ」と「粘り強さ」を調整する
焼入れをおこなう判断
合金鋼を選択する場合のふたつの理由
焼入れ時の焼き割れとひずみの対策
焼なましと焼ならし
焼なましの目的
焼ならしの目的
表面のみに施す熱処理
表面を硬化する高周波焼入れ
炭素をしみ込ませる浸炭
Column 最高品質の鉄は日本固有の玉鋼
第7章 材料選定の手順
選定における基本的な考え方
品質とコストと納期
材料の標準化を図る
基本は炭素鋼で特殊用途は合金鋼
標準化の一例として紹介
最初の判断基準は軽さ
基本となる汎用材のSS400(旧SS41)
万能選手のS45C
合金鋼SCrやSCMを使う目的
黒皮材とミガキ材
3.2mm以下の板金にはSPCC
耐磨耗性が必要なときにはSK95(旧SK4)
磨耗が激しいときには合金工具鋼か高速度工具鋼
磨耗に対して消耗品という考え方
耐食性にはSUS304とSUS303
特急品対応にはSUS430
鋼板の定尺寸法
軽さのアルミニウム材料
軽さを狙う
可動部を軽くすると小さくて安くなる
スピードも速くなる
人手作業を楽にする軽量化
アルミニウム材料の選定手順
汎用材のA5052と高強度材のA7075
薄板にはA1100P
自由度の高いプラスチック材料
プラスチック材料の選定手順
さらなる軽さにはベークライト
透明性を活かすアクリル樹脂とポリ塩化ビニル
射出成形の材料は金型設計や工法が関係する
強さには材料力学を活かす
材料知識の学習で錯覚してはいけないこと
引張りや圧縮に対する強さ対策を考える
曲げに対する強さ対策を考える
薄板は曲げ加工で強さ対策
材料力学を学ぶコツ
材料の標準化を進める
標準化のメリット
材料商社から情報を入手する
寸法表の活用によるコストダウン
つぎに用途による標準化を進める
標準化をうまく進めるコツ
応用編としての参考情報
材料の強さを低減させる要因
信頼性を高める安全率について
これからのステップアップに向けて
材料知識は基礎を押さえたら合格
応用編の習得は後回しにする
一番言いたかった標準化
技術者のみなさんへ
資材・営業のみなさんへ
標準化メリットのまとめ
おわりに
参考図書
巻末付録(各種材料データ)
索引
著者紹介
奥付