BUSINESS LAWYERS LIBRARY

雇用社会の25の疑問 第3版

発売日
2017年11月15日
出版社
弘文堂
編著等
大内伸哉

7年ぶりに全面リニューアルした待望の改訂版。労働法に関する身近な疑問を、法的なルールや統計をふまえ明快に解説し、さらに深く考えさせてくれる労働法入門書です。第3版では、第2部を「基本的なことについて深く考えてみよう」から「政策について考えてみよう」と改め、「第12話 ジョブ型社会が到来したら、雇用システムはどうなるか」をはじめ、時代の変化に対応した新テーマを多く取り上げています。雇用ルールが変革するいま、労使必読の教養書です。

目次

表紙

第3版の刊行にあたって

目次

第1部 日頃の疑問を解消しよう

第1章 労働者の疑問

第1話 労働条件の決定における「合意原則」とはどのようなものか。

正社員は契約社員ではない!?

2つの意味の合意原則

本当に知って役立つこととは?

キャンセルは不道徳ではない

デロゲーションとは?

就業規則

就業規則の法的性質論争

合理的変更法理

再び合意原則

第2話 社員は、会社の転勤命令に、どこまで従わなければならないのか。

転勤は雇用社会の掟?

転勤に対する同意とは

転勤命令権の根拠

転勤命令権の濫用

逆差別か?

勤務場所は誰が決める?

第3話 社員の副業は、どこまで制限されるのか。

なぜ経済産業省が、副業に関心をもつのか

社員にとっての副業のメリット

裁判例では無断副業に対する解雇は有効

副業に対する会社の本音と建前

「競業避止義務」がらみでは厳しく対処

健康障害への懸念は副業制限の正当理由となるか

オープンな会社が勝つ時代になる

副業には適性がある

第4話 会社が違法な取引に手を染めていることを知ったとき、社員はどうすべきか。

行政にどこまで頼れるか?

社員の告発はハードルが高い

内部告発者に対する解雇は可能なのか

公益通報者保護法とその限界

内部通報を優先すべきか?

社員の背中をそっと押せる制度に

第5話 労働者には、どうしてストライキ権があるのか。

消えつつあるストライキ文化

ストライキに対する温度差

ストライキ権の法的性格

ストライキ文化が残っているイタリア

会社への対抗軸が消滅した日本

ストライキ権の沿革

争議行為の正当性

いざという時のために磨いておこう

第6話 公務員は、どこまで特別な労働者なのか。

労働法、それとも行政法?

臨時・非常勤職員の雇止め問題

争議行為の禁止

公務員の争議行為の禁止規定の合憲性

争議権が認められない五つの理由

なぜ公務員はうらやましがられるのか?

「身分保障」とは人事に政治的権力が介入してはならないということ

公務員にもHRMの視点を

第2章 会社の疑問

第7話 会社は、美人だけを採用してはダメなのであろうか。―採用の自由は、どこまであるか―

受付嬢には美人が多い

「美人」のみを採用することの是非

法律上明文で禁止されている採用差別

三菱樹脂事件判決

採用の自由とその制約

採用の自由と解雇の制限

ヨーロッパでは

採用は会社の自由でよい

第8話 会社は、どのようにすれば社員を解雇することができるか。

できれば解雇はしたくないが……

解雇ルール

許されうるが、許されない解雇

病気による就労困難は、正当理由となるか?

整理解雇の4要件(4要素)

もう一つの解雇回避

解雇ルールの見直し

金銭解決はなぜ導入されるべきか

望ましい解雇規制

第9話 会社は、社外の労働組合とどこまで交渉しなければならないのか。

団体交渉応諾義務とは?

企業別組合以外の組合の場合

自社の社員以外の労働条件まで団交義務がある⁉

親会社と子会社労働組合との関係

組合つぶしの目的で会社を解散させた場合

事業譲渡を使って組合つぶしをした場合

親会社が組合つぶしのために子会社を解散させた場合

企業別組合の限界?

第10話 会社は、社員のSNSにどこまで規制をかけてよいのか。

大統領も使うSNS

社員の不祥事を防止するためには

社員の人格的利益

個人情報漏洩はダメ

職務専念義務

SNSの利用規制とその限界

発想の転換

第11話 会社は、なぜ社員のメンタルヘルスに配慮しなければならないのか。

二つの電通事件

東芝裁判

業務起因性

損害賠償請求

予見可能性

本人の責任?

会社がやるべきこと

社員も覚悟が必要

第2部 政策について考えてみよう

第12話 ジョブ型社会が到来したら、雇用システムはどうなるか。

ジョブ型とメンバーシップ型

正社員とは

共同体的な関係

職務と切り離された処遇

職務限定の労働契約は可能か

職務限定の合意と解雇

日本型雇用システムに職務給は合わない

ジョブ型社会は到来するか

ジョブ型時代と雇用政策

第13話 労働法は、なぜ個人自営業者に適用されないのか。

インディペンデント・コントラクター

三つの労務供給契約と労働契約

労働者性の判断

自営業者の団体

労働者保護と従属性

自営業者と従属性

政府がやるべきこと

第14話 正社員と非正社員との賃金格差は、あってはならないものか。

賃金には多様な顔がある

賃金格差の原因

ゆらぐ契約の自由

丸子警報器裁判

非正社員の低処遇問題

差別問題と契約の自由

比較可能性

日本法における比較可能性の要件

日本型同一労働同一賃金

欧州との違い

格差に問題があることは確かだ

正しい政策

第15話 女性活躍の推進は、本当に法律でやるべきことなのだろうか。

一億総活躍と女性労働

女性が働く三つの理由

ダグラス=有沢の法則

社長になるか、それとも社長夫人になるか

哀しい女工か、モダンな職業婦人か

男女雇用機会均等法の変遷

日本型雇用システムの壁

真の問題

そして未来

第16話 障害者の雇用促進は、どのようにすれば実現できるか。

マッチングと差別

差別禁止アプローチと雇用率アプローチ

障害者雇用促進法の雇用率アプローチ

障害者雇用促進法の2013年改正

合理的配慮の法的意味についての日米の違い

量的アプローチと質的アプローチ

日本型の差別禁止アプローチ

真のノーマライゼーション

障害者の貢献

第17話 高年齢者への雇用政策はどうあるべきか。

日本型雇用システムと定年

高年齢者雇用確保措置

高年齢者雇用確保措置義務の私法上の効力

高年社員の活用戦略

トヨタ自動車裁判

再雇用者の賃金

若年者雇用政策

政策のプライオリティ

第18話 少子化は雇用政策によって対処することができるか。

子をもたない日本人

少子化と雇用

政府の対策

政府が介入すべきことなのか?

育児介護休業法

会社にどこまで負担を求めるか

マタニティ・ハラスメントの背景

二階層の労働法

大切なのは仕事からの解放?

第19話 日本は外国人労働者にどのように立ち向かうべきか。

労働者としての外国人

入管法政策――選別の論理

外国人労働政策の闇――技能実習という名のチープレイバー

高度外国人材の受入れ

揺らぎつつある入管法政策

大切なのは普遍的な合理性と公正さ

高度外国人材を招き寄せるにはどうすればよいか

第20話 ホワイトカラー・エグゼンプションの導入は、なぜ難しいのか。

米欧の政権交代

政治思想と経済政策

日本の政権交代

アベノミクス

忘れられた政策

根拠なき不安

ポピュリズム

第3部 働くことについて真剣に考えてみよう

第21話 キャリア権とはいかなる権利か。

キャリア権の誕生

キャリアを支えるのは誰か

正社員のキャリア権

会社の責務と限界

会社の人事戦略としてのキャリア権

非正社員のキャリア権

労働市場における弱者にとってのキャリア権

自営的就労のためのキャリア権

キャリアとは人生だ

第22話 私たちは、どうして長時間労働で苦しんでいるのか。

過労死は日本特有?

なぜ労働時間規制は機能してこなかったのか

時間外労働の上限はあるのか?

就業規則による規制

割増賃金の意図せぬ効果

割増賃金の支払い方

大切なのは休み方改革では?

健康確保は労働安全衛生法マターでもある

長時間労働を根絶するためには

第23話 労働者派遣は、なぜたたかれるのか。

政争の具とされる労働者派遣

労働者供給はなぜ禁止されてきたのか

労働者供給から分離独立した派遣

労働者派遣という働き方

会社の人材活用戦略からみた労働者派遣

専門業務派遣が原点

労働者派遣の自由化と派遣労働者の保護

2015年改正

労働者派遣法はどうあるべきか

第24話 第4次産業革命後の労働法はどうなるのか。

進むデジタライゼーション

ホワイトカラーの雇用が危ない

新しい技術の雇用へのインパクト

楽観論と悲観論

雇用代替効果と人事戦略

正社員不要の時代の雇用政策

労働法の地殻変動

産業構造の大転換に対応する雇用・労働政策

知的創造的な働き方に対応すべき

変貌する労働法

第25話 私たちにとって、働くとはどういうことなのか。

働くのは、生きるため?

勤労義務の憲法上の位置づけ

働く権利はあるのか?

勤勉の美徳のイデオロギー性

人間とは何か?

事項索引

判例等索引

奥付

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