- 発売日
- 2024年01月12日
- 出版社
- 日本法令
- 編著等
- 櫻井好美
建設業は、天候に左右されたり「出面表」による勤怠管理が主流であったりなど、他業種にはない特徴から作業時間の把握が難しく、時間外労働が恒常化しています。また、社会保険への未加入や、実態としては労働者である一人親方など、時間外労働以外にも看過できない問題が残されています。こうした問題の解決を図るには、労務管理の知識だけでなく、建設業ならではの慣習や考え方を知っていることも不可欠。本書は、建設業界に通じた社労士である著者が、建設業の労務管理の問題を正確に理解し、解決に向けて取り組むために必要な知識を集約。
目次
表紙
はじめに
目次
第1章 建設業界の全体像を知る
Ⅰ 建設業の社会的な役割
1 建設業の社会的な役割
2 建設業界の企業規模と年齢構成
Ⅱ 建設業界の分類
1 町場・野丁場・新丁場とは
2 建設は土木と建築に分かれる
3 土木は官庁工事と民間工事に分かれる
4 建築は公共工事と民間工事に分かれる
Ⅲ 重層下請構造の仕組み
1 重層下請構造とは
2 元請会社と下請会社の違い
3 住宅業界の場合
4 建設現場に関わる職種
Ⅳ 建設業界団体の役割
1 建設業界にある各種団体
2 日建連(一般社団法人 日本建設業連合会)
3 元請団体
4 専門工事業団体
5 全建総連(全国建設労働組合総連合)
Ⅴ 建設業に関連する主な法律
1 新・担い手3法
2 国土強靭化基本法
3 建設職人基本法
Ⅵ 労務管理からみる最近の建設業界の流れ
1 社会保険未加入問題
2 建設キャリアアップシステム(CCUS)
3 働き方改革
第2章 下請指導からみる労務管理
Ⅰ 社会保険未加入問題
1 標準見積書とは
2 法定福利費とは
3 施工体制台帳からみる適切な保険
4 社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン
Ⅱ 建設キャリアアップシステム(CCUS)
1 建設キャリアアップシステム(CCUS)とは
2 建設キャリアアップシステム(CCUS)の目指すもの
3 建設キャリアアップシステム(CCUS)普及に向けた推進
4 建設キャリアアップシステム(CCUS)におけるレベル別年収
5 建設キャリアアップシステム(CCUS)導入における事業所のメリット
6 海外の建設技能労働者との比較
Ⅲ 働き方改革
1 建設業界の働き方の現状
2 働き方改革スケジュール
3 時間外労働の上限規制
4 労働時間把握の実効性確保
5 年次有給休暇の年5日取得義務
6 賃金請求権の消滅時効の延長
7 同一労働同一賃金
8 月60時間超の時間外労働の割増率引上げ
第3章 建設業法からみる建設業
Ⅰ 建設業
1 許可が必要な29 業種
2 一般建設業許可と特定建設業許可の違い
3 建設業許可の要件
4 建設業許可の更新
Ⅱ 経営事項審査(経審)
1 経営事項審査(経審)とは
2 令和5年経営事項審査の主な改正点
3 建設業退職金共済制度(建退共)加入による加点
Ⅲ 施工体制台帳
1 施工体制台帳とは
2 労務安全書類(グリーンファイル)とは
第4章 建設業の課題
Ⅰ 重層下請構造
1 重層下請構造の問題点
2 持続可能な建設業に向けた環境整備検討会
Ⅱ 一人親方問題
1 一人親方の現状
2 一人親方のメリットと懸念事項
3 雇用と請負の違い
4 一人親方問題に関する検討会
5 労務上の一人親方を外注とするリスク
6 税務上の一人親方を外注とするリスク
7 インボイス制度
8 これからの一人親方
Ⅲ 日給月払い制
1 日給月給制といっているが、実際は日給月払い制
2 所定労働日が決まっていない
Ⅳ 建設業は派遣ができない
1 建設業と労働者派遣法
2 職業紹介事業
3 労働者供給事業
Ⅴ 建設業界の常識
1 徒弟制度とは
2 応援とは
3 手間請とは
4 常用(常傭)とは
5 材工一式とは
第5章 適切な保険について
Ⅰ 保険の全体像
Ⅱ 労働者災害補償保険(労災保険)
1 労働者災害補償保険(労災保険)とは
2 労災保険の適用事業所
3 特別加入制度とは
4 労災保険の給付
Ⅲ 雇用保険
1 雇用保険の適用
2 雇用保険料
3 雇用保険の給付
Ⅳ 医療保険
1 医療保険の仕組み
2 社会保険(医療保険+年金保険)の適用事業所
3 社会保険(協会けんぽ+厚生年金保険)
4 社会保険(医療保険+年金保険)の被保険者
5 被扶養者
6 社会保険料
7 健康保険(協会けんぽ)の保険給付
8 国保組合
Ⅴ 年金制度
1 年金の種類と対象者
2 年金の給付
Ⅵ 適切な保険
1 適切な保険とは
2 健康保険被保険者適用除外
第6章 建設業の労務管理
Ⅰ 建設業の特色
1 出面表の管理
2 天候に左右される仕事
3 災害時の対応
4 除雪作業の取扱い
5 現場技術者と技能労働者の働き方の違い
Ⅱ 外国人労働者
1 外国人の雇用
2 技能実習の仕組み
3 特定技能の仕組み
Ⅲ 建設労働組合
1 建設労働組合の役割
2 建設労働組合の仕事
第7章 働き方改革実現のために
Ⅰ 労働時間削減へのステップ
1 適正な時間管理
2 時間に対する意識を高める
3 時間外労働削減のための取組方法
4 時間外労働削減の考え方
5 時間外労働の原因を探る
Ⅱ ルールの見える化
1 労働条件の見える化
2 見える化を浸透させるために
3 給与の見える化
4 日給制から月給制へのステップ
Ⅲ 多様な働き方の検討
1 多様な働き方
2 テレワーク
3 週休3日正社員
4 フレックスタイム制
5 兼業・副業
6 高齢者の活用
7 女性の活用名称未設定
Ⅳ 会社のブランド力を高める
1 会社のアピールポイント
2 えるぼし
3 くるみん
4 ユースエール
Ⅴ 助成金の活用
1 キャリアアップ助成金
2 トライアル雇用助成金
3 人材開発支援助成金
4 人材確保等支援助成金
5 働き方改革推進支援助成金
Ⅵ 経営者の決断
1 発想を下請から経営者へ転換
2 経営者として考えるべきこと
3 モチベーションアップ
4 教育の重要性
5 最終的な目的は「担い手確保」
奥付