- 発売日
- 2023年03月30日
- 出版社
- 日本評論社
- 編著等
- 佐藤岩夫
現代日本の市民社会は、どういった法的基盤に支えられているのか。公共的実践に法制度が果たしうる役割、見出される課題を論じる。
目次
表紙
目次
序
第I部 市民社会の公共性と法
第1章 市民社会の公共性と法
一 はじめに
二 社会的実践としての公共性
三 「公共性の喪失」と「市民社会の公共性」
四 公共的実践における法制度の機能
五 むすび
第2章 公共圏の形成をめぐる社会運動と訴訟
一 はじめに
二 社会運動による公共圏形成のメカニズム
三 公共圏の形成における訴訟動員の機能
四 むすび
第3章 市民活動による社会形成と司法制度 応答的司法の展望
一 「法の支配」 しかし、いかなる法が支配するのか
二 市民活動による社会形成
三 法システムヘの参加
四 応答的司法
五 むすび
第3章 [補論] 司法制度改革後の展開と課題
一 はじめに
二 法システムへの参加をめぐる展開と課題
三 応答的司法をめぐる展開と課題
四 むすび──市民社会の公共性と司法
第4章 まちづくり条例と地域の公共性
一 はじめに
二 まちづくりにおける法制度の機能
三 まちづくり条例と地域的公共性
四 むすび
第5章 〈心理学化される現実〉と社会の媒介的審級の回復 修復的司法を素材に
一 はじめに
二 感情と法の応答
三 〈心理学化される現実〉
四 法制度と「媒介的審級」の回復 修復的司法を素材に
五 むすび
第6章 社会的関係形成と借家法 A・メルッチに示唆を受けて
一 はじめに
二 関係形成的社会像
三 正当事由制度の再評価
四 定期借家論の検証
五 むすび
第Ⅱ部 非営利・アソシエーションの法
第7章 市民セクターの発展と民間非営利法制
一 はじめに
二 従来の法人制度の問題点と二つの政策論理の交錯
三 特定非営利活動促進法制定のインパクト
四 ポスト特定非営利活動促進法の法人制度改革
五 むすび
第8章 NPOの発展と新しい公共圏 その両義的展開をめぐって
一 はじめに
二 特定非営利活動促進法制定のインパクト
三 市民の〈自治・自律〉と国家による〈動員・誘導〉──NPOの発展の両義性⑴
四 組織化・制度化と行政資源への依存──NPOの発展の両義性⑵
五 むすび
第9章 非営利法の現状と課題 非営利法の体系化に向けた一つの素描
一 はじめに
二 非営利の概念と機能的類型
三 「共益型」非営利団体の特徴と法制度の課題
四 「公益型」非営利団体の特徴と法制度の課題
五 「社会的企業型」の特徴と法制度の課題
六 むすび
第10章 法学におけるNPO研究の展開
一 はじめに
二 1990年代以後の非営利法の発展
三 非営利法の立法過程の研究
四 非営利法の基礎理論の発展
五 非営利法研究のさらなる課題
第10章 [補論] 公益不認定処分と公益認定等委員会の法意識 日本尊厳死協会公益不認定事件をめぐって
一 はじめに
二 事案の概要
三 2016年不認定答申をめぐる裁判所の判断
四 2014年・2016年不認定答申にみられる公益認定等委員会の法意識とその課題
五 むすび
第11章 〈アソシエーション法〉という視角
一 はじめに
二 現代におけるアソシエーションへの関心の高まり
三 近年の日本におけるアソシエーション法の発展
四 各国法比較の枠組み アソシエーション法の分析視角
五 アソシエーション法の生成・発展のダイナミズム
第Ⅲ部 現代社会の法化と市民社会
第12章 現代社会の法化 法化論の展開と課題
一 はじめに
二 法化論の展開
三 法化論の課題
第13章 市民社会を基盤とする法の生成・変動 広中俊雄の法社会学研究
一 はじめに
二 法の生成・変動の法社会学
三 国家・市民社会・人間
第14章 シンポジウム 「市民社会と法社会学」によせて
一 〈対象〉としての市民社会と〈方法〉としての市民社会
二 シンポジウムの諸報告について
三 残された課題
あとがき
参考文献
索引
初出一覧
奥付