BUSINESS LAWYERS LIBRARY

独占禁止法の新たな地平Ⅲ

発売日
2023年10月31日
出版社
弘文堂
編著等
村上政博

最後の改正課題とされる行政制裁金制度の導入と不公正な取引方法の再構築について、具体的制度設計を提言。現時点で未解決の論点ごとに、できる限り簡潔かつ率直に自己の主張を解説し、懸案の法解釈や判例変更の最終課題の着地点も明示。「国際標準の競争法」確立に向け、著者の基本構想を詳説した三部作、遂に、完結。

目次

表紙

はじめに

本書の構成とその要点

目次

第1章 独占禁止法の次の改正課題

Ⅰ 独占禁止法の次回改正と国際標準の競争法制の実現

Ⅱ 行政制裁金制度

1 基本制度設計

2 課徴金額算定方法および減免制度

3 刑事罰との関係

4 改正の意義

Ⅲ 不公正な取引方法の再構築

1 自由競争減殺型の不公正な取引方法の廃止

2 他の禁止規定に組み込まれた不公正な取引方法の禁止の廃止

3 国際標準の新基本体系への移行

4 改正の必要性

Ⅳ 事業者団体の活動規制

Ⅴ 国際標準の競争法の実現

第2章 行政制裁金制度の基本設計

Ⅰ 行政制裁金制度に

Ⅱ 基本的な行政制裁金の制度設計

1 行政制裁金制度の基本的制度設計

2 上限金額

3 上限金額まで課すことができるという規定方式の意義

Ⅲ 具体的な課徴金額の算定方法

1 カルテルに対する制裁金額の算定方法の独自性

2 対象事業者と違反行為の継続期間

3 基礎金額の算定方法

4 基本算定率と基本金額

5 有責性および調査協力による加減率

6 調査協力による減免制度

Ⅳ 行為類型ごとの課徴金額

1 行為類型ごとの検討課題

2 カルテルの場合

3 カルテル以外の3条違反行為

4 排除型私的独占

5 垂直的価格制限

6 共同の取引拒絶

Ⅴ 憲法上の二重処罰の禁止問題

第3章 不公正な取引方法の再構築

Ⅰ 不公正な取引方法の禁止の歴史と課題

1 現状分析

2 1953年から1982年まで

3 1982年から2009年まで

4 2009年から現在まで

Ⅱ 不公正な取引方法の禁止を日本固有の規制に

1 日本固有の規制へ

2 次回の改正内容

3 立法方式の選択

Ⅲ 他の禁止行為に組み込まれた不公正な取引方法の廃止

Ⅳ 不正競争法的運用の消滅

1 自由競争減殺型の不公正な取引方法の不正競争法的運用の意味

2 事件処理による判例法

3 ガイドラインにおける取扱い

第4章 主要ガイドラインの改訂方針とあるべき内容

Ⅰ ガイドラインの在り方

1 対象ガイドラインとガイドライン改訂の方向性

2 ガイドラインの在り方および判例法との関係

3 自由競争減殺型の不公正な取引方法の廃止の効果―新基本体系に沿ったガイドライン再構築の基本的方針

Ⅱ 知的財産ガイドライン

1 知的財産の行使行為(特にライセンス)に係る過去のガイドラインの悪影響

2 基本的な考え方―旧基本体系から新基本体系への移行

3 私的独占の観点から

4 不当な取引制限の観点から

5 不公正な取引方法の観点から

Ⅲ 流通・取引慣行ガイドライン

1 作成の経緯

2 第2部および第3部の廃止

3 第1部の全面改訂

4 垂直的価格制限

5 垂直的非価格制限

Ⅳ 排除型私的独占ガイドライン

1 作成の経緯とその価値

2 排除型私的独占ガイドラインの誤り

3 排除型単独行為のガイドラインに

Ⅴ 優越的地位の濫用ガイドライン

1 作成の経緯とその構成

2 優越的地位の濫用規制の特質

3 現行優越的地位の濫用ガイドラインの致命的な欠陥

4 契約規制的な内容のガイドライン

Ⅵ 農業協同組合ガイドライン

1 現行ガイドラインの構成の致命的な欠陥

2 協同組合に対する適用除外に係る基本的な解釈

3 現在における最大の課題としての全量出荷義務の取扱い

4 優越的地位の濫用規制との関係

第5章 事業者団体の活動規制

第6章 不要な規制および規定の廃止

Ⅰ 不要な規制および規定の総論

Ⅱ 不要な規制および規定の各論

1 国際的契約等に関する規定

2 知的財産権の行使行為についての適用除外

3 指定商品に係る再販売価格維持制度

4 特別な損害賠償責任

第7章 国際標準の競争法に向けての判例法の課題

Ⅰ 新基本体系の確立

1 独占禁止法改革の2輪車―法改正と判例変更

2 新基本体系に関する残る課題

3 判例法における具体的課題

Ⅱ 不当な取引制限

1 不当な取引制限の禁止

2 不当な取引制限の行為要件

3 不当な取引制限の相互拘束の射程範囲

4 比較法的考察―国際標準の枠組み

Ⅲ カルテル

1 協定の締結による合意の成立と協調行動に対する意思の連絡の推認

2 カルテル規制に関する判例法の展開

3 判例法の事実関係に基づく整理

4 当事者、参加者の認定問題

5 意思の連絡が推認される行為

6 シャッター価格協定事件東京高裁判決

7 今後の課題

8 カルテルと刑事罰

Ⅳ 排除型私的独占

1 不当な取引制限の禁止と私的独占の禁止

2 排除型私的独占の排除行為

3 排除型私的独占における一定の取引分野における競争の実質的制限

4 日本音楽著作権協会事件の事件処理

5 マイナミ空港サービス事件東京高裁判決

Ⅴ 支配型私的独占

1 あるべき解釈論

2 支配型私的独占と搾取型単独行為

Ⅵ 優越的地位の濫用

1 あるべき解釈論

2 優越的地位の濫用規制一般

3 大規模小売業者と納入業者間の納入取引

Ⅶ 協同組合の活動に対する独占禁止法上の適用除外

1 あるべき解釈論

2 22条但書の趣旨

3 22条柱書と全量出荷・利用強制

Ⅷ 排除措置に係る長期的課題

1 長期的な課題衽衲積極的行為命令および履行確保手段

2 米国反トラスト法およびEU競争法

3 独占禁止法における法的枠組み

第8章 個人的な取組み

Ⅰ 過去40年間―職業生活の総括

1 職業生活

2 独占禁止法、競争法を専門に

Ⅱ 独占禁止法改革への歩み―20年間を振り返って

1 基本的な視点

2 2003年10月から2013年3月―一橋大学教授の時期

3 2013年4月から2019年12月―MHM時代の約7年間

4 2020年1月以降の生活―TMI総合法律事務所客員弁護士

5 これまでの総括

Ⅲ 本書およびこれまでの執筆活動等に関する参考文献

1 著書の刊行―単行本

2 執筆論文

3 参考文献・参考論文一覧

あとがき

事項索引

著者紹介

奥付

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