BUSINESS LAWYERS LIBRARY

官僚制改革の行政法理論

発売日
2020年09月30日
出版社
日本評論社
編著等
晴山一穂、白藤博行、本多滝夫、榊原秀訓

新たな行政法理論の構築をめざし、官僚制改革のあるべき方向を念頭においた行政領域ごとの行政法の諸問題の分析・検討。

目次

表紙

目次

第1部 官僚制・公務員制度の民主的改革のための行政法理論

[1]1990年代の行政改革による官僚制の変容と課題

はじめに

一 1990年代の行政改革の特徴

二 官僚制の変容と課題── 一事例に即して

おわりに

[2]官僚制の制御と法治主義

一 問題の所在

二 法治主義の限界と国民主権

三 法治主義の変容

おわりに

[3]基本法と法治主義──住生活基本法を素材として──

はじめに

一 住生活基本法の理念と対象行政領域

二 住生活基本法における行政活動の仕組み

三 住生活基本計画と住宅行政の法的課題

四 本基本法と法治主義の希薄化

[4]市場経済移行諸国の法治主義と官僚制コントロール

はじめに

一 アジア市場経済移行諸国における法治主義

二 見直されるマルクス理論からみた市場経済移行諸国における法治主義

おわりに

[5]公共調達と社会的公共性──EU とドイツの法制から学ぶ──

はじめに──わが国の状況

一 EU の公共調達指令における社会的公共性

二 ドイツにおける最低賃金・協約誠実条項と社会的公共性

おわりに

[6]国立大学改革の展開と課題

はじめに

一 国立大学法人制度の発足

二 国立大学改革案の展開

三 国立大学のガバナンス改革

おわりに

[7]官吏・公務員の制度保障と権利保障

はじめに

一 C. シュミットの「制度的保障論」

二 ドイツにおける「制度的保障論」の変遷

三 ドイツ基本法における官吏の制度保障と権利保障

おわりに──「制度保障」は何を保障するのか

[8]問われる最高裁の思考様式──いくつかの公務員関係判例を通して──

一 本稿の課題──最高裁は変わったか

二 公務員の争議行為に関する判例

三 公務員の政治活動に関する判例

四 国旗・国歌関連訴訟に関する判例

五 総括的考察

[9]国家公務員の権利闘争と憲法判例──裁判を通じた考察──

一 国家公務員の権利闘争と憲法

二 国家公務員の政治活動の自由を認めた堀越事件最高裁判決

三 政治に追随し最高裁判例との整合性の検討を放棄した2つの事件──人勧によらない国家公務員の賃下げ、社会保険庁の分限免職処分

[10]自治体の労働組合への組合事務所供与──大阪市組合事務所事件などを素材に──

一 自治体の労働組合にとっての組合事務所

二 組合事務所の供与が問題となる場面

三 大阪市(市労組ら)組合事務所事件

四 使用不許可処分取消訴訟をめぐる問題

五 条例による便宜供与の禁止

六 組合事務所をめぐる団体交渉

まとめ

第2部 国と自治体との関係の民主的改革のための行政法理論

[1]辺野古新基地建設問題が提起する公法学の諸問題

はじめに

一 辺野古問題をみる視点と時期区分

二 辺野古問題の現在とその意義

むすび

[2]行政処分の撤回における適法性と公共性──公有水面埋立承認処分の撤回を例として──

はじめに

一 学説と判例の概観

二 若干の比較法的検討──ドイツ行政手続法49条

三 公有水面埋立承認処分の撤回について

四 結論

[3]行政争訟における「固有の資格」概念の一考察

はじめに

一 行政不服審査法7条2項の「固有の資格」の意義と判定方法

二 公有水面埋立法の仕組みと埋立承認の相手方となる国の機関の立場

三 本件最高裁判決の論理の組立て方の特徴と若干の検討

おわりに

第3部 社会的公正・公平の確保のための個別行政領域の行政法理論

[1]自治体の政治的中立性と住民の権利

はじめに

一 公の施設利用のリーディングケース

二 行政財産の目的外使用許可のリーディングケース

三 公園の使用──自由使用との関係

四 駅前広場・自由通路の使用──自由使用との関係

五 市庁舎前広場の目的外使用許可──金沢市庁舎前広場事件

おわりに──若干の理論的問題

[2]自治体行政委員会、公共組合の変容と地方自治

はじめに

一 行政委員会の制度的変容と地方自治──農業委員会制度に即して

二 公共組合をめぐる制度的変容と地方自治──土地区画整理組合・市街地再開発組合に即して

おわりに

[3]「地域自治組織」による「機能的自治」の規範的条件

はじめに

一 地域運営組織と地域自治組織

二 機能的自治をめぐるドイツ公法学の議論

三 地域自治組織による機能的自治の可能性と限界

おわりに

[4]「地域福祉の時代」における社会福祉法制の展開・変容と行政法

はじめに

一 社会福祉行政における地域福祉政策の展開──「連携のかたち」をめぐって

二 包括的な支援体制における多機関連携の仕組み

三 多機関連携からみた包括的な支援体制における行政の責任

おわりに──多機関連携と行政法学の課題

[5]社会保障における相談・援助行政の展開と課題

はじめに

一 生活保護における相談・援助行政の展開

二 介護保険における相談・援助行政の展開

三 むすびにかえて──社会保障における相談・援助行政の課題

[6]学校警察連携制度の課題と問題点──連携協定が定める要件規律に着目して──

はじめに──学校警察連携制度の導入の経緯

一 警察から学校への情報提供の要件規律に関わる論点

二 学校から警察への情報提供の要件規律に関わる論点

おわりに

[7]環境行政の手法と参加手続

はじめに

一 公害対策・自然環境保全対策と規制的手法

二 持続的発展が可能な社会の法定化と環境行政の手法

三 環境行政における参加手続

四 環境行政の手法と参加手続の機能

おわりに

[8]「自治体戦略2040構想」と行政サービスの民間化

はじめに

一 「自治体戦略2040構想」の概要と問題点

二 「2040構想」の具体化と行政サービスの民間化

おわりに

[9]公務の民営化と行政法

一 地方自治体における公務の民営化を進める諸制度

二 公務の民営化の検討の視点としての行政法の法原則

三 最近の公務の民営化の様相

四 公務の民営化と行政法の諸原則

五 公務の民営化への対抗の社会的運動と法理

六 世界に広がる新自由主義からの離脱の模索

[10]公有財産利活用と地方財政法の規律

はじめに

一 法規制の緩和とセール&リースバック

二 セール&リースバックにかかる住民訴訟

三 セール&リースバックと地財法的規律

おわりに

[11]財産管理法制度の「改革」についての若干の考察

はじめに

一 国公有財産の「有効活用」に向けた「改革」の流れ

二 「有効活用」事例における住民訴訟

三 若干の問題整理

おわりに

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