- 発売日
- 2021年09月01日
- 出版社
- ぎょうせい
- 編著等
- 埼玉弁護士会
近年増加している使用貸借(借主が無償で物を借りること)契約におけるトラブルを過去の判例を研究し、基本的な対処方法から珍しい事例への対応までを一冊で解説!使用貸借契約の成立から終了までに生じる様々な問題を網羅的に取り上げ、詳細な解説を加えています。また、「使用貸借の評価」「使用貸借と破産の関係性」など隣接する論点も押さえることができる一冊です。改正民法によって新設された配偶者居住権等にも対応した最新の内容。若手・中堅はもちろんベテランの弁護士にもおススメです!
目次
表紙
刊行にあたって
監修者・執筆者一覧
凡例
目次
第1章 総論
第1節 はじめに
第2節 使用貸借の沿革
第3節 比較法
1 英米法
2 フランス民法典
3 ドイツ民法(BGB)
4 中国法
5 韓国法
第4節 債権法改正について
1 要物性の見直し
2 終了事由の整備
3 使用貸借終了後の収去義務及び原状回復義務
4 損害賠償請求権及び費用償還請求権の期間制限
5 経過規定
6 その他
第5節 使用貸借の問題点
1 使用貸借の一般的な論点
2 使用貸借の問題傾向
第6節 要件事実概要
1 占有権原の抗弁
2 使用貸借契約終了に基づく目的物返還請求
3 その他
第2章 使用貸借の成立
第1節 不動産を巡る使用貸借の外観
Ⅰ 使用貸借の一般論(どのような場合に成立するか)
Ⅱ 使用貸借の成立についての紛争はどのような形で顕在化するか
Ⅲ 裁判例における問題分析
Ⅳ 小括
第2節 当事者類型ごとにみる使用貸借の成否
第1款 総論
第2款 親子間における使用貸借の成否
第3款 兄弟間における使用貸借の成否
第4款 夫婦・内縁関係における使用貸借の成否
第5款 親子・兄弟・夫婦以外の親族その他の当事者間における使用貸借の成否
第3節 マンション管理
Ⅰ 総論
Ⅱ 具体例の検討
第4節 相隣関係
Ⅰ 建物及びその敷地に関する契約の成立
Ⅱ 建物所有以外の用途に用いる不動産における契約の成立
Ⅲ 残された課題、今後の問題点
第5節 社宅、その他(大学等)
Ⅰ 社宅・社員寮
Ⅱ その他(学生寮、宗教法人)
第6節 農地
Ⅰ 農地法に関する説明
Ⅱ 裁判例の状況
Ⅲ 今後の課題
第7節 動産
Ⅰ 総論
Ⅱ 裁判例の検討
第8節 使用貸借と時効
Ⅰ 時効の成立要件
Ⅱ 時効取得の効果
第3章 使用貸借の効力
第1節 はじめに
第2節 貸主の権利及び義務
1 貸主の権利
2 貸主の義務
第3節 借主の権利及び義務
1 借主の権利
2 借主の義務
第4節 損害賠償請求権
1 総論
2 貸主からの損害賠償請求
3 借主からの損害賠償請求
第5節 費用の負担
Ⅰ 費用に関する定め
Ⅱ 費用の分類
Ⅲ 費用の請求方法
第4章 使用貸借の終了
第1節 概説
第2節 終了原因〜終了及び解除
Ⅰ 返還時期の合意(現行民597 Ⅰ)改正前民597 Ⅰ
Ⅱ 目的に従った使用収益の終了(目的達成)(現行民597 Ⅱ)改正前民597 Ⅱ本文
Ⅲ 目的に従った使用収益に足りる期間の経過(現行民598 Ⅰ)改正前民597 Ⅱただし書
Ⅳ 期間も目的の定めもない場合の解除(現行民598 Ⅱ)改正前民597 Ⅲ
Ⅴ 借主の死亡(改正前民599)現行民597 Ⅲ
Ⅵ 貸主による解除(現行民594 Ⅲ)
Ⅶ 借用物受取前の貸主による解除(現行民593の2)改正により新設
Ⅷ 借主による解除(現行民598 Ⅲ)
Ⅸ その他の終了原因
第3節 使用貸借における信頼関係破壊等の役割
1 はじめに
2 債務不履行に関わる信頼関係破壊
3 現行民法597条2項ただし書類推適用
第4節 権利の濫用
Ⅰ はじめに
Ⅱ 権利の濫用の有無を左右する要素
Ⅲ 権利の濫用と使用貸借の帰趨
第5節 原状回復義務
1 総論
2 賃貸借契約における原状回復義務との比較
3 現行民法の規律
第6節 使用料相当損害金
第7節 費用償還請求
第8節 損害賠償請求(現行民600)
第5章 使用借権の評価
第1節 概説
Ⅰ 不動産鑑定評価基準における評価
Ⅱ 相続税及び贈与税の取扱いにおける評価
Ⅲ 公共用地の取得に伴う損失補償基準
Ⅳ 不動産競売手続における評価基準
Ⅴ 遺産分割等における評価基準
Ⅵ 判例等の分析
第2節 鑑定実務での運用
Ⅰ はじめに
Ⅱ 不動産の鑑定方法
Ⅲ 土地利用権の評価について
Ⅳ 使用借権について
第3節 配偶者居住権の評価
Ⅰ 概論
Ⅱ 相続税法上の取扱い
Ⅲ 法制審議会民法(相続関係)部会における検討
Ⅳ 具体事例におけるあてはめ
Ⅴ 使用貸借における用い方の検討
第6章 使用貸借と破産
第1節 はじめに
第2節 使用貸主の破産
Ⅰ 使用貸主の立場(目的物引渡し後)
Ⅱ 使用貸主の立場(目的物引渡し前)
Ⅲ 使用借主の立場
第3節 使用借主の破産
Ⅰ 使用貸主の立場
Ⅱ 使用借主の立場
第7章 配偶者居住権・配偶者短期居住権
第1節 はじめに
第2節 配偶者居住権
Ⅰ 事例
Ⅱ 改正の趣旨と本書での取扱い
Ⅲ 成立要件(現行民1028 Ⅰ)
Ⅳ 効果(建物所有者との関係)
Ⅴ 第三者との関係
Ⅵ 消滅事由
Ⅶ 配偶者居住権の評価
第3節 配偶者短期居住権
Ⅰ 事例
Ⅱ 改正の趣旨と本書での取扱い
Ⅲ 成立要件(現行民1037 Ⅰ)
Ⅳ 効果(建物所有者との関係)
Ⅴ 第三者との関係
Ⅵ 消滅事由
Ⅶ 配偶者短期居住権の評価
第8章 国又は地方公共団体による無償貸付け
第1節 はじめに
第2節 国等が所有する財産に関する制度
Ⅰ 国有財産及び公有財産
Ⅱ 普通財産と行政財産
Ⅲ 行政財産を第三者が占有して使用する場合
第3節 無償貸付けに関する一般的な規制
Ⅰ 憲法89条による無償貸付けの規制
Ⅱ 国有財産や公有財産に関する事務に従事する職員の行為の制限
第4節 国や自治体を貸主とする不動産の使用貸借
Ⅰ 国が所有する不動産の無償貸付け
Ⅱ 自治体が所有する不動産の無償貸付け
第5節 国や自治体を貸主とする動産の使用貸借
Ⅰ 国を貸主とする動産の使用貸借
Ⅱ 自治体を貸主とする動産の使用貸借
あとがき
奥付