- 発売日
- 2013年06月27日
- 出版社
- 民事法研究会
- 編著等
- 升田純
「ネットリンチ」、「SNS炎上」、「電凸」、「本人特定」など変化の激しいインターネット・クレーマー被害の根底を究明するとともに、法的救済を理論・実務の視点から分析・解説! 《被害を受けたら》営業妨害、信用・名誉毀損、プライバシー侵害、著作権侵害等、法的追及を行う際の主張ごとに類型化した100以上の判例を基に、法理と実効性を分析! 《加害者とされたら》気軽にしてしまった書込みにより法的責任を追及された際の手順・留意点をポイントごとにまとめ、わかりやすく解説!
目次
表紙
目次
第1章 インターネット・トラブルの概要と裁判の実効性
[1] インターネットの普及とトラブルの増大
1 コンピュータ社会の到来
⑴ 日本社会とコンピュータとの一般の出会い
⑵ コンピュータ社会の推進・浸透
⑶ コンピュータ社会の近未来
2 コンピュータをめぐるトラブル
⑴ コンピュータ社会の裏側
⑵ コンピュータ・トラブルの傾向と実情
⑶ コンピュータ・インターネット社会を平穏に生きる
3 インターネット社会の到来
⑴ インターネット社会の特徴
⑵ インターネット社会の実像
⑶ インターネットをめぐるトラブル対策の性質・実態
⑷ トラブル対策の必要性と限界
4 インターネット利用に伴う法的な対策・手段
⑴ 概要
⑵ 負担の度合い
[2] インターネット上の権利侵害の背景事情
1 情報攻撃
⑴ 個人・法人・事業主をめぐる被害の差異と共通性
⑵ 現代社会における侵害類型
⑶ インターネット利用による侵害類型
2 侵害類型の多様性・拡大とその対策
⑴ インターネット利用による侵害の特徴
⑵ 今後の侵害類型の動向
⑶ 事前防止対策の重要性
3 インターネット利用による被害の事情・特徴
⑴ インターネット特有類型の峻別
⑵ インターネット特有の事情・特徴
[3] クレーマー時代におけるインターネットの利用に伴う被害
1 はじめに
2 クレーマー社会の到来
⑴ クレーマー社会
⑵ クレーマー社会の現象
3 クレーマー社会とインターネット利用
⑴ クレーム武器としてのインターネット
⑵ クレーマーの特徴
⑶ クレーマー予備軍としてのインターネット利用者
4 インターネット・クレーマー
⑴ インターネット・クレーマーをめぐる環境
⑵ 過失型クレーマーの防止策
⑶ 過失型クレーマーを待ち受けるリスク
[4] インターネットをめぐる権利侵害の内容・態様
1 法的責任追及と権利侵害の内容・態様
コラム1 「訴訟も辞さない」ははたして有効か
2 被害が生じた場合の法的手段
⑴ 被害の内容・態様の証明
⑵ 加害者の特定
⑶ 訴訟手続の選択─示談という選択肢─
⑷ 勝訴判決・和解と権利の実現
⑸ 被害・加害に関する証拠収集の重要性
3 救済の法的根拠と態様
⑴ 損害賠償の根拠
⑵ 被害救済・回復の方法
⑶ 将来の被害の救済・予防
⑷ 複数人による不法行為
4 名誉毀損
⑴ 名誉
⑵ インターネット利用における名誉毀損
⑶ 保護の範囲
⑷ 要件
⑸ 社会的評価の低下の判断基準
⑹ 仮名、匿名、イニシアルの場合
⑺ 法的責任の内容
⑻ 免責
⑼ 名誉毀損の争点
⑽ 名誉毀損事件の実情
5 プライバシーの侵害
⑴ 個人に関する情報・プライバシー
⑵ プライバシーの侵害
⑶ 要件
⑷ 法的責任の内容
⑸ インターネット利用によるプライバシーの侵害
6 肖像権の侵害
⑴ 肖像権
⑵ 肖像権の侵害
⑶ 肖像権の侵害と承諾
7 個人情報の違法な取扱い
⑴ 概要
⑵ 法的責任の内容
⑶ 個人情報の違法な取扱い
⑷ インターネット利用の場合
8 氏名冒用
⑴ 氏名冒用
⑵ 氏名冒用の不法行為
⑶ 権利・法益侵害の内容・態様
9 営業の妨害、侵害
⑴ 営業の妨害、侵害
⑵ 法的責任の内容
⑶ 不正競争防止法所定の法的責任
10 プロバイダ責任制限法による開示請求権
⑴ プロバイダ責任制限法
⑵ 用語の定義(2条)
⑶ 特定電気通信役務提供者の責任(3条)
⑷ 発信者情報の開示請求権(4条)
⑸ インターネット利用の場合
11 その他の権利
[5] 裁判の利用と実効性
1 多種・多様なインターネット・システム
2 インターネット利用による被害救済の障害
⑴ 概要
⑵ 被害認知の障害
⑶ 証拠収集・確保の障害
⑷ 発信者特定の障害
⑸ 外国からの侵害の障害
⑹ 責任資産の障害
⑺ プロバイダへの情報の提供停止を求める警告の有効性
3 裁判の利用
⑴ 裁判の利用
⑵ 民事訴訟の利用
⑶ 代理人訴訟・本人訴訟の選択
⑷ 判決の限界と加害者の資力調査の重要性
第2章 インターネット・トラブルをめぐる判例と被害救済の実情
[1] 侵害情報による被害の防止、救済の対策
1 概要
2 被害拡大の防止
⑴ インターネット上の侵害情報の性質
⑵ 防止 の手段・方法
3 被害の未然防止
4 被害の救済
⑴ 救済の手順
⑵ 損害賠償の実現
[2] 侵害類型にみる判例
1 営業権の侵害、営業の侵害・妨害
⑴ 事業活動に伴うリスク
⑵ 営業権の侵害、営業の侵害・妨害をめぐる不法行為
⑶ インターネット利用の場合
⑷ 証拠収集・保管、加害者の特定
⑸ 営業権の侵害、営業の侵害・妨害をめぐる判例
2 営業妨害・業務妨害
⑴ 営業妨害・業務妨害と不法行為等
⑵ 営業 妨害・業務妨害をめぐる判例
3 信用毀損
⑴ 信用毀損と不法行為
⑵ インターネット利用による信用毀損
⑶ 損害賠償額
⑷ 信用毀損をめぐる判例
4 名誉毀損
⑴ 名誉毀損の実情
⑵ インターネット時代の名誉毀損
⑶ 名誉毀損の判断基準
⑷ 名誉毀損をめぐる判例
5 プライバシーの侵害
⑴ プライバシーの侵害による慰謝料額の算定
⑵ インターネット時代のプライバシーの侵害の実情
⑶ プライバシーの侵害をめぐる判例
6 肖像権の侵害
⑴ 肖像権の侵害の実情
⑵ 肖像権の侵害をめぐる判例
7 データの流出
⑴ データ保管の問題
⑵ デー タ流出をめぐる判例
8 著作権等の侵害
⑴ 著作権等の侵害
⑵ 著作権等の侵害をめぐる判例
9 守秘義務違反
⑴ 守秘義務違反
⑵ インターネット時代の守秘義務違反
⑶ 守秘義務違反をめぐる判例
[3] インターネットの利用・侵害方法類型にみる判例
1 電子掲示板をめぐる判例
⑴ 電子掲示板の実情
⑵ 電子掲示板をめぐる判例
2 ホームページ等のウェブサイトをめぐる判例
⑴ ホームページの実情
⑵ ホー ムページ等のウェブサイトをめぐる判例
3 ブログ
⑴ ブログの実情
⑵ ブログをめぐる判例
[4] 行為者類型別にみる判例
1 プロバイダ、システム管理者の責任
判例番号29 システムオペレータの削除等義務違反、システム運営者の使用者責任が肯定された事例
判例番号46 システムオペレータ、システム運営者の責任が否定された事例
判例番号48 電子掲示板の運営・管理者の削除等の条理上の義務違反が肯定された事例
判例番号51 電子掲示板の運営・管理者の被害拡大防止義務違反が肯定された事例
判例番号56 電子掲示板の運営・管理者の削除等の信義則上の義務違反が肯定された事例
判例番号63 電子掲示板の運営・管理者の送信可能化権等の侵害防止のために必要な措置を講ずべき作為義務が否定された事例
判例番号64 電子掲示板の運営・管理者の常時監視すべき義務が否定された事例
判例番号66 電子掲示板の運営・管理者の削除義務違反が否定された事例
判例番号69 電子掲示板の運営・管理者の削除義務違反が否定された事例
判例番号71 電子掲示板の運営・管理者の著作権侵害情報の削除義務違反が肯定された事例
判例番号80 プロバイダの個人情報流出による不法行為が肯定された事例
判例番号100 レンタルサーバ業者の共用サーバホスティングサービス利用契約者に対する善管注意義務違反が否定された事例
判例番号119 携帯電話向けインターネット・サービス・プロバイダの発信者情報開示義務が肯定、損害賠償責任が否定された事例
2 書込者の責任
判例番号38 他者の氏名・電話番号等を電子掲示板に書き込んだ者につきプライバシーの侵害が肯定された事例
判例番号40 大学内の暴行事件を電子掲示板上に書き込んだ者につき名誉毀損が肯定された事例
判例番号45 他者を誹謗中傷する内容を電子掲示板上に書き込んだ者につき名誉毀損が否定された事例
判例番号58 電子掲示板にマンション建築計画への反対意見を書き込んだ者につき名誉毀損(信用毀損)が否定された事例
判例番号90 ホームページに相手方の代理人弁護士を誹謗中傷する内容を書き込んだ者につき信用毀損等が肯定された事例
判例番号94 電子掲示板に誹謗中傷する内容を書き込んだ者につき名誉毀損が肯定された事例
判例番号95 他者の氏名・住所等を電子掲示板に書き込んだ者につきプライバシーの侵害が肯定された事例
判例番号101 ホームページに根拠のないクレーム等を書き込んだ者につき名誉毀損(信用毀損)が肯定された事例
判例番号102 ホームページに事件の経過等を書き込んだ者につき信用毀損等が肯定された事例
判例番号104 自己のホームページに相手当事者を誹謗する記事を書き込んだ者につき名誉毀損が肯定・否定された事例
判例番号106 ウェブサイトに批評記事を書き込んだ者につき名誉毀損が肯定された事例
判例番号110 ホームページ上に事件の経過等を書き込んだ者につき信用毀損が肯定された事例
判例番号112 インターネット配信動画で発言した者につき名誉毀損が肯定された事例
判例番号118 ウェブサイトに批判記事を書き込んだ者につき名誉毀損が肯定された事例
3 開示請求の可否・当否
⑴ 概説
⑵ 発信 者情報の開示請求の可否、当否をめぐる判例
[5] クレーム対応
⑴ クレームの現状
⑵ インターネット時代のクレーム
⑶ クレ ーム対応をめぐる判例
第3章 法的な責任を追及された場合の対応
1 はじめに
⑴ 思わぬ落とし穴
⑵ 潜んだリスクを認識する
2 法的責任を追及された場合の対応
⑴ 事前準備─心がまえ・現状把握・証拠保存
⑵ 訴訟前段階
⑶ 訴訟提起時
⑷ 訴訟追行時
⑸ おわりに
終章 インターネットを安全・安心して利用するために
1 インターネット社会を生きるということ
⑴ イン ターネットの影の部分と安全・安心
⑵ 悪口 、批判の魅力
⑶ 軽挙な行動が伴う危険を認識する
2 おわりに
参考文献一覧
判例索引
著者紹介
奥付