- 発売日
- 2014年03月01日
- 出版社
- 青林書院
- 編著等
- ロア・ユナイテッド法律事務所
メンタルヘルス不調をめぐる企業の法的リスクとその予防策・対応策、さらには訴訟になった場合の対処方法、職場復帰策まで、関連法令・行政指針・通達を整理し豊富な判例・裁判例に基づいて、労務の専門家が具体的かつ詳しく解説!! メンタルヘルス問題を取り扱う弁護士、司法書士、社労士、企業の担当者必携の書!!
目次
表紙
はしがき
凡例
編集代表者・執筆者紹介
目次
第1部 総論
Ⅰ メンタルヘルスの意義
Ⅱ メンタルヘスへの注目の背景と現状
1 メンタルヘスへの注目の背景等
2 職場におけるメンタルヘルスの現状等
Ⅲ 労働契約法上の安全配慮義務
1 労働契約法上の「安全配慮義務」の内容
2 使用者の安全配慮義務の明文化の趣旨
3 労働契約法の基礎となった最高裁判例法理上の安全配慮義務の概要
4 安全配慮義務・健康配慮義務と労働安全衛生法上の安全管理義務との関係
5 労働者の安全配慮義務・自己健康管理義務
Ⅳ 健康診断と健康配慮義務
1 健康診断に関する法的根拠─健康管理義務と健康配慮義務
2 健康配慮義務の内容
3 健康配慮義務の高度化
Ⅴ 労働安全衛生法によるメンタルヘルス健康管理義務の強化
1 平成24年改正法案上程までの状況
2 平成24年改正法案上程による新たな規制の模索
3 精神的な状況を把握するための検査等と面接指導への勧奨態勢の整備
4 精神的健康の状況を把握するための検査等と面接指導,健診後措置指針によるメンタルヘルス
5 面接指導による業務軽減措置と不利益取扱い禁止
6 面接指導時・健康診断時の処遇面での法的関係
Ⅵ 精神状況の検査及び健康診断等における労働者の個人情報等の取扱い
1 使用者の健康診断,精神的な状況を把握するための検査実施義務の内容─プライバシーへの一定の制約,使用者の健康診断実施義務の内容
2 使用者の過重労働への面接指導へ向けての勧奨態勢とプライバシー
Ⅶ 健康配慮義務の履行としての業務の軽減としてなされる休業・休職と賃金請求権,損害賠償請求
1 企業側に健康配慮義務違反がある場合
2 企業側に健康配慮義務違反がない場合
Ⅷ メンタル不調者・精神疾患者への懲戒処分と解雇
Ⅸ 心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引きとその意義
職場復帰のための対策
1 はじめに
2 職場復帰支援の流れ
3 職場復帰支援の各ステップ
4 プライバシーの保護
5 その他職場復帰支援に関して検討・留意すべき事項
メンタルヘルス対策チェックリスト
第2部 各論
第1章 労働関係の展開段階ごとのメンタルヘルスQ&A
Ⅰ 募集・採用段階におけるメンタルにおける法律問題と実務的対応策
Q1 採用前のメンタル項目を含む健康診断を義務づけることの可否,採用決定における採用前健康診断を利用することの可否
Q2 採用面接で既往歴の申告を求めたり,本人から申告書を提出させたりすることは可能か
Q3 労働者の健診結果・病気を理由とする内定の取消しは可能か
Q4 内定時の健診結果を雇入れ時の健診として取り扱ってよいか
Q5 雇入れ時の健康診断を労働者負担にすることは可能か
Q6 雇入れ時の健診項目を増やすことは可能か
Q7 雇入れ時の健診結果や病気を理由に試用期間中の社員の本採用を拒否することは可能か
Ⅱ 労働時間管理とメンタルヘルス上の法律問題と実務対応
Q1 労働時間規制の意味とは─〔電通事件〕最高裁判決の示す健康配慮義務の内容
Q2 変形労働時間制と健康配慮
Q3 フレックスタイムと健康配慮
Q4 休憩時間・休日と健康配慮
Q5 時間外・休日・深夜労働と健康配慮
Q6 事業場外労働みなし労働時間制と健康配慮
Q7 裁量労働制と健康配慮
Q8 年次有給休暇と健康配慮
Q9 管理監督者と健康配慮
Ⅲ 人事異動とメンタルヘルス上の法律問題と実務対応
Q1 会社が配転命令を行使する場合にメンタルヘルス問題で注意すべき点(配転・転勤と健康配慮)
Q2 出向した従業員が出向を理由にメンタルヘルス不調を訴えてきた場合の出向元の責任(出向と健康配慮)
Q3 転籍した従業員が労災を訴えてきた場合の転籍元の責任(転籍と健康配慮)
Q4 昇進等の際にメンタルヘルスの問題で注意すべき点(昇進と健康配慮)
Q5 健康配慮としての降格・降級と希望降格制度
Q6 海外出張・海外赴任における会社の健康配慮
Q7 研修・社員教育における会社の健康配慮義務
Q8 私傷病を理由とした職種変更の申出や転勤命令拒否は認められるか
Q9 私傷病を理由とした職位の引下げや職能資格制度等の降格は認められるか
Ⅳ 職場環境・人間関係等の管理とメンタルヘルス上の法律問題と実務対応
Q1 物理的作業環境がメンタルヘルスに与える影響
Q2 パワハラがメンタルヘルスに与える影響
Q3 セクハラがメンタルヘルスに与える影響
Ⅴ 健康診断及び面接指導等とメンタルヘルス上の法律問題と実務対応
Q1 定期健診と特殊健診の受診命令をすることの可否
Q2 過重労働時に面接指導命令を行うことの可否
Q3 健康診断や面接指導による業務軽減措置と不利益取扱い禁止
Q4 健康診断時・面接指導時の処遇と法的関係
Q5 法定外健診の受診命令を行うことの可否
Q6 労働安全衛生法の改正動向(メンタルヘルス対策)
Ⅵ 精神状況及び健康診断等における労働者の個人情報の取扱い
Q1 健康情報と個人情報保護
Q2 健康情報とプライバシー
Ⅶ 従業員がメンタルヘルス不調・精神疾患を発症した場合の実務対応
Q1 業務災害の可能性への配慮と判断方法
Q2 平成23年に公表された新しい精神障害に係る労災認定基準の概要と留意点
Q3 業務起因性のない精神障害を発症した社員への対応
Q4 精神疾患発症者についての対応の最高裁判例
Q5 自殺を防ぐための対応策
Q6 業務災害を申請・認定された場合の対応策
Ⅷ 精神疾患の発症による私傷病休職・復職・退職等
Q1 私傷病休職制度とは何か
Q2 断続的に欠勤する従業員に対し休職を命じることができるか
Q3 メンタル不全が疑われる従業員に対し,受診を命じることができるか
Q4 休職期間中に病状を報告させることはできるか
Q5 復職を認める際の回復の程度
Q6 会社が医師を指定すること・主治医の診療記録等の開示を求めることは可能か
Q7 主治医と会社指定医の意見が食い違った場合
Q8 復職希望者が診療記録等の開示に応じない場合の対応・休職事由の存続/消滅の立証責任
Q9 リハビリ出社・リハビリ出勤
Q10 復職時の業務軽減措置及びそれに伴う賃金減額措置
Q11 休職期間の通算制度及び休職期間の通算規定と就業規則の不利益変更
Q12 休職期間の満了に伴う自然退職規定・休職開始前や休職期間満了前の解雇の有効性
Q13 うつ病等に罹患し,頻繁に欠勤している従業員に対して退職勧奨することは可能か
Q14 休職・復職に関し,会社がなすべき予防的措置
Ⅸ 過労自殺等が起きた場合の実務対応
Q1 過労自殺の労災認定をめぐる問題
Q2 労働者の健康に影響を及ぼす長時間労働
Q3 労働者の健康に影響を及ぼす職場のストレス要因 (セクハラ,パワハラ等)
Q4 基礎疾患のある労働者の過労死・過労自殺への対応
Q5 メンタル不調・精神疾患再発への対応
Q6 精神疾患で何度も休職を繰り返す社員の取扱い
第2章 係争化した場合・紛争の段階ごと・紛争予防策のQ&A
Ⅰ 労災としての精神疾患,過労自殺等が起こった場合についての基礎
Q1 労災としての精神疾患,過労自殺等が起こった場合の責任類型
Q2 労働基準法・労災保険法による労災補償
Q3 労働安全衛生法等の違反における制裁
Q4 労災における刑法上の業務上過失致死傷の罪
Q5 労災における被災労働者や遺族からの損害賠償請求
Q6 労災における社会的責任,いわゆるIR 面での留意点
Ⅱ 労災認定をめぐる行政手続・訴訟等への事業主の参加
Q1 労災審査手続の内容と労災審査手続への事業主の参加の可否
Q2 労災保険給付・不支給・支給取消認定やその他労災審査手続等への事業主の情報提供等
Q3 労災行政訴訟への事業主の参加をめぐる検討課題
Ⅲ 精神疾患,過労自殺等への被災者側への実務対応上の留意点
Q1 精神疾患,過労自殺の労災認定申請への対応上の注意点
Q2 過労死等の労災認定行政訴訟への補助参加の当否・要否の検討
Q3 労災認定への協力以外の免責による確認書取得等への工夫
Q4 弁護士会への弁護士法23条の2による照会請求
Q5 精神疾患,過労自殺に関する労災民事訴訟に関する示談
Ⅳ 裁判所における労災民事賠償請求事件処理における留意点
Q1 簡裁の労使関係調停とその利用上の実務的留意点
Q2 労働審判制度とその利用上の実務的留意点
Q3 文書提出命令とその利用上の実務的留意点
Q4 和解について
Ⅴ 過労自殺等への民事損害賠償の算定
Q1 民事上の損害賠償責任
Q2 積極損害
Q3 後遺障害逸失利益
Q4 死亡逸失利益
Q5 休業損害
Q6 慰謝料 (死亡・後遺障害・入通院)
Q7 過失相殺・損益相殺
Q8 寄与度減額(心因的要因・既往症等)
Ⅵ 過労自殺等への労災保険給付と損害賠償の調整と紛争発生予防措置
Q1 賠償額から控除される保険給付─労災保険による補償される損害の範囲
Q2 将来給付分は非控除
Q3 使用者による損害賠償義務の履行と国に対する未支給の労災保険金の代位請求
Q4 特別支給金の非控除
Q5 上積み補償制度の意義と必要性
Q6 上積み補償制度と労災保険給付との関係
Q7 上積み補償制度と損害賠償との関係
Q8 上積み補償の原資としての保険利用上の諸問題
Q9 上積み補償制度と死亡退職金との調整
Q10 上積み補償制度と弔慰金・見舞金との調整
資料 メンタルヘルスに関する裁判例
労働者の業務負荷に関する使用者の安全配慮義務,及び過失相殺の可否
精神疾患に関する業務起因性判断
業務上の傷病と民法536 条2 項の適用の有無
受診命令の可否
復職可能判断の基準
精神疾患が疑われる従業員への対処
復職の可否に関する立証責任
事項索引
判例索引
奥付