- 発売日
- 2018年06月13日
- 出版社
- 日本加除出版
- 編著等
- 松本 博之
民訴法が目指す本来の民事控訴審の在り方とは?
現状に鑑みて、民事控訴審の理論と実務について解説
法曹関係者必読の書!!
● 「民事控訴審は、第一審判決の取消し自体を目的とするものではなく、不服のある当事の申立てにより、請求について控訴裁判所が改めて審理し、正しい裁判の実現を目指す手続である」との観点から、懸案となっている控訴審の手続上の諸問題の解決策を提示。
目次
表紙
はしがき
目次
凡例
[判例集・雑誌の略語]
[引用文献等略語表]
序章 民事控訴審の基礎理論と控訴審の事後審的運営の問題性
1 控訴審の事後審的運営
2 事後審的運営の正当化とこれに対する批判
⑴ 事後審的運営の正当化理由
⑵ 批判
⑶ 控訴審審理の充実の必要性
3 上訴制度の目的
4 本書の課題
第1章 裁判に対する各種の不服申立てのなかの上訴
第1節 総説
第2節 異議
第1款 意義
1 受命裁判官および受託裁判官がした裁判に対する異議
2 手形訴訟・小切手訴訟の終局判決に対する異議
3 少額訴訟の終局判決に対する異議
4 刑事裁判所の損害賠償命令に対する異議
5 執行異議
6 督促異議
7 裁判所書記官の処分に対する異議
第3節 特別の不服申立て
第1款 意義
第2款 再審の訴え
第3款 特別上訴
第4節 上訴
〔文献〕
第1款 上訴の意義と種類
第2款 上訴の効力
図表1 各種の不服申立て
第2章 上訴制度の目的と上訴審の審理構造
〔文献〕
第1節 上訴の目標(目的)─ 審理続行モデルと取消モデル
第1款 手続の続行と新たな裁判・原裁判の変更
第2款 通説の上訴目的の理解
第3款 Peter Gilles(ペータ・ギレス)の破棄モデル
第4款 兼子説の問題点
第5款 今日の取消・変更説に対する批判
第6款 私見
第2節 変更と取消しの関係
第1款 問題の所在
第2款 2つの見解
第3款 検討
第3節 法令解釈の統一
第1款 上訴制度の公益的性格
第2款 種々の上訴制度における公益性の濃淡
第4節 控訴審の構造に関する立法原則
第1款 覆審制,事後審制および続審制
第2款 続審制をめぐる議論
第5節 上訴審の審理・裁判の対象
第6節 上訴の適法性と理由具備性の区別
第1款 適法性と理由具備性の区別一般
第2款 上訴の適法性の要件
第3章 控訴と控訴の適法要件
第1節 控訴
第1款 控訴の概念と原則
第2款 他の救済手段との競合
第3款 控訴裁判所
第4款 控訴審手続の当事者
第2節 控訴の適法要件
第1款 控訴の適法要件
第2款 原裁判が控訴の許される裁判であること(控訴の許容性)
第3款 不服
第4款 形式的不服原則の例外
第5款 基準時
第3節 控訴提起の方式
第4節 控訴期間と追完
第1款 控訴期間
第2款 控訴期間の追完
第5節 控訴権の放棄
第1款 控訴権とその放棄
第2款 控訴権放棄の要件
第3款 控訴権放棄の方式
第4款 控訴権放棄の効力
第5款 控訴権放棄の撤回・取消し
第6款 不控訴の合意
第6節 二重控訴
第1款 問題の所在
第2款 批判
第7節 控訴権の濫用に対する制裁
〔文献〕
第1款 控訴権の濫用による金銭納付命令
第2款 控訴権の濫用を理由とする控訴却下?
第8節 適法要件の審理と裁判
第1款 本案の調査に対する適法要件の審査の優先
第2款 種々の適法要件相互間における審査の優先順位
第3款 控訴が不適法な場合の裁判
第4章 控訴審における共同訴訟人,訴訟参加人および第三者
第1節 はじめに
第2節 個々の共同訴訟人の控訴
〔文献〕
第1款 通常共同訴訟と必要的共同訴訟
第2款 通常共同訴訟
第3款 必要的共同訴訟
第4款 共同訴訟における控訴
第3節 控訴審における当事者の追加
1 はじめに
2 控訴審における特殊性
第4節 控訴審における当事者の交替
〔文献〕
第1款 任意的当事者交替
第5節 補助参加と補助参加人の控訴
〔文献〕
〔設例1〕
〔設例2〕
〔設例3〕
〔設例4〕
第1款 補助参加
第2款 補助参加人の控訴
第3款 補助参加人に対する控訴
第4款 共同訴訟的補助参加人
第6節 控訴審における訴訟告知
1 訴訟告知の意義と目的
2 訴訟告知の要件
3 訴訟告知の効力
4 第一審判決後の訴訟告知
第7節 独立当事者参加訴訟における控訴
〔文献〕
[設例1]
[設例2]
第1款 独立当事者参加の意義と構造
第2款 独立当事者参加訴訟における控訴
第3款 第一審判決後の独立当事者参加
第8節 共同訴訟参加
第1款 意義
第2款 要件
第3款 共同訴訟参加の手続
第9節 その他の者の控訴
第1款 権利義務の承継人
第2款 係争物・係争権利の譲受人,係争債務の承継人
第5章 控訴の提起と控訴理由
第1節 控訴の手数料
第1款 第一審裁判所への控訴状の提出
第2款 当事者および法定代理人
第3款 控訴の手数料訴額と手数料
第2節 控訴の提起
第1款 控訴状の提出
第2款 控訴状の記載事項
第3款 裁判長による控訴状の審査と控訴状の送達
第3節 控訴理由書
第1款 理由書提出期間
第2款 控訴理由書の記載事項
第4節 控訴提起の効果
控訴状の様式(裁判所ホームページによる)
控訴状の例(原告全部敗訴の場合)
第6章 控訴に対する被控訴人の反論と附帯控訴
〔文献〕
第1節 控訴提起後の手続
第1款 原裁判所による適法性の審査
第2款 控訴裁判所の裁判長による控訴状審査
第3款 控訴が不適法で不備を補正できない場合の控訴の却下
第4款 被控訴人の反論準備書面
第2節 附帯控訴
第1款 附帯控訴の基礎
第2款 附帯控訴の法的性質
第3款 附帯控訴の種類
第4款 附帯控訴の適用事例
第3節 附帯控訴の適法要件と不服の要否
第1款 附帯控訴の適法要件
第2款 不服の要否
第3款 附帯控訴の手続と効果
第4款 附帯控訴に対する審理・裁判
第5款 附帯控訴の失効
第4節 附帯控訴の費用
附帯控訴状の書式例
第7章 控訴審における訴えの変更,反訴,選定者に係る請求の追加,相殺の抗弁および控訴申立ての変更
〔文献〕
第1節 はじめに
第2節 控訴審における訴えの変更,反訴,相殺の抗弁および選定者に係る請求の追加
第1款 控訴審における訴えの変更
第2款 控訴審における新たな相殺の抗弁
第3款 控訴審における反訴の提起
第4款 選定者に係る請求の追加
第3節 控訴申立ての変更
第1款 控訴申立ての拡張
第2款 控訴の申立ての制限
第8章 控訴審の訴訟物
第1節 はじめに
第2節 控訴審の審理・裁判の対象
第1款 控訴人の不服申立ての当否が審理の対象か
第2款 学説─ 兼子説(取消説)の支配
第3款 批判
第3節 第一審で裁判された請求
〔文献〕
第1款 第一審の訴訟上の請求
第2款 不服が申し立てられていない請求
第3款 第一審において裁判されていない請求
第4款 控訴審における新たな請求
第5款 控訴審における新たな相殺の抗弁
第9章 控訴裁判所の審理
〔文献〕
第1節 第一審手続の続行
第2節 口頭弁論と控訴審の訴訟資料
第1款 必要的口頭弁論の原則
第2款 控訴審の訴訟資料
第3節 更新権とその制限
第1款 更新権
第2款 更新権の制限
第4節 控訴審裁判所の証拠調べ
1 はじめに
2 第一審における証拠調べが控訴裁判所に対してもつ意味
3 ドイツ法における控訴裁判所の証拠調べ義務の範囲
4 控訴裁判所の証拠調べ義務
第5節 控訴審の事後審的運営とその批判
第1款 控訴審の事後審的運営
第2款 事後審的運営の問題点
第10章 当事者自身による控訴審手続の終了
第1節 控訴の取下げ
第1款 意義
第2款 控訴取下げの要件
第3款 控訴取下げの効力
第4款 控訴の擬制取下げ
第5款 控訴取下げの場合の費用負担と費用の裁判
第6款 控訴取下げ契約
第2節 控訴審における和解
第1款 法律規定と和解実務
第2款 和解における心証の開示
第3款 控訴審における訴訟上の和解の特殊性
第4款 訴訟中の裁判外の和解
第11章 控訴に対する裁判と不利益変更の禁止
〔文献〕
第1節 控訴に対する種々の裁判
第1款 原裁判所による控訴却下決定
第2款 控訴却下判決
第3款 控訴棄却判決
第4款 原判決の変更,取消し・差戻し等
第2節 変更・取消しの限界と不利益変更禁止の原則
第1款 変更・取消しの限界
第2款 不利益変更禁止の原則
第3款 問題となる諸事例
第4款 不利益変更禁止の原則の不適用
第3節 訴えの客観的併合と上訴の利益,および不利益変更の禁止の原則
第1款 訴えの単純併合
第2款 訴えの予備的併合
第3款 訴えの選択的併合
第4款 予備的反訴の場合
第12章 控訴審判決の判決書
〔文献〕
第1節 はじめに
判決書の例(部分)
第2節 形式的事項の表示
第1款 第件番号・事件名の表示の例示
第2款 表題
第3款 当事者および法定代理人の表示
第3節 控訴審判決の主文の内容
第1款 本案についての裁判
第2款 訴訟費用の裁判
第3款 仮執行宣言に関する裁判
第4節 種々の控訴審判決の主文
第1款 控訴の不適法却下
第2款 一般の訴訟要件欠缺の場合
第3款 理由を欠く控訴
第4款 適法でかつ理由のある控訴
第5款 控訴が一部理由を有する場合
第6款 通常共同訴訟において複数原告の一部または複数被告の一部から控訴が提起された場合
第7款 第一審判決が本訴請求と反訴請求について裁判している場合
第8款 一部認容判決に対する両当事者の控訴
第9款 控訴と附帯控訴が提起された場合
第10款 控訴審において訴訟承継があったとき
第5節 控訴審判決の事実と理由
第1款 法律規定
第2款 事実
第3款 理由
第13章 差戻後の再度の控訴審手続
〔文献〕
第1節 種々の控訴審手続の繰返し
第2節 控訴裁判所による差戻し
第1款 再度の第一審手続
第2款 再度の控訴審
第3節 上告裁判所による差戻し
第1款 上告裁判所の裁判
第2款 例外としての破棄自判
第3款 再度の控訴審手続
第4款 第一審への差戻し
第4節 差戻し後の審理・裁判と上告
第1款 差戻し後の審理・裁判
第2款 差戻し後の判決に対する新たな上告
終章 要約と展望
1 要約
2 展望
事項索引
判例索引
著者
奥付