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事実認定の考え方と実務〔第2版〕

発売日
2021年03月22日
出版社
民事法研究会
編著等
田中豊

現代における重要性と読者にとっての読みやすさを勘案して、初版では取り上げなかった下記の論点を取り上げ、初版における論点の位置づけを変更するなどの工夫を施して、改訂増補! 裁判官、弁護士、司法書士等の民事紛争を解決するための実務に携わっている方々のみならず、司法修習生、法科大学院生、法学部生にとっても必読の1冊!

目次

表紙

はしがき

目次

第1章 事実認定の前提を成す原理

Ⅰ 「事実の認定」とは

Ⅱ 「事実の確定」と「事実の認定」

1 弁論主義とは

2 弁論主義の具体的内容

3 裁判所の認定が許される事実

4 裁判所から事実認定権を剥奪することのない自白──間接事実の自白──

Ⅲ 民事訴訟における事実認定の特徴

Ⅳ 事実認定に必要な証明の程度

1 証明度の意義

2 刑事訴訟における証明度と民事訴訟における証明度

3 民事訴訟における証明度についての最高裁判例の立場

4「高度の蓋然性」と「相当程度の蓋然性」

5 訴訟代理人として留意しておくべき事項

Ⅴ 当事者の事案解明義務

1 立証責任(証明責任)と当事者のする立証(証明)の過程

2 情報(証拠)偏在型訴訟におけるわが国の実務の工夫

3 主張・立証責任を負わない当事者の事案解明義務という考え方

4 主張・立証責任を負わない当事者の事案解明義務と最高裁判例の立場

5 伊方原発事件最高裁判決の発するメッセージ

Ⅵ 当事者主義と職権主義

1 はじめに

2 人事訴訟における職権探知主義の採用

Ⅶ 人事訴訟における主張と立証

1 認知の訴えにおける父子関係の主張と立証

2 原審の判断

3 最高裁の判断

4 最高裁判決の意義

5 認知訴訟における主張・立証の構造

6 認知訴訟における証明度

Ⅷ 認定すべき主要事実の具体性の程度──概括的認定──

1 はじめに

2 事実的要件と規範的要件

Ⅸ 規範的要件と概括的認定

1 過失の概括的認定

2 概括的認定の許容性を考えるうえでのポイント

Ⅹ 事実的要件と概括的認定

1 事実的因果関係の概括的認定

2 結果との間で事実的因果関係のある行為についての概括的認定

Ⅺ 法律行為の解釈と事実認定

1 はじめに

2 法律行為の解釈と事実認定との区別

3 契約の解釈

4 単独行為(遺言)の解釈

第2章 直接証拠による事実認定

第1節 文書(契約書)による事実認定

Ⅰ はじめに

Ⅱ 処分証書と報告文書

Ⅲ 証拠能力と証拠力

1 証拠能力とは

2 証拠力とは

Ⅳ 形式的証拠力と実質的証拠力

1 形式的証拠力とは

2 実質的証拠力とは

Ⅴ 私文書の成立の真正についての「二段の推定」

1 民訴法228条4項の規定の趣旨

2 最高裁判例による「二段の推定」の枠組みの形成

3 私文書の成立の真正についての事実認定の過程

Ⅵ 合意(契約)の成立の証明と第二段の推定(民訴法228条4項の推定)

1 解約合意の認定と文書の成立に関する反証の成否

2 最高裁の判断

3 本件における主張と証拠との関係

4 最三小判昭和38・7・30の意義

Ⅶ 第二段の推定(民訴法228条4項の推定)を覆すに足りる反証

1 はじめに

2 文書の記載内容の改ざん

3 作成者の判断能力と文書の成立の真正

Ⅷ 第一段の推定(作成名義人の印章であることによる当該名義人の意思に基づく顕出であることの推定)を覆すに足りる反証

1 はじめに

2 印影が作成名義人の印章によるものかどうかを確定することの重要性

3 第一段の推定が覆る場合

4 第一段の推定が覆らない場合

Ⅸ 文書の記載内容の真実性──実質的証拠力の有無──

1 はじめに

2 処分証書による契約成立の認定と虚偽表示の認定

3 報告文書の存在と契約成立の認定

Ⅹ 検証物としての文書による事実認定

1 はじめに

2 借用証の所在と貸金債務弁済の認定

3 検証物としての文書の検討の必要

第2節 供述(証人の証言、当事者の陳述)による事実認定

Ⅰ 人証の特徴

1 文書との比較

2 供述に至る過程の検討

3 反対尋問の重要性

Ⅱ 供述の信用性の検討方法

1 供述の真偽の裏付けとなる証拠の提出

2 人証の供述時の状況の検討

3 動かない事実および経験則との整合性の検討

Ⅲ 経験則の機能

1 経験則の意義

2 供述の信用性の判断資料としての機能

Ⅳ 裁判例にみる供述の信用性の検討

1 直接証拠である供述を排斥して反対事実を認定することと経験則

2 直接証拠である供述を信用して事実を認定することと経験則

第3章 間接証拠による事実認定

第1節 間接証拠による事実認定の構造

Ⅰ 直接証明と間接証明

1 はじめに

2 直接証拠と間接証拠

3 本証と反証

Ⅱ 間接証明の構造とこれを争う方法

1 第1段階における争い方

2 第2段階における争い方──いわゆる間接反証──

Ⅲ 経験則を獲得していることの重要性

1 代理権授与についての経験則が問題になった事例

2 贈与契約の締結を証する念書の成立についての経験則が問題になった事例

第2節 いわゆる間接反証の成否

Ⅰ 間接反証という考え方の有用性

1 はじめに

2 間接反証という概念は無用か

3 経験則適用の前提事実および例外事実の意識的探求の重要性

Ⅱ 間接事実による主要事実の推認の成否──経験則適用の前提問題──

1 経験則を適用するために前提となる間接事実

2 売買契約の締結の認定が問題になった事例

Ⅲ 推認を妨げる特段の事情の成否──間接反証の問題──

1 推認を妨げるために必要となる間接事実

2 賃借権の贈与の認定が問題になった事例

第3節 補助事実としての機能

Ⅰ はじめに

Ⅱ 直接証拠である供述の信用性の検討と経験則

1 弁済を肯定する証人の証言とこれを否定する当事者の供述の信用性が問題になった事例

2 弁済を証する領収書等の文書の信用性が問題になった事例

第4章 損害または損害額の認定

Ⅰ 損害の概念と損害額の推計

1 損害および損害額の概念

2 損害額を認定する方法

3 最二小判平成元・12・8 民集43巻11号1259頁(鶴岡灯油訴訟事件最高裁判決)

4 小括──推計という認定手法の一般性──

Ⅱ 民訴法248条の規定による損害額の認定

1 損害額の認定と民訴法248条の新設

2 民訴法248条の規定の性質と適用範囲

3 損害額の認定の重要性

第5章 事実認定と要件事実論

Ⅰ 事実認定上の争点の設定

1 はじめに

2 民事訴訟における争点設定(争点形成)の原理

3 争点設定(争点形成)における要件事実論の役割

Ⅱ 争点設定(争点形成)の誤りと事実認定(証拠評価)の誤り

1 最一小判昭和32・10・31民集11巻10号1779頁の概要

2 本件における争点設定(争点形成)の検討

3 正しい事実認定(証拠評価)を目指して

Ⅲ 事実認定と要件事実論

第6章 事実認定と判決書における表現方法

Ⅰ はじめに

Ⅱ 認定と判断、認定と確定

1 認定と判断

2 認定と確定

Ⅲ 判決理由中の記載順序

1 請求原因→抗弁→再抗弁の論理的順序によるのが原則

2 論理的順序によらないと認定・判断を誤りやすい

Ⅳ 判決理由中の記載事項

1 文書の取扱い

2 要証事実を認定する場合の説示方法

3 要証事実を認定しない場合の説示方法

4 判決書の表現方法を理解しておくことの意味

事項索引

判例索引

著者略歴

奥付

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