- 発売日
- 2021年01月20日
- 出版社
- 日本評論社
- 編著等
- 和田 肇
働く者(フリーランス、自営業者なども含む)に大きな被害をもたらしたコロナ禍にどう対応し、働き方はどうあるべきかを問う。
目次
表紙
はしがき
目次
略語
序章
1 コロナ禍の雇用現場での被害
2 コロナ禍への対応?
3 本書の概略
4 訴えたいこと
第1章 コロナ禍と雇用の現場
はじめに
一 コロナ禍の労働相談とコミュニティ・ユニオンの活動
1 個人加盟制の労働組合として
2 名古屋ふれあいユニオンの歴史
3 新型コロナ感染がもたらした労働問題の特徴
4 地域共闘と労働行政への対応について
5 労働組合活動の制限や団体交渉権について
二 弁護士の経験
1 コロナ禍以前の経験
2 コロナ禍の下での日本労働弁護団の取り組み
3 コメント
コラム 営業「自粛」と憲法
1 感染拡大防止対策としての「自粛」要請
2 補償なければ禁止なし?
3 「自由」の意味を問い直す
4 営業「自粛」と損失補償
第2章 解雇、雇止め、派遣切りと労働法
はじめに
一 コロナ禍と整理解雇
1 解雇権濫用法理と解雇の類型
2 整理解雇はどのような場合に許されるのか
3 コロナ禍と整理解雇
二 コロナ禍と雇止め
1 有期雇用労働者の実情
2 雇止め法理はどのような考え方か
3 コロナ禍の下での雇止めをどう考えるべきか
三 派遣労働者とコロナ禍
1 派遣労働の特徴とコロナ禍における派遣労働者の状況
2 労働者派遣法の歴史
3 現行派遣法の問題点とコロナ禍
四 おわりに
第3章 休業手当、雇用調整助成金、休業給付金
はじめに
一 休業者の実態
二 休業手当の支払の実態
三 履行不能と反対給付(賃金支払)の仕組み
1 労働ができない場合の賃金の扱い
2 労基法26条の趣旨
四 休業手当
1 労基法26条の帰責事由
2 コロナ禍での緊急事態宣言による休業
3 休業手当の計算方法
五 雇用調整助成金
1 雇用調整助成金の機能
2 コロナ禍と雇用調整助成金
3 手続の問題
4 雇用調整助成金申請の実態
六 休業支援金・給付金
1 新制度の趣旨と内容
2 制度の特徴と問題点
3 利用状況
七 まとめ
資料 社会保険労務士に聞く
補論 ドイツの操業短縮手当
1 メルケルの覚悟
2 ドイツの操業短縮手当──雇用調整助成金のモデル
3 利用状況
4 EUの制度
第4章 テレワークの意義と可能性
はじめに
一 テレワーク推進に関する政府の動向──COVID-19拡大後の状況
二 テレワークの現況──COVID-19拡大前後の状況
1 テレワークの導入状況
2 テレワークの実施状況と頻度
3 テレワークの実施職種、効果、問題点等
4 COVID-19拡大後のテレワーク──原則テレワークか原則出社か
三 テレワークの定義、性質、課題の整理
1 テレワークの定義
2 テレワークの性質
3 テレワークの性質と検討課題の整理
四 テレワークの課題──ニューノーマル時代の一般的な「働き方」として
1 テレワークの導入・実施に関する問題
2 テレワークと労働時間の管理
3 テレワークと健康確保
4 「つながらない権利」の保障と問題
五 おわりに──よりよい「働き方」としてのテレワークのために
補論 テレワークの国際比較
1 先進国の指標
2 ドイツの事例
3 テレワークをめぐる労働法上の問題──ILO報告書を中心に
4 まとめ
第5章 非正規雇用のセーフティネット
はじめに
一 問題の所在
1 働き方改革の影と死角
2 社会保障を受ける権利
3 社会保険制度の弊害・課題
二 人件費節約の法政策からの脱却
1 社会保険制度の二本立て:一部の労働者に対する労働者型保険制度
2 競合する契約形式:不適切なインセンティブ
3 小括:事業主の負担を免れる「非正規化」および「非労働者化」人事政策
三 全「就業者」型社会保険へ
1 「主婦パート」
2 非自立的 営業者とは
3 家計を「一部または全部」維持する雇用労働者への適用
4 「シフト制」への雇保法の適用
四 おわりに
第6章 フリーランスのセーフティネット
はじめに
一 コロナ禍でのフリーランスの現状
二 フリーランスの経済支援
1 フリーランスの休業補償
2 多様な支援制度
3 臨時措置としての持続化給付金
4 持続化給付金の問題・課題
5 文化芸術家支援
三 海外でのフリーランス支援・経済補償──ドイツを中心に
1 海外での経済支援
2 ドイツの経済支援・補償
四 フリーランスのセーフティネットの再構築
1 フリーランスの実態
2 働き方改革とフリーランス問題
3 セーフティネットの破綻
五 社会制度としてのセーフティネットの再構築
1 一つのモデルとしてのドイツ法
2 ドイツの 術家の社会保険制度
3 日本への示唆
六 おわりに
コラム 街にあふれる「ウーバーイーツ」と労働法
第7章 新型コロナとジェンダー
はじめに
一 国際機関からの提言
二 女性・女児に対するコロナ禍の影響
三 日本の新型コロナ対策──ジェンダー視点の欠如
1 見直されなかった「世帯主義」
2 女性支援を阻んでいる法制度
3 非正規公務員問題
第8章 韓国/コロナ危機に立ち向かう「幸福国家」への展望
はじめに
一 家族ケアとの両立
1 コロナ危機と家族ケア
2 家族介護休暇制度の普及と家族介護費用緊急支援金
3 コロナ危機を理由とする家族介護休暇の延長
二 労働者類似の個人事業主に対する保護──特殊形態労働従事者
1 産業災害補償保険制度における「特殊形態労働従事者」類型
2 全国民雇用保険制度創設の試み
三 「幸福国家」へ
第9章 ポスト・コロナの「新しい常態」と働き方、働かせ方
はじめに
一 「新しい常態」と新しい社会モデル
1 新しい常態とは
2 新しい常態のイメージ
二 働き方の根本的改革
三 改めてワーク・ライフ・バランスの取れた働き方を
1 単身赴任の見直し
2 フレックスタイム制
3 ケア労働と家族共同責任
4 連帯の強化
四 新たな労働法規制に向けて
1 標準的労働関係モデルとは
2 標準的労働関係モデルの若干の修正
3 非正規雇用立法政策を考える視点
五 セーフティネットの強化
六 まとめに代えて
執筆者紹介
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