- 発売日
- 2021年10月12日
- 出版社
- 日本法令
- 編著等
- 税理士法人タクトコンサルティング、金森民事信託法律事務所
遺贈寄附は、寄附するもの(金銭か金銭以外か)、寄附額、寄附目的(社会貢献、節税など)も多彩であり、受遺者と遺族とのトラブルも発生しやすいことなどから十分な対策が必要となり、弁護士や税理士といった専門家のアドバイスが求められる分野です。そこで本書では、とくに寄附する側のニーズに専門家として適切に応えられることを目指し、遺贈寄附に関する実務と、それに伴う法務、税務上のポイントについて、また、金銭・有価証券・不動産・美術品等、財産別の相続対策についてわかりやすく解説しています。
目次
表紙
はしがき
目次
第1章 遺贈寄附の基本
Q1 遺贈寄附とは
1. 遺贈寄附とは
2. 寄附とは
3. 遺贈とは
4. 本書の目的と本書が取り扱うケース
Q2 遺贈寄附への関心の高まり
1. 高齢化社会
2. 家族構成の変化とライフスタイルの多様化
3. 災害等による社会貢献意欲の向上
4. その他
Q3 日本の寄附の現状と諸外国との比較
1. 日本の寄附の現状
2. 諸外国との比較
Q4 日本の寄附の動向
1. 日本の寄附の動向
2. 遺贈寄附の意識と遺言書の作成割合
第2章 遺贈寄附の法務
Q1 遺贈寄附の方法とその手続き
1. 概要
2. 贈与
3. 信託
4. 遺贈
5. 死因贈与
6. 留意点-コミュニケーションが大切
Q2 遺言書の作成方法
1. 遺言の種類
2. 遺言で定めることができる事項
3. 遺言をする際に守らなければならない原則等
4. 遺言執行者の指定
Q3 遺贈の種類─特定遺贈と包括遺贈
1. 遺贈の種類
2. 包括遺贈と特定遺贈の違い
3. 留意点
Q4 公正証書遺言
1. 公正証書遺言の作成方法
2. 公正証書遺言のメリット
3. 公正証書遺言のデメリット
4. 公正証書遺言作成の費用
5. 遺贈寄附をするならば公正証書遺言がよい
Q5 自筆証書遺言
1. 自筆証書遺言の作成方法
2. 自筆証書遺言のメリット
3. 自筆証書遺言のデメリット
4. 遺言書保管制度について
Q6 遺留分とは
1. 遺留分の意義
2. 遺留分を侵害した遺言の効力
3. 遺留分侵害額請求
Q7 遺贈寄附と遺留分の関係
1. 遺贈寄附が遺留分を侵害していた場合
2. 計算
3. 信託を利用する場合
Q8 法務的観点からみたトラブル相談事例とトラブル回避のポイント
1. 遺留分侵害
2. 包括遺贈
3. 清算型遺贈
Q9 信託を利用した寄附の方法
1. 特定寄附信託(日本版プランド・ギビング)
2. 公益信託
3. その他の信託
第3章 遺贈寄附と財産別相続対策
第1節 金銭の遺贈寄附
Q1 金銭の生前寄附があった場合の課税関係
1. 寄附金の所得控除
2. 寄附金の税額控除
3. 個人住民税における寄附金の取扱い
Q2 金銭の法人寄附があった場合の課税関係
1. 法人税法上の寄附金の意義
2. 国等に対する寄附金や財務大臣の指定する寄附金の額の損金算入
3. 寄附金の額の損金算入限度額の計算
Q3 ふるさと納税、企業版ふるさと納税
1. 概要
2. ふるさと納税
3. 企業版ふるさと納税
Q4 金銭の遺贈寄附があった場合の課税関係
1. 遺贈寄附した個人の課税関係
2. 遺贈寄附を受けた個人の課税関係
3. 遺贈寄附を受けた法人の課税関係
4. 遺贈寄附を受けた法人の株主の課税関係
Q5 金銭の相続人寄附があった場合の課税関係
1. 相続人寄附
2. 負担付遺贈による方法
3. 負担付遺贈による方法以外の課税関係
Q6 生前寄附と遺贈寄附の留意点
1. 遺留分
2. 包括遺贈の注意点
3. 相続人の納税資金や相続人間の遺産分割
4. みなし譲渡所得の課税
5. 申告書の共同提出
Q7 遺贈寄附による相続税への影響
1. 生前寄附
2. 遺贈寄附
3. 相続人寄附
Q8 おひとりさまの遺贈寄附
1. おひとりさまの増加
2. 相続人がいない場合の相続の流れ
3. 遺言の作成
第2節 有価証券の遺贈寄附
Q1 有価証券の範囲と相続税法上の評価
1. 有価証券とは
2. 有価証券の相続税法上の評価
Q2 有価証券等を寄附する場合の留意点
1. 個人が公益法人等に有価証券等を寄附する場合の税法上の留意点
2. 寄附を受ける公益法人等の留意点
Q3 有価証券等を寄附する場合の寄附者の課税関係①
1. みなし譲渡所得課税
2. 措置法40条特例
Q4 有価証券等を寄附する場合の寄附者の課税関係②
措置法70条の概要
Q5 有価証券等を寄附する場合の受贈者側の課税関係
1. 個人間の贈与または遺贈における課税関係
2. 個人・法人間における寄附等の課税関係
Q6 有価証券等を寄附する場合の相続税法の租税回避防止規定
1. 相続税法65条
2. 相続税法66条4項
3. 相続税法65条と相続税法66条4項の適用関係
4. 持分の定めのない法人が個人から遺贈を受けたとき
5. 相続税法66条4項の「相続税又は贈与税の負担が不当に減少する結果となると認められるとき」
6. 一般の篤志家からの遺贈があった場合
7. 相続税法66条4項の規定を適用すべきかどうかの時期等
Q7 事業承継対策としての遺贈寄附の活用例
1. 事業承継者に贈与する方法
2. 持株会社を設立してオーナー所有株式を譲渡する方法
3. 持株会社として一般社団法人を利用しオーナー所有株式を譲渡する方法
Q8 個人が株式を寄附する際の様々な活用例
1. 慈善事業を行う財団法人を立ち上げて、その活動原資として遺贈寄附を行う方法
2. 持株会の受け皿会社としての一般社団法人を利用してそこに所有株式を寄附する方法
3. 信託を利用して、株主権の行使と財産権を分けることで、法人にとって安心できる内容となり、一方で委託者である創業者一族の財産権はそのまま保全される方法
第3節 不動産の遺贈寄附
Q1 不動産の範囲と相続税法上の評価
Q2 不動産を寄附する場合の留意点
1. 不動産の寄附における特有の問題点
2. 寄附を実行する方法
3. 不動産寄附における各種サービス
Q3 不動産を寄附する場合に留意すべき課税関係
1. みなし譲渡所得課税
2. 措置法40条1項後段の非課税承認
Q4 措置法40条1項後段の非課税承認の特例制度
1. 一定の期間
2. 承認特例の対象法人
3. 承認特例の要件
4. 承認特例の対象となる現物寄附
5. 承認特例の対象とならない現物寄附
Q5 措置法40条1項後段の非課税承認における承認継続の制度
1. 措置法40条5項の買換特例とは
2. 特定資産買換えの特例
3. 特定資産買換特例のその他の要件
Q6 居住用不動産を寄附した場合の課税関係
1. 居住用財産の特別控除が使える場合
2. 寄附金控除が使える場合
Q7 空き家不動産を寄附した場合の課税関係
1. 空き家を寄附した場合
2. 空き家の3,000万円特別控除
3. 措置法40条1項後段の非課税承認の継続
Q8 事業用不動産を寄附した場合の課税関係
第4節 美術品等の遺贈寄附
Q1 有形文化財の範囲
文化財とは
Q2 文化財保護に関する税制優遇措置
文化財保護に関する税制優遇措置の概要
Q3 国等に対して重要文化財を譲渡した場合の譲渡所得の非課税制度
1. 非課税制度の概要
2. 国による買取基準
3. 国による買取手続と買取実績
Q4 登録美術品による相続税の物納の特例措置
1. 物納制度の原則
2. 登録美術品による相続税の物納の特例措置
Q5 特定の美術品についての相続税の納税猶予及び免除制度の概要
1. 制度の概要
2. 用語の定義
3. 未分割の場合の不適用
Q6 特定の美術品についての相続税の納税猶予制度において猶予される税額の計算
1. 納税猶予分の相続税の計算の概要
2. 納税猶予分の相続税額の計算例
3. 特定美術品が2つ以上ある場合の納税猶予分の相続税の計算
4. 他の納税猶予制度との調整
Q7 特定の美術品についての相続税の納税猶予制度の手続き
1. 手続きの概要
2. 生前(相続開始前)
3. 相続開始から相続税の申告期限まで
4. 納税猶予期間中
Q8 特定の美術品についての納税が猶予されている相続税の打切りと免除
1. 納税が猶予されている相続税の打切り事由
2. 税務署長による納税猶予に係る期限の繰上げ
3. 利子税
4. 納税が猶予されている相続税の免除事由
奥付