- 発売日
- 2024年09月25日
- 出版社
- 日本評論社
- 編著等
- 大久保優也
最初期の著作や判例からアメリカ憲法学が目指した「憲法秩序」の構想を明らかにし、「統治の法」としての合衆国憲法の性格を提示。
目次
表紙
目次
序章
1 目的
2 先行研究
3 本研究の方法
(1) 19世紀前半に関するアメリカ法史研究について
(2) 国制史的観点について
(3) 本書の構成
第1章 コモン・ローと「法の科学」
1 イングランドからアメリカにいたる法の「科学的」研究の流れ
(1) ブラックストーンの『イングランド法釈義』の意義
(2) アメリカにおける初期の「法の科学」―ジョージ・タッカー、ジェイムズ・ケント
2 ストーリーにおける法の「科学的」研究とコモン・ロー
3 小括
第2章 憲法と憲法解釈の基礎―ストーリーの『アメリカ合衆国憲法釈義』
1 植民地時代からのコモン・ロー継受のあり方
2 合衆国憲法と社会契約理論―憲法の性質は何か
3 憲法的紛争における最終的な判断者、解釈者は誰か
4 合衆国憲法の解釈のルールとは?
5 ストーリーの憲法解釈論の意義
6 ストーリー、ケントの修正第1条解釈と政治秩序
(1) アメリカ建国期における政治社会の変容と政治社会理解の相克
(2) Sedition Act の内容とその背景
(3) 新しい政治社会、公共性理解と修正第1 条解釈の端緒
(4) Sedition Actに関する裁判例
(5) ケント、ストーリーにおける修正第1条解釈
(6) 小括
第3章 土地と統治
1 ブラックストーン『イングランド法釈義』における物的財産の中心性
2 ケント、ストーリーにおける土地所有と「商業」
(1) ケントの『アメリカ法釈義』と人的財産
(2) ケント、ストーリーにおける物的財産についての説明―流動性と所有権
(3) 小括
第4章 金融と統治―アメリカ合衆国銀行設立論争と二つの憲法像
1 ジェファソン、ハミルトンの国立銀行論とその憲法像
(1) ジェファソンの国立銀行設立反対論の検討
(2) ジェファソン、タッカーの金融経済に対する立場
(3) ハミルトンの国立銀行擁護論と憲法思想
2 ストーリーの『合衆国憲法釈義』における国立銀行論
(1) 銀行と法人を巡る論争と法学
(2) ストーリーの『合衆国憲法釈義』における銀行と金融
第5章 商業と統治
1 商事法と法人
(1) ブラックストーンにおける「商業」と「商事法」
(2) マンスフィールド卿の「商業」と「商事法」
(3) ケント、ストーリーと商事法
(4) 商業社会における経済主体としての法人の析出
(5) 小括
2 Charles River Bridge 事件とストーリー
(1) 事案の概要
(2) トーニー首席裁判官執筆の法廷意見とストーリー裁判官の反対意見
(3) トーニー首席裁判官法廷意見とストーリー裁判官反対意見の検討
(4) 小括
3 Swift v. Tyson判決の位置づけ―政治経済思想的文脈
(1) 背景
(2) Swift v. Tyson事件の概要・争点
(3) ストーリー裁判官による法廷意
(4) Swift v. Tyson判決の再検討―コモン・ロー、商業、憲法
4 国際関係と憲法秩序
(1) 合衆国憲法制定における「国際的文脈」に関する先行研究
(2) 国際通商と憲法
(3) 商業・主権・民主主義を巡る問題
終章
1 「最初期アメリカ憲法学」の「憲法秩序」の構想とその意義
2 おわりに―共和政を支える憲法的公共性と「統治の科学」の核心
あとがき
初出一覧
事項索引
奥付