- 発売日
- 2019年06月14日
- 出版社
- 中央経済社
- 編著等
- 畠田 公明
子会社が舞台の企業不祥事が頻発している。本書では、グループ経営における親会社取締役の義務・責任および近年の会社法改正で創設された多重代表訴訟の諸問題を論究する。
目次
表紙
はしがき
目次
凡例
第1章 企業価値向上に対する親会社取締役の責任
1 はじめに
2 子会社その他のグループ企業への金融支援・経営関与等に対する親会社取締役の責任と裁判例
⑴ 親会社取締役の責任に関する裁判例の整理
⑵ 裁判例の多面的な考察
3 会社法制の見直しに関する改正試案
⑴ 会社法制の見直しの経緯
⑵ 中間試案
⑶ 会社法制の見直しに関する要綱案
⑷ 親会社取締役会による子会社への監督の職務に関する改正試案の検討
4 結び
第2章 子会社の少数株主・債権者保護と親会社・取締役の責任
1 はじめに
2 子会社およびその少数株主に対する親会社・子会社の取締役の責任
⑴ 裁判例
⑵ 裁判例の考察
3 子会社債権者に対する親会社・取締役の責任
⑴ 親会社ないし親会社取締役の子会社債権者に対する責任
⑵ 裁判例の検討
4 会社法制の見直しに関する改正試案
⑴ 子会社の少数株主・債権者の保護に関する会社法制の見直し
⑵ 中間試案
⑶ 会社法制の見直しに関する要綱案の作成
⑷ 子会社少数株主保護のための親会社等の責任に関する改正試案の検討
5 親会社・親会社取締役の責任に関する法律構成についての解釈論・立法論
⑴ 解釈論
⑵ 立法論
6 結び
第3章 内部統制システムに関する親会社取締役の責任
1 はじめに
2 企業グループにおける親会社の内部統制システムに関する裁判例の検討
⑴ わが国における内部統制に関する認識の形成
⑵ 企業グループにおける内部統制システムに関する裁判例の検討
3 企業グループにおける内部統制システムの整備に関する義務
⑴ 親会社取締役の善管注意義務・監視義務
⑵ 内部統制システムの合理性
4 企業グループにおける内部統制システムの整備に関する責任
⑴ 企業グループにおける内部統制システムの構築に関する責任
⑵ 不正行為等の発生への対応に関する責任
5 結び
第4章 企業グループにおける取締役の競業避止義務と責任
1 はじめに
2 競業取引規制の対象となる競業取引の範囲
⑴ 「自己または第三者のために」の意味
⑵ 兼任取締役関係にある会社における競業取引の場合
⑶ 取締役が株式を有する他の会社の競業取引の場合
⑷ 取締役が事実上の主宰者である他の会社の競業取引
⑸ 親会社・完全子会社の関係における取締役兼任の場合
3 競業取引の範囲
⑴ 会社の事業の部類に属する取引
⑵ 定款所定の会社の目的とされる事業
⑶ 定款所定の付帯事業
⑷ 取引段階が異なる事業
⑸ 取引の地域が異なる事業
⑹ 営利的性格を有しない取引
4 取締役会の承認
⑴ 包括的承認
⑵ 事後の承認
⑶ 特別利害関係取締役
⑷ 取締役会への報告義務
5 競業取引に関する取締役の責任
⑴ 取締役会の承認を得ない競業取引の場合
⑵ 取締役会の承認を得た競業取引の場合
6 結び
第5章 会社間の取引における取締役の利益相反取引と責任
1 はじめに
2 会社間の取引における利益相反取引規制の適用範囲
⑴ 会社間の取引における取締役の利益相反に関する責任が問われた裁判例の整理
⑵ 「自己または第三者のために」の意味
⑶ 兼任取締役関係のある会社間の取引
⑷ 取締役が株式を有する他の会社との取引
⑸ 取締役が事実上の主宰者である他の会社との取引
⑹ 親会社・完全子会社の関係の場合
⑺ 利益相反取引規制の適用範囲の明確化の必要性
3 取締役の利益相反取引に対する責任
⑴ 利益相反取引規制の適用範囲と取締役の責任
⑵ 任務懈怠の推定
⑶ 自己のために直接取引をした責任の特則
⑷ 利益相反取引違反による損害
5 結び
第6章 完全子会社の役員等の責任の免除
1 はじめに
2 総株主の同意による役員等の会社に対する責任の免除規定の沿革
⑴ 昭和25年商法改正前
⑵ 昭和25年商法改正以後
⑶ 会社法
3 責任免除の要件とその対象となる責任の範囲
⑴ 総株主の同意
⑵ 役員等に対する責任免除の意思表示
⑶ 将来発生する取締役の会社に対する責任の総株主同意による事前の包括的免除
⑷ 総株主の同意による役員等の一般的義務の免除
⑸ 会社債権者の利益を害する総株主の同意による役員等の責任の免除
⑹ 不当な利得等をした一人株主による責任免除
⑺ 一部の取締役等の会社に対する責任の免除と他の取締役等からの求償
4 結び
第7章 企業グループにおける多重代表訴訟の概括的検討
1 はじめに
⑴ 多重代表訴訟の意義
⑵ 特定責任追及の訴えの制度の導入理由と反対意見
⑶ 広義の多重代表訴訟
2 最終完全親会社等の株主による特定責任追及の訴え
⑴ 特定責任追及の訴えの対象
⑵ 最終完全親会社等
⑶ 重要な完全子会社
⑷ 特定完全子会社に関する情報の開示
⑸ 特定責任追及の訴えの対象子会社となることの回避
⑹ 原告適格
⑺ 提訴請求の制限
⑻ 特定責任追及の訴えの手続等
3 旧株主による責任追及等の訴え
⑴ 制度趣旨
⑵ 原告適格
⑶ 対象となる責任または義務
⑷ 旧株主による責任追及等の訴えの手続
⑸ 旧株主による責任追及等の訴えの対象となる責任または義務の免除
⑹ その他の訴訟手続等
4 株主でなくなった者の訴訟追行
⑴ 訴訟追行を認める規定の趣旨
⑵ 追行が認められる場合
⑶ 株式交換等が繰り返し行われた場合
⑷ 訴訟追行の妨害
5 結び
第8章 多重代表訴訟における最終完全親会社等の損害要件
1 はじめに
2 最終完全親会社等の損害を提訴要件とする理由
3 最終完全親会社等の損害の範囲
⑴ 最終完全親会社等の損害要件の意味
⑵ 最終完全親会社等の損害の範囲
4 最終完全親会社等に損害が生じていない場合の類型別検討
⑴ 親会社・子会社間または子会社相互間の取引の場合
⑵ 親子会社間または子会社相互間の取引以外の場合
⑶ 類型別検討により最終完全親会社等に損害が発生していないと認められる場合
5 結び
事項索引
判例索引
奥付