- 発売日
- 2023年12月07日
- 出版社
- 経営書院(産労総合研究所)
- 編著等
- 弁護士法人 髙井・岡芹法律事務所
本書は、過去の裁判例・労働委員会命令のすべてを検証したうえで、労使紛争の中での使用者の言動を具体的に分類し、裁判所や労働委員会で不当労働行為と判断された事例、そうでなかった事例の双方を紹介することにより、不当労働行為性の判断基準を明らかにするものです。本書で紹介した先例を参考に、使用者の言動が不当労働行為に当たるか否かの判断を、より正確に、効率的に行うことで、労働問題における不必要な労使紛争やトラブルを避けることができます。
目次
表紙
はしがき
目次
第1章 序説
Ⅰ 不当労働行為制度の趣旨
1.不当労働行為の意味(定義)
2.法制度の目的および効果
Ⅱ 不当労働行為救済制度の基本的内容
1.実体的要件
2.手続面
第2章 不当労働行為の主体
Ⅰ 「使用者」の意義
1.雇用主の該当性
2.清算・破産の場合
Ⅱ 使用者概念の拡大
1.総論
2.親会社
3.派遣先会社
4.関連会社
5.注文者
6.職業紹介会社
7.雇用契約成立前および終了後
8.第三者企業に対し雇用確保・直接雇用を求める場合
9.実質的同一性が認められる場合
10.不当労働行為(使用者性)の承継
Ⅲ 使用者への帰責
第3章 不利益取扱い
Ⅰ 不利益取扱いの原因(成立要件)
1.労働組合の「組合員であること」
2.「労働組合の正当な行為」
3.「故をもって」(不当労働行為意思)
Ⅱ 不利益取扱いの態様
1.身分上の不利益取扱い
2.人事上の不利益取扱い
3.経済上の不利益取扱い
4.精神上・私生活上の不利益取扱い
5.組合活動上の不利益取扱い
6.会社の解散(偽装解散も含む)と事業の廃止
第4章 団体交渉の拒否
Ⅰ 不当労働行為制度における団体交渉権の主体
1.労働組合の要件
2.労働組合の形態
3.上部団体
4.団体交渉権の委任
Ⅱ 団交事項
1.労働条件などの待遇
2.労働者個人の行為の評価
3.組合業務に関連しない事項
4.企業の経営方針など
5.経営者の役員人事
6.職場編成に関する事項
7.使用者に決定権のない事項
8.妥結済みの事項
Ⅲ 団交の拒否
1.書面回答の固執
2.団交形式
3.録音
4.交渉議題・申入内容の不明瞭
5.団交と話し合い
6.労働協約における苦情処理・労使協議制と団交
Ⅳ 誠意のある団交
1.使用者の交渉態度
2.交渉担当者の無責任
3.条件つき回答
4.主張の根拠の説明の回避
5.資料の開示・提出
6.協約の調印の拒否
Ⅴ 団交拒否の正当な理由
1.交渉当事者
2.団交の時期に関連する拒否理由
3.団交の手続に関連する拒否理由
4.団交の担当者に関連する拒否理由
5.団交の態様に関連する拒否理由
第5章 支配介入
Ⅰ 支配介入の意義・要件
1.支配介入の意義
2.支配介入の成立要件~支配介入の意思
3.支配介入~不利益取扱いとの関係
4.支配介入~「不誠実団交」との関係
Ⅱ 使用者の言動による支配介入
1.言動の内容等による支配介入の成否
2.言動の主体による支配介入の成否
Ⅲ 施設管理権による組合活動の規制と支配介入
1.会社施設の利用の制限
2.ビラ貼りの規制
3.ビラ配布の規制
4.組合旗の撤去
Ⅳ 使用者の便宜供与に関連する支配介入
1.組合事務所の貸与とその利用制限
2.掲示板利用の制限(掲示物の撤去・移転を含む)
3.時間内組合活動の規制
4.チェック・オフの停止・廃止
Ⅴ 第二組合・親睦団体の利用による支配介入
1.第二組合等の結成・援助
Ⅵ 複数組合間における対応の差別
1. 複数組合との団交と支配介入
2.複数組合間における考課査定の差別
3.複数組合間における昇格・昇級差別
4.複数組合間における就労上、組合活動上の差別
Ⅶ その他の形態の支配介入
1.組合の無視
2.和解での賃金額を基礎とする賃金・一時金の提示
3.不当な業務命令
4.暴力行為
5.買収および饗応
6.会社による組合の監視
7.組合活動の調査
8.組合あての郵便物の転送
9.労働者供給契約等の拒否・停止
10.組合員個人に対する損害賠償請求訴訟の提起
Ⅷ リボン闘争の正当性
1.リボンの着用
2.腕章の着用
3.組合バッジの着用
4.組合ベルトの着用
5.鉢巻の着用、組合看板の搭載
掲載裁判例・労働委員会命令索引
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