- 発売日
- 2019年02月12日
- 出版社
- 弘文堂
- 編著等
- 森悠一郎
「平等」とは、一方が他方を支配したり排除したりせず、人々が対等な関係性で相互行為をすることによって、特徴付けられるべきという構想のもと、「格差」「貧困」「差別」「ジェンダー」といった事例に明確な答えを与える。
目次
表紙
はしがき
目次
序章
Ⅰ 本書の主題と筆者の問題意識
1 差別と格差
2 分配的平等主義パラダイム
3 法的差別との関係
Ⅱ 現代英米圏における平等論史
1 「何の平等か?」というパラダイム
2 水準問題と分析的平等論
3 相互行為の捨象と関係的平等主義
Ⅲ 本邦における平等論研究の状況
1 竹内章郎の『現代平等論ガイド』
2 立岩真也の『自由の平等』
3 木部尚志の『平等の政治理論』
Ⅳ 法哲学との関連性
Ⅴ 本書の構成と補足
1 本書の構成
2 三つの補足
第1部 分配的平等主義の批判的検討とその関係的契機
第1章 ロールズの平等主義的正義構想とその批判的検討
Ⅰ ロールズの平等主義的正義構想の内容――「正義の二原理」
Ⅱ その評価と批判的検討
第2章 センの平等主義的正義構想とその批判的検討
Ⅰ センの平等主義的正義構想の内容――「潜在能力の平等」
Ⅱ その評価と批判的検討
第3章 ドゥオーキンの平等主義的正義構想とその批判的検討
Ⅰ ドゥオーキンの平等主義的正義構想の内容――「資源の平等」
Ⅱ その評価と批判的検討
第4章 コーエンの平等主義的正義構想とその批判的検討
Ⅰ コーエンの平等主義的正義構想の内容――「アドバンテージへのアクセスの平等」
Ⅱ その評価と批判的検討
第1部 総括
総括
第2部 関係的平等主義の擁護
第5章 アンダーソンによる「分配的平等主義」批判とその検討
Ⅰ アンダーソンによる「分配的平等主義」批判の内容――「運の平等主義」批判
Ⅱ その意義と検討
第6章 アンダーソンの関係的平等主義の検討とその洗練化
Ⅰ アンダーソンの「民主的平等」とその検討
Ⅱ 不正義の態様と生成構造の類型化
Ⅲ 不正義への治癒策の一般的指針
第2部 総括
第3部 関係的平等主義に対する外在的批判とそれへの応答
第7章 水準問題――充分主義への批判
Ⅰ 「充分」レベルの道徳的恣意性に基づく批判
Ⅱ 「充分」レベル以上での格差に無頓着であるという批判
Ⅲ 「充分」レベル上下間のトレード・オフを認め得ないという批判
第8章 指標問題――潜在能力アプローチへの批判
Ⅰ 「インデックス問題」への批判
Ⅱ 「卓越主義」批判
Ⅲ 「本質の固定化」批判
Ⅳ 「自由の自己力能化」批判
第9章 関係的平等主義自体への批判
Ⅰ 制度的正義論への批判
Ⅱ 運の平等主義からの「個人責任」批判
Ⅲ 「男性中心主義」批判
Ⅳ グローバルな正義についての批判
第3部 総括
第4部 関係的平等主義とリベラル・デモクラシー
第10章 関係的平等主義とその制度構想
Ⅰ 不正義の類型化と治癒策の一般的指針の要点
Ⅱ 具体的制度構想
第11章 関係的平等主義と法の下の平等
Ⅰ 法的差別禁止の一般的指針
Ⅱ 性別に基づく逆差別の類型化とその規範的評価
第4部 総括
結章 関係的平等主義とこれからの課題
あとがき
参考文献
事項・人名索引
奥付