- 発売日
- 2021年03月01日
- 出版社
- 日本加除出版
- 編著等
- 中島 光孝
2件の最高裁判決(「ハマキョウレックス事件(2018.6.1)」「日本郵便(西日本)事件(2020.10.15)」)の代理人弁護士が、労働者視点で解説!裁判で鋭い対立となった争点と裁判所の判断、使用者が出してくるであろう提案、その提案を検討した上での交渉への臨み方、訴訟を提起する場合の主張の要点 等について解説。労働者、労働者を支援する労働組合、相談を受ける社会保険労務士・弁護士はもちろん、使用者側弁護士にとっても参考となる一冊。参考となる書式構成例も収録。
目次
表紙
目次
第1章 「同一労働同一賃金」について
Q1 同一労働同一賃金とは
Q2 同一労働同一賃金についてのこれまでの議論
Q3 「同一労働同一賃金」政策策定までの経緯
Q4 「同一労働同一賃金」に関する法律等
Q5 「同一労働同一賃金」における均等待遇・均衡待遇
Q6 ヨーロッパにおける同一労働同一賃金
Q7 日本において目指すべき同一労働同一賃金
Q8 労契法旧20条の最高裁判決はパート・有期法8条の解釈に参考になるか
第2章 労契法旧20条と最高裁判決
Q9 労契法旧20条とパート・有期法8条
Q10 労契法旧20条に関する最高裁判決
Q11 7つの最高裁判決の結論
Q12 ハマキョウレックス事件最高裁判決
Q13 労契法旧20条の趣旨
Q14 最高裁判決にみる均等待遇・均衡待遇
Q15 労契法旧20条の効力
Q16 不合理とされた待遇は正社員と同じ待遇になるか
Q17 就業規則等の解釈により正社員の待遇とされる場合はあるか
Q18 最高裁判決からみる「不合理と認められる」の意味
Q19 誰が,どのようなことを主張し立証しなければならないか
Q20 「無事故手当」について
Q21 労働者側はどの程度の具体的な事実を主張立証すべきか
Q22 有為人材確保論について
Q23 ハマキョウレックス事件最高裁判決の破棄差戻について
Q24 長澤運輸事件最高裁判決
Q25 「労使自治」をどのように考慮するか
Q26 「定年後再雇用」という事情を考慮するか
Q27 個々の賃金項目の個別比較
Q28 個別判断の原則の例外(基本給・能率給・職務給)
Q29 個別判断の原則の例外における問題点
Q30 住宅手当と家族手当についての判断
Q31 賞与についての判断
Q32 大阪医科薬科大学事件最高裁判決
Q33 労働条件の比較対象者について
Q34 賞与についての判断(割合的認定)
Q35 賞与についての判断(正職員人材確保論)
Q36 正職員人材確保論と有為人材確保論
Q37 賞与の不支給を不合理とする事情と不合理としない事情の比較
Q38 均衡待遇についての判断
Q39 割合的認定の請求
Q40 私傷病欠勤中の賃金不支給についての判断
Q41 メトロコマース事件最高裁判決
Q42 退職金についての判断(正社員人材確保論)
Q43 永年勤続褒賞について
Q44 3つの日本郵便事件最高裁判決(基本給・手当・休暇)
Q45 夏期冬期休暇,年末年始勤務手当,病気休暇についての判断
Q46 扶養手当についての判断の比較
Q47 外務業務手当,早出勤務等手当,夏期年末手当,郵便外務内務業務精通手当についての判断
Q48 5年基準論とその問題点
Q49 7つの最高裁判決が示す不合理性の判断枠組み
Q50 7つの最高裁判決からみる不合理性の判断の傾向
Q51 労契法旧20条の解釈適用の在り方は固まったか
Q52 最高裁判決はパート・有期法等の解釈としてそのまま通用するか
第3章 「同一労働同一賃金」に関する法制度
「同一労働同一賃金」に関する法制度
Q53 公正な処遇のための法制度
第1 パート労働者・有期契約労働者(不合理な待遇の禁止)
Q54 「パート労働者」,「有期契約労働者」とは
Q55 無期転換後の労働者にパート・有期法は適用されるか
Q56 パート・有期法8条の内容
Q57 パート・有期法8条の「待遇」の範囲
Q58 パート・有期法8条の「通常の労働者」とは誰か
Q59 待遇ごとに通常の労働者との相違の説明を求めることができるか
Q60 「短時間・有期雇用労働者であることを理由」とするとは何か
Q61 パート・有期法8条の「不合理と認められる待遇の相違」とは何か
Q62 パート労働者等が同意する場合の「不合理な相違」
Q63 待遇ごとの個別判断とはどういうことか
Q64 不合理かどうかを判断する際に考慮する事情
Q65 「職務の内容」とは何か
Q66 「職務の内容」の同一性判断
Q67 「業務の内容」の実質的同一性判断
Q68 「職務の内容」が同一でないと判断された場合(基本は均衡待遇)
Q69 均衡待遇の判断基準
Q70 「職務の内容及び配置の変更の範囲」とは
Q71 「人材活用の仕組みと運用」の考え方
Q72 「職務の内容及び配置の変更の範囲」の異同の判断
Q73 「その他の事情」として考慮される事情
Q74 「適切な事情」とはどのような事情か
Q75 待遇差が不合理であった場合,正社員と同じ待遇になるか
Q76 パート・有期法8条の効力
Q77 待遇差が不合理であった場合の損害賠償請求の可能性
Q78 損害額はいくらになるか
Q79 行政救済,司法救済の活用
Q80 企業横断的な格差是正の可能性
第2 パート労働者・有期契約労働者(差別的取扱いの禁止)
Q81 パート・有期法9条
Q82 「職務内容同一」の判断
Q83 「通常の労働者と同視」の判断
Q84 「慣行その他の事情」とはどのような事情か
Q85 雇用関係が終了するまでの全期間
Q86 通常の労働者の職務内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが「見込まれる」とは
Q87 同一の範囲で変更されることが「見込まれる」かどうかの判断
Q88 定年後再雇用の有期契約労働者についてパート・有期法9条の適用はあるか
Q89 差別的取扱いと判断された場合,正社員の待遇と同じになるか
Q90 正社員の待遇と同じにするために
第3 派遣労働者(不合理な待遇の禁止,差別的取扱いの禁止)
Q91 派遣労働者についての不合理な待遇の禁止等
Q92 派遣先均等・均衡方式の内容
Q93 派遣先企業の派遣元企業への情報提供義務
Q94 派遣元企業は派遣労働者の知りたい比較対象労働者の情報を得ているか
Q95 労使協定方式
Q96 労使協定方式はなぜ認められたか(労使協定方式の問題点)
Q97 行政側の労使協定方式の導入理由の説明
Q98 同種業務の平均賃金
Q99 同種業務の平均賃金の決定
Q100 基本給・賞与・手当等の算定
第4 事業主の説明義務
Q101 事業主の説明義務
Q102 説明義務における比較対象正社員
Q103 事業主が有期契約労働者等に説明すべき事項
Q104 労使協定方式を採用している場合の説明事項
Q105 労働者側が求めるべき説明事項
Q106 事業主に対する説明の求め方
Q107 十分な説明がなかったときの影響
Q108 説明を求めたことによる報復の有無
第5 待遇ごとの不合理性判断について(ガイドラインを中心に)
Q109 同一労働同一賃金ガイドラインの法的性質
Q110 ガイドラインにおける基本給
Q111 ガイドラインにおける職能給(能力又は経験に応じた部分)
Q112 職能給型における「コース別賃金制度」
Q113 成果給(業績又は成果に応じた部分)
Q114 勤続給(勤続年数に応じた部分)
Q115 「職務給」型の考え方
Q116 職務分離
Q117 複数の性質をもつ基本給
Q118 長期雇用の有期労働契約における基本給の待遇差(学校法人産業医科大学事件)
Q119 賃金の決定基準が異なる場合の待遇差
Q120 基本給格差についてどう考えるか
Q121 基本給格差の不合理性についてどう考えるべきか
Q122 「職務内容」の同一性
Q123 「職務内容及び配置の変更の範囲」の同一性
Q124 「その他の事情」について
Q125 ガイドラインにおける「昇給」の格差是正の考え方
Q126 ガイドラインにおける「賞与」の格差是正の考え方
Q127 正社員人材確保論による賞与の判断
Q128 賞与に対するイメージ
Q129 平等取扱義務の観点からみた賞与の待遇差の考え方
Q130 ガイドラインにおける「手当」に関する判断基準
Q131 ガイドラインにおける「福利厚生」の格差是正の考え方
Q132 退職金,住宅手当,家族手当等
第6 行政上の支援・指導・監督
Q133 厚労省の事業主向けの指導・支援
Q134 事業主におけるマニュアル等を活用するメリット
Q135 労働者におけるマニュアル等を活用するメリット
Q136 職務評価とは
Q137 ILOの職務評価項目
Q138 基本給マニュアル
Q139 基本給マニュアルは労働者にとってどのような意味をもつか
第4章 協議・交渉・手続
協議・交渉・手続
Q140 同一労働同一賃金実現への道筋
第1 協議・団体交渉
Q141 労働者と使用者との協議・団体交渉
1 使用者側からの就業規則・賃金規程の変更の提案があった場合
Q142 使用者側から労働条件の変更等が提案された場合の留意事項
Q143 使用者側から提案があった場合に問題となる事項
Q144 どのような場合に変更後の就業規則等は無効になるか
Q145 基本給の一元化への対応
Q146 強行される基本給の相違への対応
Q147 変更後の就業規則・賃金規程が非正規労働者に不利な場合
Q148 就業規則の変更について意見を述べたことは「その他の事情」になるか
2 パート労働者,有期契約労働者あるいは労働組合から是正を求める場合
Q149 労働者側からの協議申入れ・団体交渉要求
Q150 比較対象正社員の選び方
Q151 比較対象正社員に関する情報が入手できない場合の対応
Q152 労働者側から協議や団体交渉を申し入れる場合の問題点
Q153 どのような場合に合意後の待遇が無効になるか
3 就業規則の変更提案,労働者側からの協議申入れ等に共通する事項
Q154 正社員だけの労働組合がある場合
Q155 正社員,非正規双方が加入する労働組合がある場合
Q156 複数の組合がある場合
Q157 使用者側の説明が不十分な場合にとるべき対応
Q158 相違の内容が不明の場合
Q159 使用者側が正社員の待遇を切り下げようとしている場合
Q160 不合理であるのに使用者が適切な対応をしない場合
Q161 使用者が不合理であることを認めない場合
Q162 就業規則変更の提案,協議・団体交渉を申し入れる場合の視点・手順のまとめ
Q163 同一労働同一賃金実現のための個別合意
Q164 同一労働同一賃金実現のための労使合意
第2 行政手続
Q165 同一労働同一賃金を実現するための行政手続
1 行政による履行確保
Q166 行政による履行確保
2 行政ADR
Q167 行政ADRはどのような手続か
Q168 調停の進行
Q169 行政ADRの利用
3 労働委員会
Q170 労働委員会での手続
Q171 どのような場合に救済申立を行えばよいか
Q172 不当労働行為の審査手続
第3 司法手続
Q173 裁判所が関与する手続
Q174 司法手続の選び方
1 簡易裁判所が行う手続
Q175 民事調停手続
Q176 少額訴訟手続
2 地方裁判所が行う手続
Q177 地方裁判所における手続
Q178 労働審判手続
Q179 労働審判を申し立てるべき事件
Q180 訴訟手続の経過
Q181 訴訟を提起するべき事件
Q182 訴訟の類型
Q183 パート・有期法8条に基づく地位確認請求と未払賃金支払請求(訴状構成例1)
Q184 待遇の性質・目的についての主張立証
Q185 合理的解釈に関する主張立証
Q186 損害賠償請求する場合の主張立証(訴状構成例2)
Q187 均衡待遇の請求
Q188 損害について主張すべき程度
Q189 併合請求(訴状構成例3)
Q190 パート・有期法9条に基づく地位確認請求と未払賃金支払請求(訴状構成例4)
Q191 労働者側が主張立証すべき事実
Q192 パート・有期法9条に基づく損害賠償請求(訴状構成例5)
Q193 派遣法30条の3第1項に基づく地位確認請求と未払賃金支払請求,損害賠償請求(訴状構成例6,7)
Q194 派遣法30条の3第2項に基づく地位確認請求と未払賃金支払請求,損害賠償請求(訴状構成例8,9)
Q195 派遣法30条の4に基づく地位確認請求と未払賃金支払請求(訴状構成例10)
Q196 派遣法30条の4第1項ただし書に該当する場合に可能な請求
Q197 格差是正に関する訴訟の進行・課題
Q198 法律による「同一労働同一賃金」の実現は可能か
Q199 同一労働同一賃金を実現するために必要なこと
訴状構成例
1 パート・有期法8条に基づく地位確認請求及び未払賃金支払請求(訴状構成例1)
2 パート・有期法8条に基づく損害賠償請求(訴状構成例2)
3 パート・有期法8条に基づく地位確認等請求及び損害賠償請求(訴状構成例3)
4 パート・有期法9条に基づく地位確認請求及び未払賃金支払請求(訴状構成例4)
5 パート・有期法9条に基づく損害賠償請求(訴状構成例5)
6 派遣法30条の3第1項に基づく地位確認請求及び未払賃金支払請求(訴状構成例6)
7 派遣法30条の3第1項に基づく損害賠償請求(訴状構成例7)
8 派遣法30条の3第2項に基づく地位確認請求及び未払賃金支払請求(訴状構成例8)
9 派遣法30条の3第2項に基づく損害賠償請求(訴状構成例9)
10 派遣法30条の4に基づく地位確認請求及び未払賃金支払請求(訴状構成例10)
事項索引
奥付