BUSINESS LAWYERS LIBRARY

宇宙法の形成

発売日
2023年04月26日
出版社
信山社
編著等
中村仁威

何が宇宙法を生み出すのか。アクター間の利益調整の構図、国際規範の内容と形式、更には国内規範等にも着目しつつ、解明を図る。まず宇宙法の基礎的構造を解明し、その上でスペースデブリ等の今日的課題に係る規範形成を分析する。こうして、宇宙条約の構造・同志国間事業の存否・宇宙活動大国の賛否等に起因する行為規範の活用、という全体像を描く。国際法の法源論にも示唆を与える書。

目次

表紙

はしがき

目次

序章

第1節 問題意識

第2節 先行研究の課題と本書の位置付け

第3節 本書の構成

第1部 宇宙法の基礎的構造

第1章 宇宙法の構成要素

第1節 条約及び慣習国際法

第1款 条約

1 宇宙諸条約と月協定

2 他分野の条約

3 宇宙活動に関連する国際機関の設立条約

4 宇宙活動の共同実施等のための条約

第2款 慣習国際法

第2節 非拘束的規範

第1款 非拘束的規範への着目の必要性

第2款 非拘束的規範の具体例

1 国連決議等

2 意図表明文書

第3款 非拘束的規範の機能

第3節 国内規範

第1款 国内規範の類型

1 組織法・基本法

2 宇宙活動の自主規制のための法令

3 国際規範の国内受容のための法令

4 宇宙諸条約の自国解釈を明確化するための法令

第2款 国内規範が国際規範形成に対して持つ機能

第2章 宇宙法の基礎的構造の形成経緯

第1節 海洋法及び航空法の発達の歴史

第1款 領海制度と公海制度

第2款 領空制度

第2節 宇宙諸条約制度の発達の歴史

第1款 宇宙諸条約

1 交渉経緯

2 利益調整の構図

3 小括

4 コンセンサス方式の意義

第2款 国連決議等

1 交渉経緯

2 利益調整の構図

第3節 利益調整の構図を生み出したもの

第1款 宇宙空間の物理的特性の影響

第2款 空域との境界の未確定

第3章 宇宙活動をめぐる今日的課題

第1節 スペースデブリの増加

第1款 スペースデブリとは何か

1 定義

2 発生原因

3 軌道残留期間

4 軌道混雑の様相

5 デブリが宇宙活動に与える脅威

第2款 軍事活動の影響

第2節 人工衛星数の増加

1 小型人工衛星

2 大規模衛星網

第3節 無線周波数干渉のリスク増

第2部 今日的課題に関する規範形成

第4章 損害の事後的救済

第1節 損害責任制度の特徴

1 宇宙条約と損害責任条約の構造

2 危険責任主義の反映

3 地表以外の場所における損害の場合の過失責任

4 2つの宇宙物体の衝突によって第三者に損害が生じた場合の連帯責任

第2節 スペースデブリによる損害の扱い

1 スペースデブリの「宇宙物体」性

2 スペースデブリの「打上げ国」特定をめぐる課題

3 請求対象の範囲

4 地表損害の場合の無過失責任原則

5 過失責任原則をめぐる課題

第3節 規範形成の特徴

第1款 軌道混雑の悪化と商業宇宙活動の増加を受けた制度の補完努力

1 損害責任制度以外の救済制度の活用可能性

2 新たな多数国間条約の提案

3 打上げ事業者への保険加入義務付けと政府による補償

第2款 損害責任制度の意義と限界

第5章 スペースデブリ発生低減

第1節 スペースデブリ対策

第1款 問題意識の発達

第2款 対策の内容

1 宇宙物体の監視

2 技術的仕様・運用態様の改善

3 国際的なガイドラインの作成

4 非政府団体による規範形成

第2節 スペースデブリ発生低減の国際法上の位置付け

1 宇宙条約の規定

2 学説

第3節 規範形成の特徴

第6章 軌道上サービスと能動的スペースデブリ除去

第1節 役務の内容と形成過程にある規範

1 役務の内容

2 形成過程にある規範

第2節 役務実施に係る法的論点

1 登録国の権限の処理

2 損害責任

第3節 規範形成の特徴

第7章 能動的スペースデブリ除去の国際事業化

第1節 法的構成の方向性

1 学説

2 考慮すべき要素

第2節 その他の構成

1 予防原則の活用可能性

2 開発協力の考え方の応用可能性

第3節 規範形成の特徴

第8章 今日的課題への対処の包括化―― 宇宙交通管理

第1節 宇宙交通管理の概念の発達

1 国連等における動向

2 米国の動向

3 EUの動向

第2節 宇宙交通管理の基本要素

1 IAA報告書及びSPD-3の概要

2 IAA報告書とSPD-3の比較

第3節 規範形成の特徴

1 今後の規範形成における課題

2 STMが宇宙法の規範形成に与える影響

第3部 宇宙法における規範形成の特徴

終章

第1節 今日的課題に関する規範形成の潮流

1 変化しつつある利益調整の構図

2 国際行政法の実体を強化する方向へ

3 責任から予防へ

第2節 国際法の基礎理論への含意と今後の研究課題

1 国際法の基礎理論への含意

2 今後の研究課題

奥付

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