BUSINESS LAWYERS LIBRARY

現代労働法論

発売日
2023年08月10日
出版社
日本評論社
編著等
豊川義明

社会権の法的性格や企業法・争議権・法解釈方法論等の基本的なテーマの検討を行う。労働法についての強い期待と確信を記す。

目次

表紙

はしがき

目次

初出一覧

第1編 総論

第1章 連帯の法

1 連帯の基礎

2 連帯の課題

3 連帯ストの正当性

4 連帯は社会運動

第2章 法解釈方法論――法曹の立場から

はじめに――判決における法と事実の関係

1 瀬川信久の提示したもの

2 司法的決定過程について

3 事実と法の相互媒介

4 法解釈の主観性、客観性

5 法解釈の正当性

6 法解釈と科学性

7 判決の社会的承認の提示

補論 判定者の前理解と位置

第3章 社会権を解析する

1 社会権と市民社会

2 憲法上の自由権の主体の互換性

3 憲法上の社会権の互換性の検討

4 社会権の基礎

5 下からの社会権について

第4章 企業法論――人権をまとう企業に

はじめに

1 法人は人権の主体ではない

2 商法、会社法の特色の概観

3 企業組織と労働者

4 会社、企業と財産権の保障

5 企業組織と労働者の新たな関係を求めて――企業における労働の位置から

第5章 現代における法・判例の形成と労働法学の課題

はじめに

1 判例とは何か、その正当性は肯定されるのか

2 戦後最高裁判例の労使関係像の素描――人間の尊厳と基本権の不在

3 労働法学の課題

第2編 各論

第1章 「労働者」概念の再考――労働者と法の適用関係

1 団結権保障関係と労働者

2 労働条件保護法関係と労働者――「使用」は「支配」である

第2章 労働条件対等決定の法的効果について

1 立法過程と解釈

2 事例からみた課題の具体的検討

3 労基法2条1項に違反する労働条件決定の違法、無効について

第3章 就業規則変更と合理性の基準化

1 問題意識と整理

2 労基法と労働契約法下の就業規則

3 合理性要件の基準化

4 労働契約法9条の反対解釈は許されない

第4章 最高裁、大阪医科薬科大学事件(最三小判令2・10・13労判1229号90頁)、メトロコマース事件(最三小判令2・10・13 労判1229号77頁)判決批判と賃金請求権の構成――パート有期法8条、9条違反と賃金請求権

1 労契法20条と2020(令和2)年最高裁判決

2 短時有期法

第5章 争議行為と争議権の新たな法理の展開

はじめに

1 戦前日本での争議

2 争議行為の概念

3 争議行為の目的についての異なる主張とこれへの批判

4 関西外大事案と指名ストライキの正当性

5 産別・連帯ストライキと同情ストライキの正当性

第6章 公務員の争議権と立法権の人権尊重義務そして財政民主主義の検討

はじめに

1 労働基本権の理念と立法権の人権尊重義務

2 争議権制限論理の変遷――「全体の奉仕者」論から「財政民主主義」論へ

3 財政民主主義の意義

4 労働基本権と財政民主主義

第7章 労働裁判の改革のために――法曹一元と労働参審制の実現

1 民事裁判とはなにか

2 二つの可能な制度改革――法曹一元と労働参審制――の提示と効果

第8章 日本社会と労働者の「権利のための闘争」――法の正義の実現

はじめに

1 事案の性格、特徴の把握の大切さ

2 「合理性」「相当性」の内容は憲法規範の社会の承認

3 主張を尽くすこと

4 尋問について

5 裁判官、公益委員を「知り、理解する」こと

6 学説と判例をどう活用するか――「権威主義」の克服

7 裁判だけか、労働委員会もやるのか

8 裁判所は人権救済機関、労働委員会は団結権擁護機関である

第3編 判例、命令批評

第1章 有期契約労働者の賞与等不支給と労働契約法20条適用

1 法規範としての均等待遇原則とその根拠

2 労契法20条の正しい文理解釈

3 比較対象者について

4 賃金請求権について

第2章 守口非常勤職員雇止め事件について

1 濫用された任期付公務員の法的地位

2 公法関係論(公法私法二分論)

3 本件雇止めと信義則ないし濫用法理

4 国賠法上の違法性について

5 結論的に

第3章 解雇した組合員3名を『自宅待機命令および解雇をなかったものとして取扱い、現実に就労させなければならない』としたエミレーツ事件中労委命令)2020・2・23)の意義と権利運動

1 事案の概要と法律闘争の教訓

2 労働組合の特色と国際運輸労連の支援

3 裁判、労働委員会闘争の概括的な紹介

第4章 破産申立ての不当労働行為の成否と救済命令の名宛人

1 破産申立てと不当労働行為

2 不当労働行為意思の認定――「(動機)の競合」について

3 破産会社の被申立人適格(=当事者性)

第4編 評論

Ⅰ 大学に科学者の新たなコミュニティの形成を

1 はじめに――大学における増加する労使紛争など

2 大学をとりまく「社会」からの提言

3 学問と社会

4 権利侵害と法改正

5 主体の確立――問われているもの

Ⅱ 大阪市による公務員の団結権への侵害と反撃

はじめに

1 組合事務所と労働組合

2 大阪市労組への組合事務所供与と橋下市政による明渡要求をめぐる労働委員会と裁判運動の経緯

3 第二ラウンドとしての本件事案

4 団結権侵害是正の取組みの前進と公務労働と自治体の再生

Ⅲ 労働組合運動再生のために――社会的規制力をもつ運動の構築

1 私の問題意識

2 要求と組織について

3 戦後70年――企業別労働組合の特質と弱点の克服

4 産別運動から学ぶもの

5 新たな労働者、労働組合運動と組織のあり様

Ⅳ 権利運動の性格と課題

1 歴史のなかで

2 二つの条件と権利運動の評価

3 課題と社会的規制力の構築――「公正としての配分的正義」の実現

Ⅴ 若き法曹に――法曹の羅針盤はなにか

第5編 座談会労組法上の労働者性――最高裁三判決とこれからの課題

はじめに

1 最高裁三判決の経緯と若干のコメント

2 三判決の「労働者性の判断要素」

3 労組法上の労働者

4 労組法における労働者と事業者との分水嶺

おわりに

索引

奥付

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