- 発売日
- 2024年04月15日
- 出版社
- 有斐閣
- 編著等
- 山野目章夫
民法財産編全体を概説するシリーズの第四弾(本巻で完結)。2017年債権法改正を経て大きく姿を変えた規定を解きほぐすように読み解き、深い理解に導く。債務不履行による損害賠償、債権者代位権、詐害行為取消権をそれぞれ独立の章として、記述に一層厚みを持たせた。
目次
表紙
はしがき
凡例
目次
第1章 債権法序説ーー代金,賃金,預金,すべて債権
1 債権とは何かーー定義を考える
2 いろいろな債権の発生原因
3 企業の経済活動と債権ーー売掛債権という例
4 市民の暮らしと債権ーー預貯金の債権という例
5 債権総論という分野の役割
ちょっぴり政治思想の話
第2章 債権の目的ーーpurposeでなくobject
6 債権の「目的」とは何か
7 債権の分類
債権の目的に関する規定のガイド
8 物の引渡しを目的とする債権
9 特定物債権
10 種類債権
11 金銭債権
12 利息債権
13 選択債権
14 任意債権
第3章 債権の効力の一般的考察ーー履行請求権が効力の本質
15 債権の効力という課題の意義ーーふつうに債権の効力と聞くと
16 履行請求権は債権の本質
17 履行請求権の発生のしくみ
18 履行請求権の具体的な要素
19 履行強制の主要な方法ーー履行強制の方法のメニュー
20 各種の債権の履行強制の方法
21 履行請求権の限界
22 債権者の事情による履行の不達成ーー受領遅滞
23 第三者に対する債権の効力
第4章 債務不履行に基づく損害賠償
第1節 債務不履行の概念/415条から後を読む
24 債務不履行を学ぶ
25 債務不履行の形態ーー考察の準備
26 債務不履行の主要な形態
27 債務不履行の概念の拡大ーー特殊な考察を要する債務不履行の形態
28 受領遅滞
第2節 債務不履行に基づく損害賠償の要件/415条1項の本文とただし書を考える
29 債務不履行の要件を考える手順
30 債務不履行の一般的な要件ーー債務の発生原因
31 債務不履行の一般的な要件ーー債務不履行
32 債務不履行の一般的な要件ーー損害の発生
33 債務不履行の一般的な要件ーー因果関係
34 債務不履行の一般的な要件ーー免責事由
35 いわゆる履行補助者の過失
36 債務の態様と債務不履行ーー結果債務と手段債務
37 債務不履行の個別の形態ーー履行遅滞
38 債務不履行の個別の形態ーー履行不能
39 債務不履行の個別の形態ーー履行拒絶
40 債務不履行の個別の形態ーー拾遺
第3節 債務不履行に基づく損害賠償の効果/415条1項は遅延賠償の規定か
41 金銭賠償の原則
42 損害の概念と種類
43 「債務の履行に代わる損害賠償」ーーいわゆる?補賠償
44 賠償額算定の基準時
45 損害賠償の範囲
46 過失相殺
47 損益相殺
48 金銭債権の不履行に係る損害賠償の特例的規律
49 損害賠償に関する別段の合意/損害賠償額の予定
50 損害賠償者の代位
51 代償請求権
第5章 債権者代位権ーーニックネームは斜めの訴権
52 債権者代位権とは何か
53 債権者代位権の要件
54 債権者代位権の行使方法
55 債権者代位権の行使の具体的効果
56 代位訴訟
57 被保全債権が金銭債権でない場合
第6章 詐害行為取消権ーーパウルスはローマの法学者
58 詐害行為取消権の意義
法文の読み方のガイド――詐害行為取消権の規定
59 詐害行為取消権の要件ーー狭い意味における詐害行為を題材とする要件の基本原則の考察
60 詐害行為取消権の要件ーー詐害行為の諸形態
61 詐害行為取消権の行使の方法ーー詐害行為取消請求訴訟
62 詐害行為取消権の効果/概観
63 取消しの効果が及ぶ者の範囲
64 詐害行為が所有権の譲渡を目的とする法律行為である場合の具体的効果
65 詐害行為取消権の効果/転得者の法律関係
第7章 多数当事者の債権関係
第1節 当事者複数の債権債務/どのくらい多ければ多数か
66 多数というけれど
67 多数は債務者に限らない
68 多数当事者の債権関係が問題となる社会実体的背景
69 一個の債権債務という事態
第2節 不可分債権と不可分債務/どのような事態が不可分とされるか
70 不可分債務・不可分債権とは何か
71 性質上不可分とは何か
72 不可分債務の法律関係
73 不可分債権の法律関係
74 可分債務または可分債権への変更
第3節 連帯債権/わずか5か条が用意される概念
75 連帯債権の現実の例を掲げることは困難
76 連帯債権について民法が設けるルール
77 パラレル・デットの法律関係
第4節 連帯債務/ふつうは金銭債務
78 連帯債務とは何か
79 連帯債務の成立
80 負担部分という概念の重要性
81 連帯というけれど各債務は別個の存在
法文の読み方のガイド――連帯債務の諸規定
82 連帯債務者の一人について生じた事由の効力
83 連帯債務の免除
84 連帯債務者の求償権
85 連帯債務と時効
第5節 保証債務/書面でしなければならない契約
86 保証の意義
87 保証の成立
88 保証債務の内容
89 保証債務の附従性
90 主たる債務者の有する抗弁権・相殺権・取消権の援用
91 保証債務の補充性
92 保証人の求償権
93 連帯保証
94 共同保証
法文の読み方のガイド――個人保証の諸規定
95 個人根保証契約
96 個人貸金等根保証契約の特例的規律
97 事業資金融資の個人保証
第8章 債権の譲渡ーー債権を売る,贈る
98 債権譲渡とは何か
99 債権譲渡に類似する法律事象のいくつか
100 債権譲渡の成立要件ーー債権を売る,贈る
101 債権譲渡制限特約
102 債権譲渡の債務者対抗要件
103 債権譲渡の第三者対抗要件/確定日付のある証書での通知または承諾
104 債権譲渡の第三者対抗要件/債権譲渡登記
105 債権譲渡の効果
106 債権譲渡と相殺
107 将来債権の譲渡
第9章 債務の引受けーー債務は移転するものであるか
108 債務の引受けとは何か
109 併存的債務引受/意義
110 併存的債務引受/要件
111 併存的債務引受/効果
112 免責的債務引受/要件
113 免責的債務引受/効果
114 履行の引受けーー債務の引受けとは異なるもの
第10章 債権の消滅原因
115 債権の消滅原因の概観
第1節 弁済/弁済,返済,履行,どう異なるか
116 弁済の概念
民法の規定のガイド――弁済の規定の読み方
117 弁済の法的性質
118 弁済としてされる給付の内容
119 弁済の場所と時間
120 弁済の提供/意義
121 弁済の提供/要件
122 弁済の提供/効果
123 弁済の相手方
124 債権の差押え・仮差押えと弁済受領権限
125 受領権者としての外観を有する者に対する弁済/意義
126 受領権者としての外観を有する者に対する弁済/要件
127 受領権者としての外観を有する者に対する弁済/効果
128 第三者の弁済
129 弁済充当
130 弁済の証明
131 弁済の費用
132 弁済による代位/意義
133 弁済による代位/要件
134 弁済による代位の効果/代位者と債務者との関係
135 弁済による代位/代位権者と債権者との関係
136 一部代位の場合の代位者と債権者との関係
137 弁済による代位/代位権者相互の関係
138 代物弁済
第2節 弁済供託/単なる供託でなく弁済供託
139 弁済供託の意義
140 弁済供託の法律的性質
141 弁済供託の効力ということの意味
142 供託原因
143 弁済供託の方法
144 自助売却
145 弁済供託の効果
146 供託物の払渡し
第3節 相殺/読み方は,あいごろし,ではない
147 相殺の意義
148 相殺の機能
149 相殺の要件
150 相殺適状/一般的内容
151 相殺適状/例外的に相殺ができないとされる場合
152 相殺の方法
153 相殺の効果ーー対当額における債権の消滅
154 相殺の効果ーー相殺充当
155 相殺と差押えの優劣
第4節 更改/発生原因でもある
156 更改/概観
157 債務者の交替による更改
158 債権者の交替による更改
159 更改後の債務への担保の移転
第5節 免除/単独行為か契約か
160 免除の意義
161 免除の効果
第6節 混同/債権者は債務者を兼ねない
162 混同の意義
163 混同の例外
第11章 有価証券ーー貨幣,借用証,手形,どこが異なるか?
164 取引の個別的事情と債権譲渡の円滑ーーいずれを優先するか
165 有価証券の意義および種類
166 指図証券
167 記名式所持人払証券
168 記名証券
169 無記名証券
170 証券と権利との結合を解く手続ーー除権決定
171 電子記録債権
民法 条文索引
事項索引
判例索引
一覧
債権の定義
債権と物権
債権の帰属と行使
法定債権ーー法令の規定に基づく債権の発生
万引き犯人と向き合う
企業会計と債権の概念
預貯金の債権とは何か
預貯金は誰のものであるか
人々の暮らしと預貯金の債権
一般財産の観念
想い出の品物も債権の目的
種類物,不特定物,代替物
契約および取引上の社会通念
取立債務における種類債権の特定
特定が起こると危険が移転するか?
引渡しがされると危険が移転するか?
契約の内容に適合しない物の引渡しにより危険が移転するか?
謎の括弧書ーー民法567条1項括弧書の意義
名目主義
通貨と通貨に代わるもの
為替相場の概念
特定金銭債権や金種債権
法定利率
高利の規制
任意債権・代物弁済・更改の各概念の関係
債権の履行強制と民事執行法
履行強制の諸問題
債権発生後の事態の推移と債権の効力
履行請求権と損害賠償請求権の関係
原始的に不能な給付を目的とする契約の効力
不完全履行ないし積極的債権侵害という言葉
話を複雑にしないで考えるーー責任能力や違法性は要件か
債務を履行していないということの意味ーー415条1項の本文とただし書との関係
債務者の責めに帰することができない事由
免責事由
金銭賠償の原則
損害の種類をめぐる諸問題
履行利益と信頼利益
追完に代わる損害賠償
相当因果関係という考え方
因果関係と損害の関係
損害軽減義務
代償請求権
ニックネームの意味
債権者代位権と詐害行為取消権の異同
火中の栗
代位訴訟の構造
債権者代位権の“転用”という観念の適否
詐害行為取消権の歩み
詐害行為の概念
二重譲渡と詐害行為取消権
保証などがある債権が被保全債権となるか
保証などがある債務の消滅行為の詐害行為取消請求
前の原因に基づいて生じた債権ーー424条3項の場合
法人についての組織法上の法律行為と詐害行為取消権
離婚に伴う財産分与に対する詐害行為取消しの成否
支払不能の概念
詐害行為取消訴訟の構造
価額の償還を請求する権利の性質
代物弁済の詐害行為取消しと価額の償還
詐害行為取消請求による取消しの効果が及ぶ人的範囲
「請求する」権利と「求める」権利との関係
詐害行為取消請求権の効果ーー形成的効果と給付命令的効果とは同じ比重か?
債権・債務の合有的帰属・総有的帰属
分割債務・分割債権になるとされる諸例
連帯債務になると解される場面
連帯債務の概念
いわゆる不真正連帯債務の概念
いわゆる主観的共同関係説と相互保証説
共同不法行為における連帯債務の規定の適用関係
紛らわしいものを区別するーー連帯債務の免除と連帯の免除
保証の社会的作用
保証の周辺にある言葉の数々
保証契約の書面
主たる債務の履行状況に関する情報提供
なければならない規定であるかーー民法449条
主たる債務者の倒産と保証債務
あくまで通知は一つのコミュニケーション・ツール
連帯保証の意義
賃借人の債務の保証
保証契約締結時の説明と情報提供
人々の経済活動と債権譲渡
債権譲渡制限特約という言葉が法文にあるか
確定日付のある証書って何?
内容証明の郵便
確定日付のある証書をもってする通知による優劣の決定
確定日付のある証書による通知の同時到達または到達の前後不明
債権の“内容を変えないで”譲渡するというけれど
債務者による契約解除権の行使と債権の譲渡
債務者による“抗弁権の放棄”とよばれるもの
将来債権の譲渡
将来債権の譲渡と相殺
債務の引受けという概念の理解
併存的債務引受の合意
債権者の承諾がない場合の後始末
債務の引受けと根抵当権
弁済の意思
払込みによる金銭債務の弁済
通知・催告による提供すら要しない例外の是認可能性
外観的受領権者の法理ーー表見代理との比較
弁済充当ーー利息とは定期金の意味
求償権と原債権との関係
求償権および原債権と消滅時効
担保保存義務って本当に義務?
担保保存義務免除特約
供託所への道順を教えてください,と尋ねられたならば……
債権の消滅原因となる供託
債権の譲渡と弁済供託
国の会計事務と弁済供託
法定相殺という言葉の解題
自働債権と受働債権との関連性
第三者による相殺
相殺充当への弁済充当の規定の準用
差押え前の原因という概念の意義
差押え前の原因の理解と平成24年最高裁判所判決
差押えと相殺との優劣をめぐる問題状況の推移
更改の概念
更改に伴う担保の法律関係
混同と自動車損害賠償法の直接請求権の消長
なぜ人々は有価証券を用いるか
有価証券の概念
有価証券の創出原因
有価証券の善意取得ーーどこが即時取得と異なるか
指図証券の原因関係
抗弁の制限
記名証券と債権証書との異同
無記名証券の話題が提供された事例
免責証券という概念の適否
除権決定
電子記録債権の発生・譲渡・消滅
奥付