- 発売日
- 2024年01月30日
- 出版社
- 慶應義塾大学出版会
- 編著等
- 平野 裕之
保証を中心とする人的担保。その論点の全て!連帯保証、共同保証、根保証はもちろん、併存的債務引受、独立損害担保、経営指導念書についても言及。保証を中心とした人的担保をめぐる論点のすべてを扱う解説書。好評書『新債権法の論点と解釈』を深掘りする、保証に関する論点と解釈!連帯保証、共同保証、根保証はもちろん、保証と形式のみの差しか認められない併存的債務引受、また保証に類似する人的担保として、独立損害担保と経営指導念書についても言及する、保証を中心とした人的担保をめぐる論点のすべてを扱う解説書。
目次
表紙
はしがき
目次
参考文献
序章 保証および人的担保総論
1 担保の意義
⑴ 担保の意義・必要性──第三者による担保
⑵ 法定担保と約定担保
2 物的担保と人的担保
⑴ 物的担保(担保物権)
⑵ 人的担保
⑶ 担保としての保証の位置づけ
⑷ 保証を考える際の注意点
3 保証法学の発展と本書の構成
第1章 保証債務の意義および性質
1 保証債務の意義と現代的課題
⑴ 保証債務の意義など
⑵ 保証法の現代的課題──保証人に応じた多様な保証法理
2 保証債務の法的性質(法的構成)
⑴ 保証債務は主債務とは別個の債務である
⑵ 主債務との同一内容性(代位弁済可能性)
⑶ 保証債務の付従性・随伴性
⑷ 保証債務の補充性──単純保証の原則
第2章 保証債務の成立──保証契約
1 保証契約
⑴ 保証契約による保証債務の成立
⑵ 主債務者の依頼・同意は不要
2 事業債務の個人保証についての特則
⑴ 主債務者の保証委託に際する情報提供義務──事業上の債務の個人保証一般
⑵ 保証意思宣明公正証書の作成──事業債務たる貸金等債務の個人保証(委託の有無は問わない)
3 保証契約の特別の要件
⑴ 主債務の要件
⑵ 保証人の要件
4 保証をめぐる三面構造
⑴ 3つの契約により構成される取引
⑵ 3つの取引の構造
⑶ 保証人保護からみた影響構造
⑷ 三面関係についてのまとめ
第3章 保証債務の範囲
1 総論的確認
2 契約解除の事例における債務
⑴ 契約解除による損害賠償義務
⑵ 契約解除による原状回復義務
3 一部保証
第4章 保証債務の対外関係──債権者・保証人間の法律関係
1 債権者の保証人に対する権利
2 付従性に基づく抗弁
⑴ 主債務についての抗弁を援用できる
⑵ 主債務のみ時効が完成した場合──主債務の消滅時効の援用
⑶ 主債務と保証債務のいずれも時効が完成している場合
⑷ 主債務を生じさせた契約の取消権・解除権
⑸ 主債務者の相殺権
3 保証人固有の抗弁1──補充性に基づく抗弁
⑴ 催告の抗弁権
⑵ 検索の抗弁権
⑶ 催告・検索の抗弁権が認められない共通の事由
4 保証人固有の抗弁2──保証人固有の事由
5 保証債務の消滅事由のまとめ
第5章 主債務者または保証人について生じた事由の効力(影響関係)
1 主債務者について生じた事由の効力
⑴ 付従性から生じるもの
⑵ 付従性が制限される場合
⑶ 随伴性から生じるもの──債権譲渡
⑷ 債権の強化のために民法が特に認めたもの
2 保証人について生じた事由の主債務者に対する効力
第6章 保証人の求償権
1 保証人の求償権総論
2 受託保証人の求償権
⑴ 受託保証人の求償権の位置づけ
⑵ 受託保証人の事後求償権
⑶ 受託保証人の事前求償権(事前請求権)
3 委託を受けない保証人(無委託保証人)の求償権
⑴ 無委託保証人の求償権の法的性質
⑵ 主債務者の意思に反するか否かで差がある
4 数人の主債務者がいる場合の保証人の求償権
⑴ 債務者全員のために保証人(連帯保証人)になった場合──民法に規定なし
⑵ 債務者の1人のために保証人になった場合
第7章 特殊な保証1 ──連帯保証
1 連帯保証の意義および発生原因
⑴ 連帯保証の意義とその特殊性
⑵ 連帯保証が認められる場合
2 連帯保証への連帯債務規定の準用
⑴ 連帯債務の絶対的効力事由について
⑵ 具体的検討
第8章 特殊な保証2 ──共同保証
1 共同保証の意義および種類
2 共同保証の対外関係
⑴ 分別の利益──―共同保証にも分割主義を適用
⑵ 分別の利益が否定される場合
3 共同保証人の1人について生じた事由の効力(影響関係)
⑴ 分別の利益が認められる場合および保証連帯の場合
⑵ 保証連帯のない共同連帯保証人
4 共同保証人間の求償関係
⑴ 共同保証人間の求償権──弁済者代位との関係
⑵ 465条1項の求償権の要件など
⑶ 465条2項の求償権
第9章 特殊な保証3 ──根保証
1 根保証の意義、種類および法的性質
⑴ 根保証の意義および規律
⑵ 根保証の法的構成
2 個人根保証における保証限度額(極度額)設定の必要性──包括根保証の禁止
⑴ 保証人についての要件──法人根保証ではないこと
⑵ 主債務についての要件──債権者、主債務者についての要件
⑶ 極度額についての要件
⑷ 無効の内容および脱法規制
3 個人根保証における保証期間──確定期日
⑴ 適用範囲の拡大は見送られた
⑵ 保証期間(確定期日)の定めがある場合
⑶ 保証期間(確定期日)の定めがない場合
4 個人根保証における元本の確定
⑴ はじめに──改正前の特別解約権よりも厚い保護
⑵ 個人根保証に共通の確定事由(465条の4第1項)
⑶ 個人貸金等債務の根保証に特有の元本確定事由
⑷ 確定前の法律関係──立法論議・平成24年判決後の議論
5 法人根保証契約の個人による求償保証の規制
6 法人根保証契約について──根保証総論
第10章 保証以外の人的担保1 ──併存的債務引受
1 併存的債務引受の意義
⑴ 併存的債務引受が基本型──債務の移転を認めない
⑵ 併存的債務引受と保証
2 保証規制に対する脱法対策
⑴ 脱法規制についての立法論議
⑵ 規定導入は断念された
3 保証代用としての併存的債務引受の規律
⑴ 併存的債務引受の要件・契約締結に際する規制
⑵ 契約当事者について
⑶ 併存的債務引受の効果
第11章 保証以外の人的担保2──損害担保契約(独立的人的担保)
1 損害担保契約(独立的人的担保)の意義
2 身元保証
⑴ 身元保証法ができるまで
⑵ 身元保証の意義
⑶ 身元保証期間
⑷ 使用者の保証人への通知義務と身元保証人の解約権
⑸ 身元保証人の損害賠償義務についての斟酌事由
⑹ その他の問題点
⑺ 改正民法の適用
3 請求払無因保証──国際取引
⑴ 請求払無因保証の意義
⑵ 請求払無因保証の利用と日本の判例
⑶ 請求払無因保証の機能など
4 損害担保契約の一般論──国内取引での利用の可能性
第12章 保証以外の人的担保3──経営指導念書(支援表明・経営支援状)
1 経営指導念書の意義および法的問題点
⑴ 経営指導念書の意義
⑵ 多様な経営指導念書
2 経営指導念書をめぐる学説・判例について
⑴ 学説における議論の端緒
⑵ 経営指導念書をめぐる判例の状況──全て責任を否定
⑶ 経営指導念書をめぐる学説の状況
⑷ 本書の立場
3 経営指導念書の将来
結賞 保証および人的担保の将来
⑴ 保証法の現状の確認──保証法の多様化
⑵ 保証および人的担保の将来
事項索引
判例索引
著者略歴
奥付