- 発売日
- 2022年10月10日
- 出版社
- 日本評論社
- 編著等
- 篠田徹、上林陽治
格差や貧困など社会の危機に、良質な事業者を育成し、働く人を下支えして誇りを回復するという視点からの自治体労働政策を考察。
目次
表紙
目次
序 地方自治体と労働政策──三つの役割・五つの視点
第一部 就労支援政策
第一章 働くことを通じた自立支援 その意味
一 地方分権改革と「自立支援政策」の強化
二 社会的包摂と人権の観点からの就労支援
三 「第二のセーフティネット」と生活困窮者自立支援制度
第二章 自治体就労支援政策の意義と課題──豊中市の事例
一 豊中市の就労支援政策──事業の実施体制と実績
二 就労支援政策の課題
第三章 自尊感情の回復と中間的就労──釧路市の生活保護自立支援プログラムの取り組み
一 生活保護自立支援プログラムの導入の前提・背景
二 生活保護自立支援プログラムの構想と導入
三 釧路市の生活保護の特徴
四 釧路市・被保護母子世帯対象の自立支援モデル事業の成果
五 釧路市の生活保護自立支援プログラムの特徴
六 自立支援推進のための市の体制整備
七 釧路市の実践に学びうること
第四章 「標準」に達することを求めない福祉──秋田県藤里町社会福祉協議会の「活躍支援」という実践
はじめに 「常識」をちゃぶ台返しする快感
一 ひきこもり者の力を地域づくりへ
二 活躍支援──標準に達することを求めない福祉
おわりに 時代が藤里町社協に追い付いた
第二部 地域雇用政策
第五章 地域就労支援から地域労働市場への対応──豊中市の実践にみる地方版ハローワークの可能性
一 地方版ハローワークの概要
二 豊中市の就労支援政策の特徴
三 豊中市の地方版ハローワークの取り組みの現状と特徴
四 豊中市の実践にみる地方版ハローワークの効能
五 豊中市の到達点と可能性
第六章 グローバル資本主義に対抗する支え合いの経済
一 グローバリゼーションの功罪
二 新自由主義のオルタナティブ
三 プレストン市における地域再生の取り組み
四 アセット・ベースのアプローチと連帯
おわりに 日本への示唆
第三部 公契約・公共調達
第七章 社会的価値を反映させた公共調達(付帯的政策)の可能性──英国自治体の取り組みからの示唆
一 日本の公共調達の現状
二 EUの公共調達
三 英国自治体の公共調達
四 公共調達への社会的価値の反映
第八章 入札を活用した政策実現──公契約の適正化と政策目的型入札改革
一 公契約に関する問題の所在
二 公契約の適正化
三 政策目的型入札改革とその意義
四 政策目的型入札改革の現段階
第九章 公契約条例がめざすもの──制定条例の現状と課題から考える
一 公契約条例と公契約基本条例
二 賃金条項の現段階
三 公契約条例制定自治体調査
四 ディーセントワーク実現のために
第一〇章 公契約条例の実務と理論
一 公契約条例に関する自治体実務上の論点
二 公契約条例に関する法的論点
三 合理性ある労働報酬下限額(賃金下限額)の算定方法
終章 地域の労働政策・雇用政策を考える──「繋がり支え合って働ける社会」をつくるために
一 人はパンのみに生きるにあらず
二 意味ある仕事と繋がり支え合って働くこと
三 若者世代にとって「繋がり支え合って働く」とは
四 貧困と格差を生んだ「繋がり支え合って働く」社会の溶解
五 「繋がり支え合って働く」ためのソフト・インフラの整備
六 社交的労働観
七 「繋がり支え合って働く」関係団体の支援
おわりに
執筆者紹介
奥付