- 発売日
- 2023年07月30日
- 出版社
- 日本法令
- 編著等
- 合同経営グループ、林哲也
社会保障費抑制策や深刻な人手不足など、小規模介護事業者は厳しい経営状況にある一方、①介護職員処遇改善加算を活用した人事制度の構築、②経営指針の共有や適正な労務管理による職員のエンゲージメントの向上、③職員間のコミュニケーション改善に取り組むことにより、事業所の総合力を高め、成長しているところも実在します。5訂版では、最新の制度に基づきこうした取組みの進め方を解説。さらに、近年新たな課題となっているBCP策定や外国人雇用に関する章も新設。
目次
表紙
はじめに
CONTENTS
第1章 介護保険制度の歴史的経緯と課題
Ⅰ 介護保険制度の意義
1 「日本国憲法」は、介護事業者の「座標軸」
2 高齡者福祉制度の変遷
Ⅱ 介護保険制度改正
1 事業所経営に関する影響
2 介護職員に関する影響
3 利用者と家族に関する影響
Ⅲ これからの社会保障改革の展望~全世代対応型の持続可能な社会保障制度構築に向けて
1 人口の大幅減
2 孤独死の増加、看取りの意義
3 介護保険制度これからの20年
第2章 経営指針を社員と共有する
Ⅰ 「自立型介護経営」を実現するための経営指針
1 経営指針の必要性
2 「人材確保指針」が指摘する「経営理念」の必要性
3 介護事業所に求められる経営指針とは
Ⅱ 経営指針作成の手順
1 介護事業の「働きがい」を経営理念で明確にする
コラム 手に持つお花を・・・
Ⅲ 経営理念検討シートを書く
1 作成方法
2 経営理念検討シート作成例
事例紹介 株式会社せとうち福祉サービスの経営理念と事業戦略
Ⅳ 自社の事業を分析する
1 「SWOT分析」検討シート
2 「事業ドメイン」を考える
3 「事業ドメイン」検討例
Ⅴ 10年ビジョンの策定
1 「10年ビジョン」とは
2 「10年ビジョン」の策定にあたって
3 「10年ビジョン」は未来への懸け橋
事例紹介 ていくあい有限会社の経営理念と10年ビジョン
Ⅵ 経営方針
1 「経営戦略を考える」シート
2 「経営方針(経営戦略)」シート
3 「経営戦略を考える」シート作成例
4 「経営方針(経営戦略)」シート作成例
Ⅶ 経営計画
1 中期経営計画
2 中期経営計画作成シート
3 単年度経営計画
4 単年度経営計画作成シート
Ⅷ 部門計画
Ⅸ 経営指針の実践と見直し、共有の深化
1 経営指針を社内全員のものにする
2 経営理念を外部へ発信する
3 経営指針を日常行動の指針にする
4 経営指針の見直し
Ⅹ 「数値計画」のための試論
1 勘定科目の全体像を把握する
コラム 中期・単年度の数値計画を明確に
2 「売上高」と「人件費」の率を確認する
3 「消耗品費と賃金は同列か?」分配可能利益を考える
4 介護職員処遇改善加算等の活用
事例紹介 有限会社ナイスケアサポートの経営指針書
第3章 介護職員処遇改善加算とキャリアパス
Ⅰ 介護職員処遇改善加算制度の歴史と概要
1 介護職員処遇改善加算制度の歴史
2 総人口の推移と高齢者割合の増加予想
3 見込まれる利用者の増加と介護職員の需要
4 介護職員の賃金と離職率、離職理由の変化
Ⅱ 介護職員処遇改善加算制度の全体像(2023年現在)
1 現在の処遇改善加算制度
2 介護職員処遇改善加算の目的
Ⅲ 介護職員処遇改善加算(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)
1 介護職員処遇改善加算とは
2 「キャリアパス要件」とは
3 「職場環境等要件」とは
Ⅳ 介護職員等特定処遇改善加算
1 介護職員等特定処遇改善加算とは
2 創設当初の内容
3 算定要件に関する留意点
4 2021年度介護報酬改定における賃上げルール見直し
5 特定処遇改善加算の今後
Ⅴ 介護職員等ベースアップ等支援加算
1 介護職員処遇改善支援補助金から始まる
2 取得要件とそのねらい
3 処遇改善加算制度の今後
4 処遇改善加算等の計画書・実績報告書の様式の簡素化
Ⅵ 処遇改善加算制度をフル活用するために理解しておくべきポイント
1 「やったふり」で制度が活用できることによる弊害
2 持続可能な制度でなければ意味がない
3 「仲間づくり」を心がければ本来のキャリアパス制度に近づく
4 自発のココロを育てる
5 管理者教育の必然性
6 若者の声を聴く
事例紹介 本音が聞ける社風づくりで職員も事業所も成長~株式会社松
Ⅶ 【キャリアパス要件】を達成する人事制度の構築方法
1 人事制度とキャリアパス要件との関係
2 介護事業所の人事制度
Ⅷ 人事制度の移行から新制度運用までの流れ
1 新制度への移行の流れ
2 給与の組替えは移行前後の総支給額を確認しながら行う
3 非正規職員(パートタイマー等)の対応
4 職員向け説明会のポイント
5 本格運用後のスケジュール
6 就業規則への反映
7 評価者の心構え
第4章 介護職員の働きがいと労働条件の明確化
Ⅰ 介護業界と就業規則
1 就業規則の「作りっぱなし」を終わらせる
2 ともに育む就業規則
3 PDCAサイクルで就業規則を見直す
Ⅱ 介護労働者の労働条件確保と職場環境の改善
1 介護労働者の多様性を踏まえた労働条件確保
2 介護労働者の求める職場環境の改善
Ⅲ 介護事業所の就業規則のポイント
1 適正で合理的な労働時間管理を行う
2 達成感や成長を感じられる表彰制度を設ける
3 服務規律は経営理念を踏まえた行動指針とする
4 運用可能な休職制度とする
Ⅳ 職員を守るハラスメント防止策
1 なぜハラスメント対策が必要なのか?
2 一般的なカスハラとの違いに注目
3 職員が希望するハラスメント対応とは
Ⅴ 働きがいのある職場づくり
1 雇用開始時の一工夫
2 雇用関係終了時の一工夫
3 名も実もある管理監督者
4 ボランティアの活用と労働基準法
5 高齢者・外国人材の活用
第5章 「真・報連相」で職場を変える
Ⅰ 介護現場の「コミュニケーションDX」
1 介護現場のDX事例
2 報連相の目線からみたコミュニケーションDXの注意点
Ⅱ 介護現場で「真・報連相」を活用する目的
1 「報連相」は、良い人間関係を育てる
2 介護の職場にはコミュニケーション技術と実践展開が必要
3 万全なコミュニケーションの構築は誰でもできる
4 「真・報連相」の考え方は、わかりやすく、実際に使える
Ⅲ 「真・報連相」理論の核心その1 「3つの視点」
1 「目的」思考が大切。「目的」を明確にすることが質の高い報連相の分岐点
2 「環境(相手)」を考慮してこそ質の高い報連相になる
3 「自己」が「目的」に基づいて「相手」に報連相をする
Ⅳ 「真・報連相」理論の核心その2 「3つの深度」
1 情報の共有化の【深度1】「事実情報の共有化」(知っている)
2 情報の共有化の【深度2】「意味の共有」(わかっている)
コラム あと10名の利用者獲得を!
3 情報の共有化の【深度3】「考え方の波長の共有化」(心がそろう)
コラム 「聴す」の読み方をご存じでしょうか?
Ⅴ 「真・報連相」理論の核心その3報連相には「レベル」がある
Ⅵ 「真・報連相」を実践するために指針をまとめる
1 「これだけはやろう」「これだけはやめよう」を出し合う
2 自社の「手作り報連相レベル表」の作成と共有~グループ討論によるレベル表の作成
3 一定期間での見直し
Ⅶ 介護事業における「情報の共有化」の重要性
1 事例1:なぜ家に帰らないの?
2 事例2:なぜ車いすから転倒するの?
3 事例3:押しつけのアクティビティ?
コラム 「情報の共有化」を深められなかった組織の末路
Ⅷ 「人」を動かす4つの方法
1 自分の意志を他人(ヒト)を動かして実現する
2 「人」を動かす4つの方法
第6章 介護事業所をめぐる今日的な課題
Ⅰ 介護事業所に求められるBCPとは?
1 2021年度介護報酬改定とBCP策定の義務化
2 BCPを身近なものに置き換えてみましょう!!
3 BCPで決めるべき内容
4 新型コロナウイルス感染症発生時のBCP
Ⅱ 外国人労働者の現状と雇用について
1 外国人労働者を雇うのは日本人を雇うよりも難しい!?
2 外国人労働者受入れの第一歩は「技能実習生」から
3 人手不足解消のために設けられた「特定技能」
4 ずっといてもらいたいならば在留資格「介護」
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